植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

家を作るより子供を作ってね

2021年01月10日 | 雑感
 ワタシが普段生活するエリアは、大体徒歩圏(笑)、半径1Kmに満たないのです。いつも歩いていく道筋は5,6ブロックで、100棟ほどの戸建てがあります。
 それが、なんとここ1年建築ラッシュなんです。思いつくだけで建替え以外に十数戸が新築になりました。それまで、借家、駐車場、空き家などであったのが建売分譲されたり、持ち主が変わって新築されているようです。
 建替えとの違いは歴然、古くからの家主が取り壊したら、次はほとんど「へーベルハウス」です。これは、大震災に強いという定評に基づくもので、ご近所・親戚3軒、いずれもへーベルでした。一方建売は極力単価を抑えるため昔ながらの木造建築ですね。

 家内が妹分にしているご近所の奥様、ワタシはその方を「ほか弁でか」と呼んでおります。長く弁当屋さんを自営していたので地元の事情に明るく、いまもとびぬけた情報通であります。ほか弁刑事さんによれば「平塚が穴場になった」んだそうです。周辺の茅ケ崎や大磯は人気が高く地価も高いのですが、競輪・風俗店・飲み屋街・暴力団一家など印象が悪い当地は、若い方たちには敬遠され土地価格も低迷したままです。また、大震災の後平野部で相模湾に接している平塚は「津波」がきたらひとたまりもない、と危険な地域とも思われています。

 そうした理由で、割安感が出て分譲開発業者が目をつけてきたとも考えられます。なにせ、立派な新築戸建てが35百万円前後と、マンション並みの値段で買えるのですから。

 分譲前の住人は、いずれも高齢者で、連れ合いが亡くなった、施設に入る、相続で売却、といったパターンで売りに出されるのです。ワタシの自宅の近隣は80過ぎの年寄りばかり、限界集落と呼ばれています。(笑) これからも当地は物件の供給は十分にあるのです。

 30年以上も前になりますが、川崎市の助役の言葉が忘れられません。景気・経済対策で最も有効なものが個人住宅だという、意見でした。
 家を建てるのに土地を買うことから始まって、住宅ローンで金融機関の収益が増え、建設業者とそれにぶら下がる多くの工事関係者・職人が潤うというのです。さらに家が出来れば、カーテンやじゅうたん、家電・家具が欲しくなるので、さらに消費が拡大するというメカニズムです。

 あのころから平成不況が始まり、失われた30年をいまだに引きずっています。何故、景気対策に有効な住宅建設が進まなかったか、それは「少子高齢化」「雇用関係弱体化」「未婚」といった社会現象を放置し、消費税増税を続けたからです。

 結婚しない理由は、教育制度や家族制度にも起因しますが、最大の理由は経済的な問題です。あの小泉内閣で竹中平蔵(日本のラスプーチン)が進めた雇用の流動化が非正規雇用・派遣業の自由化でした。それまで守られてきた終身雇用の枠組みを壊して、限定的だった派遣先の業種を広げたため、正規雇用がどんどん減ってしまいました。その後の安倍政権もうわべの雇用者増加のために老人と女性の非正規雇用ばかりに目を向けました。

 派遣では自分が食べるのでやっと、収入が安定せず、女房子供など養えないのです。結婚しないで最後は国に面倒を見てもらえばいい、という諦観と安直な将来設計になったのです。すると当然子供はできません。なんとか結婚できても、一貫して増え続けた教育費を考えると沢山子供を育てるのが困難になります。

 結婚しない、子供がいない、となると潜在的な住宅需要は先細りになります。人口が減れば相対的に土地余りになるので、地価下落を招きました。必ず土地を持っていれば価値が上がるという土地神話が崩れて久しいのです。これが慢性的デフレの根底にあるのです。

 百年の計は、人(子供)にあり。日本の経済を再生し、明るい将来の設計図を描くためには、1にも2にも、子供を増やす、これに尽きるのです。
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