植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

歳をとるほどに人様の厚情が沁みます

2021年01月21日 | 日記
 今日は木曜日で一般ごみ、明日は書道教室、月曜日にまたゴミ出しして、火曜日はマッサージ、これだけがワタシの週間スケジュールであります。予定表を向こうひと月見ても、これ以外のイベントや約束はありません。

 コロナのせいもあって、ゴルフや飲み会も皆無です。外出・旅行は、自粛要請が無くても考える気も起きませんな。1年やそこら旅行やおいしいものを食べるなどの楽しみが制限されても、なんてことはありません。戦争が勃発した、よそから敵が攻めてきた、と考えたら「欲しがりません、勝つまでは」と思うのは当然。現に80年前にはそういう事態が日本でも起きていたのですから。

 若い人達に、「これから人生は長いのだから、こういう緊急事態ぐらい、いっとき辛抱して大人しくできないのかしら」、と考えるのはこちらが年とった証拠でしょうか。

 実際、この歳になると、ゴルフや会食などのお楽しみであってすら、日時が決まった人とかかわる約束は、だんだん億劫になります。予定日に合わせていろんな段取りが変わり、日常の過ごし方に狂いも生じます。そうしたことがプレッシャーにさえなってくるのです。隠れ家で、普段気ままに誰とも会わず、ひたすら園芸と書道三昧の生活が最も気楽、コロナ感染の心配もありません。

 昨日は誕生日でありました。高齢者の仲間入りをした以外には別に何もあるわけもありません。血糖値が高いワタシにとって、ケーキにも用は無く、ご近所さんや親戚からの頂き物の天ぷらなどに、ありあわせのものを入れた雑炊が、ささやかな夕餉でありました。

 電話と手紙しかなかった昭和の昔から、時代が移り今や、スマホやパソコンのおかげでSNS、LINEなど様々なコミュニケーション手段が広がりました。若いころは誕生日なんかというと、知り合いや恋人、家族などがお祝いをしてくれたりプレゼントを貰ったりと、「密」なお付き合いもありました。

 今年も何人かの人たちが、ワタシの誕生日を覚えてくれていて、LINEにお祝いメッセージをいただきました。中学や高校時代の同級生、昔の職場の仲間、兄、などです。
 グループラインやらタイムラインなどでも思わぬ人たちとどこかで繋がっているのですね。ものは試しで、タイムラインに拙書の写真を投稿したら、近所のお寺のお上人や、何十年も会っていない福岡の従弟からコメントが届きました。
 いやいや、ありがたいことであります。無職・半隠遁生活のワタシ風情に、気にかけてくれる人がいるだけで、感謝以外言葉もありません。何もわざわざ出向いて会ったり会食したりしなくても、お互いの息災・消息が分かるだけで十分でありましょう。居ながらにして人の優しさ、心配りのありがたさが身に沁みます。
 
 昨日は自家栽培のデコポンを初めて試食しました。瑞々しい果汁は強い甘みと酸味がマッチし、大変上出来なお味、育てた甲斐がありました。

 
 家内の口癖は「皆さんに生かしてもらっている」であります。寒い寒い「大寒」ですが、シアワセで温かな心持の一日を過ごすことが出来ました。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

短冊は仮名書きだけで結構

2021年01月20日 | 時事
相も変わらず、コツコツと書の稽古に励んでおります。楷書、行、草書、隷書、篆書、と5体を順に臨書し、篆刻し、たまに「仮名」も練習する、これをスパイラルのように繰り返して、ゆっくりと階段を上っていくのです。

 仮名書きは、漢字とだいぶ感じが違います。使う筆は仮名用小筆、硯でササッと墨を磨り、仮名用半紙に何度もいろはを書写していきます。通常「高野切」という入門書(手本)があり、仮名を学ぶのはこれ一つマスターすれば、なんとかなります。ちなみに、紙は表面を薬品でコーティングしてあり、ほとんど墨が滲まない(吸わない)ようにしています。それで、僅かな数ミリの穂先に含んだ墨で墨継ぎせずに十数文字を書けるのです。

 清書や作品作りは、模様や絵、ぼかし、金箔などを施した切継紙とか料紙と言われる小さな紙に、句や短歌などをサラリと書くことになります。僅かな紙の中に、上手に空間をとって書くのが一番の難関です。これによく用いるのが短冊でもあります。

 仮名書きの書は、中には条幅、全紙を使った大作もありますが、概ね小さな色紙・短冊にサラサラと書くのでほんの数十秒もあれば書き終わります。もちろん紙の大小、かかった時間で作品の価値が決まるわけではありませんが、先にこのブログでも紹介した「百福寿」などは、ちゃんと書きあがるまで、一瞬と気を抜けない作業で丸二日を要するのです。これを同列に扱われてもなー、というのが書き手側の偽らざる本音であります。

 さて、ようやく通常国会が始まりました。総理の所信表明、これを短冊方式というのだそうです。各省庁から上がってきた目玉の政策(見栄えのしそうな施策)を短冊のように並べ、総理がそれぞれ4,5分ずつ順に読み上げるのです。

 もともと官僚は「無謬性」=間違いをしないという発想に凝り固まっていて「前例主義」の権化でもあります。その施政に大幅な変更などありようもないのです。おそらく官邸からは、なにか今までと違うものを出せと言われるでしょうから、唐突に局所的な政策を打ち出してきます。カーボンニュートラル・グリーン成長戦略 、デジタル省、はんこ廃止など、目先を変えるだけの小手先の案です。

 わずか40分程度の所信演説なので、総花的表面的になるのは当然の帰結です。しかし100年に一度の国家的危機、そして、予算の半分近いものをその対策に費やす「コロナ」であります。国民が注目し最も期待を寄せるのはオリンピックでもデジタル化でもありません。コロナ、その一点に尽きるのです。

 40分は既成の短冊を読み上げるのもいいでしょう。今回ばかりは、それとは別に、コロナの過去1年にわたる総括と反省の上に立って、徹底的に封じ込めるための体制を確立したうえで、国民にも負担自粛を要請するという姿勢を出すべきなのではなかろうか、と思いましたね。

 Go-toで「延べ2500万人以上が宿泊し、感染が判明したのは数十名 」という根拠のない言い訳を言った時点で、この人の言うことを聞く価値はゼロです。事前にツイッターで内容を暴露されたとか、議員が居眠りしたとかは、演説が、ただの原稿読み上げ以上の何物でもない、お粗末な内容が招いた自然現象と捉えるべきでしょうね。

 仮名書きの書を悪く言うつもりはさらさらありません。長年磨いた書芸で、筆先に神経が研ぎ澄まされて書かれた繊細な「かな書」は、息をのむような美しさと趣があります。
 しかし、何か月も練習下書きを繰り返し、何十回も書き直して清書した半切・条幅の作品を見るとき、その書家さんの労苦と並々ならぬ研鑽・気概にふれ、その書のすばらしさを感じてしばし見入る、というようなことになりましょう。

 一発芸で笑いを取るぽっと出の若手芸人と、1時間かけて「芝浜」を演ずる名人の噺とを一緒くたにできないのが道理というものです。

 あんな「短冊」所信表明演説など、なんの価値もありません。ちょっと大声を出していたのがご愛敬でしたが。
 凝縮された深い内容、思い入れ・魂を込めて自分自身の言葉で、十分な時間をかけて語りかけてこそ、人の心に響き国を動かす演説となるのです。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

性懲りもないワタシに天使が舞い降りる

2021年01月19日 | 植物
昨年暮れの痛恨の出来事は、車でバックしてぶつけたことと洋ラン「フレッドクラーケアラ アフターダーク’SVOブラックパール FCC/AOS 」を枯らしたことでした。それ以前にもたぶんいろいろ痛恨の出来事はあったように思いますが、もう覚えていません(忘れた方がいい)。
 この長ったらしい名前の蘭は、愛好家の中ではよく知られた希少品種で、そうそう売られていません。3,4年前当地で行われていた洋らん展でみかけて、一発で虜になりました。真っ黒というほどに黒い花を咲かせ、独特の芳香があります。

 すぐさまネットでさんざん探し、ようやく見つけて8千円以上出して入手しました。ワタシにとっては過去最高値の洋ラン購入であったのです。株が充実しないと花芽を持たない、とか冬場は水を切るなど乏しい情報の中、なんとか育てていたのですが、昨春葉っぱを落としていたバルブからわずかに緑の新芽をのぞかしたのを最後に、動かなくなりました。それから葉っぱも出ずそのまま立ち枯れてしまったんです。

 去年の暮れに根まで完全に枯れているのを確認し、泣く泣く処分いたしました。何がいけなかったかはよくわかりません。夏場の成長期には毎日水やりし、液肥もたくさん与えました。そういう風に育てると書かれていました。落葉したら、水を切るというのも守って寒さにも当てないようにしたのですが・・・・

 悔しい思いを抱いたまま年を越しました。そして急に思い立って以前買ったお店のサイトに行きましたが、品切れでした。やはり縁がない、無理であったと思う反面、今一度という期待(諦めの悪さ)があって、性懲りもなくググりましたら、一件だけヒット、しかも今度は3.850円と格安でした。送料かかっても安いものです、そして、昨日届きました。キターーーーーー

 なんと夢にまで見た花蕾つき株であります。これは安い。葉っぱが黄色くなっているのはお約束、このランは葉を落として花だけになるのが特徴の一つなのです。山高ければ谷深し、失望が大きかった分、この花付き苗を安く買えたのはうれしさ倍増でありました。

 そこで、同梱されていた冊子「JOGA」というのは、知る人ぞ知る洋ラン団体発行の機関紙、ようは宣伝用のカタログであります。こいつをパラパラと見ておりましたら、イベント情報がありました。「そういえば平塚の洋らん展は中止になったのか去年はやらなかったなぁ」などと思ったら、なんと湘南蘭友会洋らん展を見つけました。しかも、その期間が1/15~1/18!!、「うわ、今日が最終日じゃんか!!」

  偶然というべきかはたまた運命的というべきか、こうしたことはざらにあるものではありません。行くしかない、即座に思い立ちいそいそと行ってまいりました。コロナの影響か展示物も、販売業者も、お客も半分ほどしかいませんでした。二年ぶりで、経済を回さねばと買う気満々に出かけましたから、手ぶらで帰るわけにはまいりませんわね。

 ここで、また性懲りもなくパフィオペディルム3鉢を買いました。別名「天使のスリッパ」すでに、4株ほど持っていますが、一つは生死不明、他のも開花するに至らず生きてるだけ(´;ω;`)。でも、花が独特で可愛いし、ひと月以上咲き続けるのでお気に入りなんです。一つ千円だったので、ついつい・・・。

さらにせっかく来たので、マスデバリア エンジェルフロスト「天使の霜」という小さな開花蘭とメデゥーサという変わったものもついでに買ってしまいました。(あぁ、この手の小鉢のミニ蘭はひ弱で枯らしちゃうんだよね)
なんて可愛い花なんでしょう💖❤♡「霜」というネーミングがよくわかりませんが。
 年頭に当たっての今年の抱負、決意は、1に書道の作品作り、2にブドウの雨よけ屋根作り、そして3が心を入れ替え洋ランをちゃんと世話する、であります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

果実そだてるなら柑橘に限る(地域限定)

2021年01月18日 | 植物
 当地平塚は、関東でももっとも温暖なエリアの一つです。他に、三浦半島、房総・伊豆・小田原あたりが最も緯度が低いのですが、半島部分などは山が急峻であったり、入り組んだ地形であったりするので、植物栽培もすべての環境が満たされているとも言えません。

 そこに行くと、平塚は平野部が続きなだらかな海岸線、穏やかな一級河川相模川などのおかげで、過去にも大災害が無く、温暖で過ごしやすい地域なのです。大きな被害を生じた河川氾濫、台風直撃、竜巻、津波被害などの記録もほとんどありません。こういう土地柄だと、少しぼーっとした住民が増えるのも致し方ありません。
 さて、柑橘であります。ほとんどの柑橘は温暖な環境を好み、瀬戸内海沿岸、紀伊半島、静岡あたりがその名産地です。南向きで、日照が多く・強い風に当たらない、気温が高くほとんど凍結しない、という条件を好みます。それがあって、当果樹園(非営利)でも柑橘が全体の半分を占めております。

 柑橘を果樹に選ぶ理由は、素人にも育てやすいことが挙げられます。病気は少なく、害虫はアゲハとハモグリガ程度です。何より自家受粉するのがありがたく受粉率も高いことですね。もう一つは、ワタシの家内の嗜好にもあります。いくらかアレルギー体質もあって、果物好きでも熱帯性果実の多くが食べられないのです。そこで、アレルギーの心配がない柑橘を中心に栽培することにしております。

 最初に植えたのがゆずであります。菜園の外れご近所との境の塀際(なぜかゆずは隣家との境が多い)でした。年々大きくなり、今年もたくさん収穫できました。次にレモンとデコポンをそのそばに並べて植えたのですが、これが失敗でありました。たい肥・腐葉土をたっぷり漉き込んで大きな穴を掘って植えたのです。レモンは2年で実を付けましたが、その後どんどん樹勢が衰え、花も咲かなくなりました。一方のデコポンも、ちっとも太らず弱弱しいままで、数個小さな実をならせるだけです。おととし植えたデコポン2号が10個以上の大実をつけているので、その違いは一目瞭然です。

 その後のワタシの観察・研究では、初期の虫害にあるとの結論です。思えば園芸を初めて数年、コガネムシの幼虫が大量に発生していることに気づき、駆除のために薬剤をまくようになりました。その時すでに時遅し、有機肥料を好むコガネムシが苗の根をかじり致命的なダメージを与えたのだと考えています。
 ブドウにせよ柑橘にせよ果樹類は根を傷めるのを嫌います。根切りしたり、移植するのも基本的にNGです。園芸家ならだれでも知っているのですが、そのころ全く無知であったので、水やりと液体肥料をやるくらいしか思いつきませんでした。成長段階で幼苗が根を食害されて、以後ずっと生育不良になっていました。こうなると、枯れないだけで樹勢は回復しません。処分するしかないと理解するのに数年かかりました。

 以降、果樹などを植え付けするときには、大量の殺虫剤(ダイアジノン)を土に混ぜ込みます。1,2年はどうせ実がならないので、樹木の生長のみを考え農薬を使います。万一多少残留しても、当分はワタシが食べるだけのこと(笑)、どおってことはありません。収穫後も然りで、年に2,3度は念のため駆除剤を撒きます。あいつら(コガネムシ)「たち」が悪いのです。

 その甲斐あってか、去年あたりから柑橘類が沢山獲れるようになりました。
まず、こちらがニューフェイス「はるか」ちゃん。

青みがかった外皮だけでなく、果肉も薄緑色なんです。見た目と甘さのギャップがあって、ここ数年で急に出てきた新品種です。


これは、まん丸のレモン。たぶん「マイヤーレモン」ではないかと思われます。

こちらは、予想以上に実がついた「不知火」。カラス・ヒヨドリ除けにネットを被せております。甘味が強ければ「デコポン」と呼べます。

ヒヨドリとメジロの襲来対策で、ネットと袋掛けをしました。「セトカちゃん、メジロは体が小さいので粗いネットをすり抜けて穴をあけて果実を啄みます。すでに二つ突かれて、ワタシの試食用になりました。

こちらが清見オレンジ、例年実が付き過ぎて小粒でしたが、今年は裏成り年なのか数が少ない分大実となりました。期待度マックスです。

 去年までは、鳥に食べられる前に収穫しようと、未成熟の柑橘ばかりになり大失敗しました。今年こそ万全の鳥対策で樹上完熟を目指します。なにしろ。柑橘好きのワイフ、その味にもうるさく、品質評価のハードルが高いのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

史上最低の指導者確定しました(笑)

2021年01月17日 | 時事
アーノルド・シュワルツェネッガー さんに言わせると、トランプ米国大統領では史上最低だそうです。しかし、シュワちゃんに限らず、世界中の人のほとんどがそう思っているのでしょうね。選挙結果が納得いかないと言って裁判は起こすは、議会への行進を煽って弾劾されているようです。バイデンさんの就任式にも出ないとおっしゃっています。

 その往生際の悪さばかりではありません。
 米国第一主義を前面に打ち出し、就任早々、出来もしないメキシコ国境の壁を築くのだと、荒唐無稽なことを言い始めました。国境を外敵から守るためという理由で築かれた「万里の長城」、東西冷戦の象徴となったベルリンの壁を見るまでもなく、愚かしさと徒労・無駄の象徴でした。

 さらに驚かされたのが、地球温暖化など全く問題ない、と言ってパリ協定から離脱しました。世界の主要国が、地球温暖化、環境問題・気候変動の解決に取り組もうというのに、真っ向から反対しました。

 金正恩さんと、対話したのはある意味偉業であったのですが、彼にとっては単なるビジネスに過ぎず、用意した条件に相手が同意しなければ、もう交渉に乗りませんでした。安倍さんと仲良くゴルフしたのも同様、肩を抱いて、ビジネスを有利に運ぶための手段でした。理念も正義も道理・主義なーんも無し。前言撤回と虚言で会社さえもうかればいい、自社商品が売れさえすればいい、という商業主義の塊でした。通販商品のCMに自らしゃしゃり出てくる何人もの経営者と同じ匂いがしました。

 誰が考えても、世界の頂点にいる文明国・先進国で3億人の代表者、世界全体の指導的立場の人物がトランプさんになったのが驚きでしたし、未来の教科書で人類全体にとっても不幸だったと言うのがこの人物だったと書かれるのかもしれませんね。

 そこで、はたと思うのが日本の指導者。
日本の歴代ワースト首相です。真っ先に思いつくのが宇野宗佑、3百万円で女を囲って3か月で辞任しました。民主党の菅さん(東日本大震災の対応のまずさ)、鳩山さん(お母さんからのお小遣い、トラストミー発言)、野田さん(消費財増税)も評判が悪かったのです。村山富市さんも、自民党と野合し、阪神淡路大震災 の時は、災害派遣もろくに行わずパーティーに出ていたとか、との悪評がありました。あるアンケートや実名座談会でも同じような結果です。

 しかし、これはいくらか誤解を生じる調査で、その評価基準を日本を本当にダメにしたか、総理という個人の問題として資質に欠けるか、危機管理で失態を生じ、実際に被害者や災難を増やしたか、という様に分けて考えるべきでしょう。

 例えば、宇野さんなどは、日本の社会や政治になんら足跡を残さずにその座を去り、民主党の方々は任期も短く、自民党の反政府キャンペーンの餌食になったせいで非常に悪い印象を残しました。村山さんも含めて、総理大臣となる準備も自覚もないままその座について、はしごを外されたのです。

 一方で自民党は、豊富な人材と圧倒的な支持層に支えられ、党内の派閥争いという競争にもまれた中で総理大臣が誕生しましたから、いくらか「まし」だったというだけであります。戦後政治の90%以上が自民党政権なので、政権運営のノウハウ・官僚との情報交換や統制も行き届くのです。

 それでは、その中で誰が日本社会をダメにした首相か、といえば「田中角栄」さんをおいてほかに居ません。政治で言えば「金権政治」、数が権力の源泉として、悪しき自民党政治の礎を作りました。空前の不動産投機を生んで地価を上昇させインフレを起こしました。官僚を懐柔するために盆暮に金を渡し「官僚もお金を貰えっていいんだ」という風潮を形成しました。官の堕落を生んだのが角栄さんでした。地元への利益誘導、新潟に様々な名目で国の税金をばら撒き、もっとも公共工事が潤沢に行われたのです。挙句に、ロッキードなどから多額の賄賂を貰って有罪となりました。この人を戦後最高の総理と称賛する人の気が知れません。

 総理の資質でのワーストを考えると、これは多士済々、対象者が多くて一概に決められませんね。麻生さんのお大臣ぶり、常識欠如、暴言も捨てがたいし、森さんの失言、軽口、偏向ぶりも酷かった。あえてワタシは、1位に菅現総理を押します。安倍晋三さんは堂々の2位!(この方の説明は割愛します)。

 菅さんは、性格で言えば、ねちねちと人をいびり、権力人事権をかさに人を意のままにしようという根性悪です。大日本帝国陸軍のたたき上げ軍曹レベル、二言目には根性論と脅かしで権勢をふるい、自分の教養・素養のなさから知識人・学者や高学歴の人を目の敵にしました。
 自身の根幹をなす主義主張など微塵もなく、大局観・志も感じられません。何より、人ときちんと議論を交わし、理路整然と結論を導く、いろんなレベル人に対して、分かりやすく納得させる説明が出来るなどといった、政治家が本来備えるべき基本の能力すら持ち合わせていないようです。加えて理解力や知見、論理性にも欠けています。 

 答弁や記者会見の棒読みはその表れ。読み間違いは、自分の頭で理解していない証拠です。事前に通告のない質問に答えないのは、「答えられない」からであります。理解していないものは答えようがなく、「私からは差し控えたい」というよりないのです。

 滑舌が悪く、何を言ってるかわからない、田舎なまりのせいか語尾が聞き取りにくく全体にはっきりしないぼそぼそとした物言いです。一般人なら朴訥で、むしろ好感を持つかもしれません。しかし、一国の総理、随所に言葉足らず、言い間違い、言い直しがあり、正直聞いている方が苦痛すら感じます。ただただ原稿を読むので伏し目がちになり、抑揚もありません。これだけでも、カメラの向こうの国民や質問者に向かって、説得力のある自分の意見を述べる、という能力が明らかに欠如しているとしか思えません。

 日本人は、コロナに翻弄されています。国のコロナ対策の迷走ぶりはご存じの通りで、危機対応能力の欠如は、民主党政権時代をはるかに凌駕しています。今後の収束も見えず、ズタボロになった中小企業や経済全体の立て直しも期待できません。さらに財政規律が完全に崩壊した国庫には、莫大な借金と増税という難問が待ち構えています。ワタシ達にとって本当の災い・不幸は安倍さん、菅さんという各部門共通して歴代史上最低の総理に遭遇したということなのかもしれませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする