マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

存在感

2014年07月26日 | サ行
 用例01-1、この二冊の姉妹辞書がどちらも売れ続け、辞書界で存在感を放ち続けたことが、後に思わぬ展開を見せていく。(佐々木健一著『辞書になった男』文芸春秋、122頁)

 用例01-2、その空間の中で、明らかに一人だけ異質な存在感を放っていた。(同書164頁)

感想・存在感は「放つ」ものなのでしょうか。明鏡には「存在感のある名脇役」が載っていますように、普通は「存在感」は「あったり、なかったり」するものではないでしょうか。「放つ」を生かすならば「輝きを放つ」か「異彩を放つ」ではないでしょうか。

 この用例の場合について言いますと、「「続ける」につなげたいなら、「存在感を持ち続けた」でどうでしょうか。

用例 02、一方、同じ敗戦国ドイツは、一目置かれる存在である。アジアで存在感を失いつつある日本と違って、EU(欧州連合)内で存在感を示す政治大国だ。(川口マーン恵美著『住んでみたドイツ、8勝2敗で日本の勝ち』講談社34~5頁)

用例03、第一人者の力と存在感が一層輝いた一番だった。(朝日、2014年07月21日朝刊。波戸健一)

 ★ 皆さんも用例を集めて教えてください。

PS(2014年7月30日に加筆)

 用例04、商業施設やオフィスが入るこのビル〔渋谷ヒカリエ〕で、ひときわ存在感を放つのが1~16階部分を貫く国内最大級のミュージカル専用劇場「東急シアターオーブ」だ。(朝日、2014年7月28日夕刊。宮嶋加菜子)

 感想・私の経験則では、正しいか否かはともかく、「新しい用語法は別々の二人以上の人に使われていることが確認されるならば、既にかなり一般化されていると判断してよい」ようです。


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