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搾取(収奪)

2006年11月30日 | サ行
 ① 搾取とは、社会の一部の人が他の人の労働の一部分をただで手に入れることである。その方法が経済的か経済外的か、又その場所が生産過程内か流通段階かとは無関係である。

 ② それに対して収奪とは、生産手段を奪い取ることである。つまり、たとえば土地の囲い込みとか、社会主義権力による資本家の生産手段の没収などである。

 これを非生産過程(流通段階など)における不払労働の取得(つまり搾取)と解するのは間違いである。

 (新日本出版社発行『経済』1963年12月号所収の  金子ハルオ氏の論文)

  参考

 01、わが国の共同体が保障にならないという事、農民が農村を捨てて、土地を去って行きつつあるという事、この事実は正しい。しかし、これは次のように言い添えるべきだっただろう。即ち、農民は収奪されつつある、と。なぜなら、農民は(私的所有権に基づいて)或る生産手段を持っていた(その中で土地は特別な権利に基づいて所有していたのであるが、この権利は共同体の買い取る土地の私的利用をも許すものであった)が、いまやそれを失いつつあるからである。(レーニン『ナロードニキ主義の経済学的内容……」、『邦訳全集』第1巻、388頁)

 感想・つまり、これは「収奪」概念の正しい使い方だということです。
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