46分に日本が先制点を取る
現地時間5月27日、U-20ワールドカップのグループC第3節が行われ、日本とイスラエルが対戦した。日本は46分に先制したが、イスラエルに2点を取られて逆転負けした。
日本は勝つチャンスはいくらもあった。むしろ負ける要素などなかった。だが先制点を取ったことで逆に消極的になる。そして日本は守り切ろうと自陣に引き、ブロック守備を続けた。弱気の虫だ。
そうではなく、自分たちが能動的にボールを保持してうまく時間を使うべきだった。これはメンタルの問題だ。
途中でイスラエルに退場者が出て10人になる。だがそれでも日本はブロックを下げた守備を続けた。ボールを持とうとしない。そのため勝勢を生かせなかった。かくて1人少ない相手に最後は逆転負け。結局、日本は負けるべくして負けた。好チームだっただけに残念だ。
日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが木村凌也。最終ラインは右から高井幸大、チェイス・アンリ、田中隼人、高橋仁胡。CMFは山根陸と佐野航大。2列目は右から松村晃助、松木玖生、安部大晴。ワントップは坂本一彩だ。
前半は完全に日本のゲームだった
日本は立ち上がり、幾度となく惜しい決定機を迎える。だがなかなか決まらない。5分に松村が豪快なシュートを放つがGKの正面を突く。松木の弾丸シュートもわずかに右へ逸れる。試合の入りは積極的でよかった。
日本は左SBの高橋を上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップする。あるいは両SBを高く上げ、CBのチェイスと田中が2人でビルドアップするパターンもある。守備時4-4-2。坂本と松木の2トップだ。
一方、イスラエルは両SBを上げての2CBか、両CB間にアンカーが降りて3バックでビルドアップしてくる。守備時4-4-1-1だ。日本がサイドでボールを持つと、彼らはダブルチームで対応してくる。
イスラエルは上品にパスをつなぐポゼッション型だが、同じグループCのコロンビアやセネガルのような爆発的な破壊力はない。大人しいチームだ。ゆったり中盤でボールをつないでくるが、アタッキングサードでの鋭さや迫力がない。
またサイドから入れてくるクロスも正確性がない。結論として彼らにはこわさがなかった。少なくとも前半は。
両チームともショートパス主体なので、特にミドルサードからアタッキングサードにかけては人が密集する。ボールは両チームを行き来するが、前半は完全に日本のゲームだった。
そして46分。日本のダイアゴナルなロングボールが入る。ゴール前での混戦から松木がバックヘッドでつなぎ、坂本がヘッドで決めた。待望の先制点だ。
魔の後半、日本に迷いが出る
だが後半に入ると様相が一変する。日本の消極性ゆえだ。
51分にイスラエルがGKと1対1のチャンスになるが決まらず。これ以降、日本は守備時5-4-1に変えた。まだ時間はたっぷりあるのに、1点を守り切ろうというのか? だがそんなゲームプランの誤りに気づいたのか、すぐに守備時4-4-2に戻した。
55分、佐野から坂本にダイアゴナルな良いボールが入るが、守備対応される。後半の日本は左SBの高橋を高く上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップしている。
そして68分だ。途中出場のラン・ビンヤミンにレッドカードが出て退場になる。日本は1点リードしている上に、1人多い。だがこの圧倒的に有利な態勢ゆえ、逆に「震え」が出たのか、日本はめっきり受けに回る。1人多いチームが受けていては、数的有利は生かせない。
かくて76分、イスラエルのセットプレイ崩れから、ヘディングシュートを決められる。1-1。同点だ。
10人のイスラエルが逆転ゴール
後半のイスラエルは3バックでのビルドアップだ。日本は1人多いのに、なぜか弱気にブロックを下げて守備をしている。そのため10人のイスラエルがずっと攻め続けた。日本は何かを恐れながらプレイしている感じだ。
そして運命の92分がきた。日本のゴール前でワンタッチパスが3本つながり、イスラエルにゴールされる。なんと10人の彼らに逆転されたのだ。で、タイムアップ。日本は勝てるゲームを落とした。1点リードしながら見えない「何か」に怯えた日本に、勝利の女神は微笑まなかった。
後半の日本はあまりにも消極的すぎた。1点リードした状態で50分過ぎに5バックにするなど、早々に守りに入る気持ちが強かった。受けに回るのが早すぎる。
しかも5バックをすぐまた4バックに戻すなど、ゲームプランが一貫してなかった。迷いがあった。富樫監督は「マネージメントに悔いがあった」と試合後に語ったが、この言葉が本ゲームをよくあらわしていた。
これで日本はC組3位でグループリーグを終えた。今大会は各組3位のうち、成績が上位の4チームも決勝トーナメントに出られる。あとは他組の結果待ちだ。だが日本がグループリーグを突破する条件は非常に厳しく、残念ながら絶望的といえる。
現地時間5月27日、U-20ワールドカップのグループC第3節が行われ、日本とイスラエルが対戦した。日本は46分に先制したが、イスラエルに2点を取られて逆転負けした。
日本は勝つチャンスはいくらもあった。むしろ負ける要素などなかった。だが先制点を取ったことで逆に消極的になる。そして日本は守り切ろうと自陣に引き、ブロック守備を続けた。弱気の虫だ。
そうではなく、自分たちが能動的にボールを保持してうまく時間を使うべきだった。これはメンタルの問題だ。
途中でイスラエルに退場者が出て10人になる。だがそれでも日本はブロックを下げた守備を続けた。ボールを持とうとしない。そのため勝勢を生かせなかった。かくて1人少ない相手に最後は逆転負け。結局、日本は負けるべくして負けた。好チームだっただけに残念だ。
日本のフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKが木村凌也。最終ラインは右から高井幸大、チェイス・アンリ、田中隼人、高橋仁胡。CMFは山根陸と佐野航大。2列目は右から松村晃助、松木玖生、安部大晴。ワントップは坂本一彩だ。
前半は完全に日本のゲームだった
日本は立ち上がり、幾度となく惜しい決定機を迎える。だがなかなか決まらない。5分に松村が豪快なシュートを放つがGKの正面を突く。松木の弾丸シュートもわずかに右へ逸れる。試合の入りは積極的でよかった。
日本は左SBの高橋を上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップする。あるいは両SBを高く上げ、CBのチェイスと田中が2人でビルドアップするパターンもある。守備時4-4-2。坂本と松木の2トップだ。
一方、イスラエルは両SBを上げての2CBか、両CB間にアンカーが降りて3バックでビルドアップしてくる。守備時4-4-1-1だ。日本がサイドでボールを持つと、彼らはダブルチームで対応してくる。
イスラエルは上品にパスをつなぐポゼッション型だが、同じグループCのコロンビアやセネガルのような爆発的な破壊力はない。大人しいチームだ。ゆったり中盤でボールをつないでくるが、アタッキングサードでの鋭さや迫力がない。
またサイドから入れてくるクロスも正確性がない。結論として彼らにはこわさがなかった。少なくとも前半は。
両チームともショートパス主体なので、特にミドルサードからアタッキングサードにかけては人が密集する。ボールは両チームを行き来するが、前半は完全に日本のゲームだった。
そして46分。日本のダイアゴナルなロングボールが入る。ゴール前での混戦から松木がバックヘッドでつなぎ、坂本がヘッドで決めた。待望の先制点だ。
魔の後半、日本に迷いが出る
だが後半に入ると様相が一変する。日本の消極性ゆえだ。
51分にイスラエルがGKと1対1のチャンスになるが決まらず。これ以降、日本は守備時5-4-1に変えた。まだ時間はたっぷりあるのに、1点を守り切ろうというのか? だがそんなゲームプランの誤りに気づいたのか、すぐに守備時4-4-2に戻した。
55分、佐野から坂本にダイアゴナルな良いボールが入るが、守備対応される。後半の日本は左SBの高橋を高く上げ、残りの3バックが左にスライドしてビルドアップしている。
そして68分だ。途中出場のラン・ビンヤミンにレッドカードが出て退場になる。日本は1点リードしている上に、1人多い。だがこの圧倒的に有利な態勢ゆえ、逆に「震え」が出たのか、日本はめっきり受けに回る。1人多いチームが受けていては、数的有利は生かせない。
かくて76分、イスラエルのセットプレイ崩れから、ヘディングシュートを決められる。1-1。同点だ。
10人のイスラエルが逆転ゴール
後半のイスラエルは3バックでのビルドアップだ。日本は1人多いのに、なぜか弱気にブロックを下げて守備をしている。そのため10人のイスラエルがずっと攻め続けた。日本は何かを恐れながらプレイしている感じだ。
そして運命の92分がきた。日本のゴール前でワンタッチパスが3本つながり、イスラエルにゴールされる。なんと10人の彼らに逆転されたのだ。で、タイムアップ。日本は勝てるゲームを落とした。1点リードしながら見えない「何か」に怯えた日本に、勝利の女神は微笑まなかった。
後半の日本はあまりにも消極的すぎた。1点リードした状態で50分過ぎに5バックにするなど、早々に守りに入る気持ちが強かった。受けに回るのが早すぎる。
しかも5バックをすぐまた4バックに戻すなど、ゲームプランが一貫してなかった。迷いがあった。富樫監督は「マネージメントに悔いがあった」と試合後に語ったが、この言葉が本ゲームをよくあらわしていた。
これで日本はC組3位でグループリーグを終えた。今大会は各組3位のうち、成績が上位の4チームも決勝トーナメントに出られる。あとは他組の結果待ちだ。だが日本がグループリーグを突破する条件は非常に厳しく、残念ながら絶望的といえる。