1、1995年年02月20日、NHKのニュースが「駒沢大学の英語の入学試験の『答案用紙』が50枚紛失した」と報じました。よく聞いていると、それは、「未だ答案の書かれていない用紙」が紛失したのではなく、「既に答案の書かれた用紙」が紛失したのだ、と分かりました。
2、同日付け朝日紙夕刊には「答案紛失」との見出しがありました。
3、答案と答案用紙と、この場合どちらが正しいのでしょうか。学研の「国語大辞典」と教育社の「国語用例辞典」には、「答案」の項に、「試験の答え」という意味の他に、「答案を書いた用紙」の意味でも使うという趣旨のことが書かれてあります。
4、しかしどの辞書を見ても「答案用紙」という項目がなく、従ってその説明がありません。
5、ここには3つの事があると思います。
A・答案の未だ書かれていない〔答案を記入するための〕用紙、
B・既に答案の書かれた用紙、
C・答案そのもの、
である。
6、私の感じでは、「答案」という語はBとCに使われるが、「答案用紙」という語はAにしか使わない。ここはやはり「答案用紙の紛失」はおかしいと思います。