神戸がロングボールを巧みに操る
J1第12節で5月7日、ヴィッセル神戸が横浜FCをホームに迎えて対戦した。神戸のFW大迫勇也が2ゴール、左IHの佐々木大樹が1ゴールを取り、ワンサイドゲームを締めくくった。
立ち上がり、彼らはターゲットマンの大迫に頻繫にクサビのボールを当てた。大迫が落とすボールを起点にする作戦だ。そのほかサイドに流れた大迫に、逆サイドのSBから対角のロングボールを入れる。またサイドからのアーリークロスを何度も見せた。
前半10分。まずはカウンターだ。横浜のCK崩れから左WG汰木康也がこぼれ球を拾い、少しドリブルして前縦の右WG武藤嘉紀にパス。
武藤はボックス直前で右のペナ角にいた佐々木に渡す。佐々木はそのままシュートを打ったが、クロスバーに当たりゴールにならない。
大迫がPKを沈めてまず1点
一方、横浜はショートパスをつないで組み立てようとするが、フィニッシュに至らない。FKのチャンスは何度かくるが、ゴールにならず。神戸が一方的にボールを保持し、横浜はまるで守備練習をしているかのような格好だ。
続く同34分。ライン裏に走り込んだ汰木に向け、左SBの初瀬亮がスルーパスを送る。受けた汰木はボックス左から中央へ浮き球を入れる。これに反応した大迫が折り返すが、横浜GKのブローダーセンが防いだ。
そして同44分。また初瀬が左サイドからクロスを入れる。GKブローダーセンがボールに触るがキャッチできず。
このこぼれ球を収めようと大迫が向かった瞬間、ブローダーセンが後ろから大迫を倒してPKになる。キッカーの大迫が右足でゴール左スミに決めて先制した。
後半に2点を取って締める
神戸のフォーメーションは4-1-2-3。最前線は右から武藤、大迫、汰木。この日は特に大迫と汰木がいい仕事をした。IHは佐々木と山口蛍、アンカーは大崎玲央だ。
後半立ち上がりの7分。ボックス手前の中央で大迫が汰木にパス。受けた汰木はボックスの左から右足でシュートを放つ。これはGKブローダーセンにセーブされるが、そのこぼれ球を大迫が胸トラップして右足で豪快に決めた。大迫はこれで今季9ゴール目。得点ランキングの単独トップである。
3点目は後半9分だった。右サイドで佐々木が武藤にボールを落とす。武藤は山口にパス。山口は中央にいた大迫にボールを託す。受けた大迫はセンターサークル内から、ライン裏に長いスルーパスを入れる。これは横浜の右WB中村拓海が回収したが、その中村がなんとクリアミスをする。
このこぼれ球を拾った汰木が、ボックス左からゴール前へグラウンダーのパスを出す。すると佐々木が落ち着いて右足でゴールへ押し込んだ。最初に右サイドで起点になるパスを出した佐々木が、最後はよくゴール前に詰めていた。殊勲賞である。
彼らの浮き球は阻止できるか?
神戸はグラウンダーのボールも使うが、得点として結実するのはほとんどが対角のロングボールやサイドからのクロスだった。彼らは浮き球を自在に操り攻撃する。
結局は役者の違いを見せた首位・神戸が、得意の浮き球を使った攻めで押し切った。神戸対策のポイントはここだ。だが浮き球は途中でパスカットしようにもできない。ボールの出し手か、受け手のところで潰すしかない。しかし彼らはポジショニングがよく、これがまた難しい。
かくて神戸は勝ち点26として首位を守った。さて、有効な対策で彼らを倒すチームはどこか? そんな「ストップ・ザ・神戸」を占う見方も一興だ。
さて最後に言っておきたいことは、大迫は人生第二の絶頂期を迎えているということだ。世代交代の問題はあるにしろ、この超絶レベルの今の大迫を日本代表に呼ばないのはおかしいのではないか? そんな疑問が頭を駆け巡った。
J1第12節で5月7日、ヴィッセル神戸が横浜FCをホームに迎えて対戦した。神戸のFW大迫勇也が2ゴール、左IHの佐々木大樹が1ゴールを取り、ワンサイドゲームを締めくくった。
立ち上がり、彼らはターゲットマンの大迫に頻繫にクサビのボールを当てた。大迫が落とすボールを起点にする作戦だ。そのほかサイドに流れた大迫に、逆サイドのSBから対角のロングボールを入れる。またサイドからのアーリークロスを何度も見せた。
前半10分。まずはカウンターだ。横浜のCK崩れから左WG汰木康也がこぼれ球を拾い、少しドリブルして前縦の右WG武藤嘉紀にパス。
武藤はボックス直前で右のペナ角にいた佐々木に渡す。佐々木はそのままシュートを打ったが、クロスバーに当たりゴールにならない。
大迫がPKを沈めてまず1点
一方、横浜はショートパスをつないで組み立てようとするが、フィニッシュに至らない。FKのチャンスは何度かくるが、ゴールにならず。神戸が一方的にボールを保持し、横浜はまるで守備練習をしているかのような格好だ。
続く同34分。ライン裏に走り込んだ汰木に向け、左SBの初瀬亮がスルーパスを送る。受けた汰木はボックス左から中央へ浮き球を入れる。これに反応した大迫が折り返すが、横浜GKのブローダーセンが防いだ。
そして同44分。また初瀬が左サイドからクロスを入れる。GKブローダーセンがボールに触るがキャッチできず。
このこぼれ球を収めようと大迫が向かった瞬間、ブローダーセンが後ろから大迫を倒してPKになる。キッカーの大迫が右足でゴール左スミに決めて先制した。
後半に2点を取って締める
神戸のフォーメーションは4-1-2-3。最前線は右から武藤、大迫、汰木。この日は特に大迫と汰木がいい仕事をした。IHは佐々木と山口蛍、アンカーは大崎玲央だ。
後半立ち上がりの7分。ボックス手前の中央で大迫が汰木にパス。受けた汰木はボックスの左から右足でシュートを放つ。これはGKブローダーセンにセーブされるが、そのこぼれ球を大迫が胸トラップして右足で豪快に決めた。大迫はこれで今季9ゴール目。得点ランキングの単独トップである。
3点目は後半9分だった。右サイドで佐々木が武藤にボールを落とす。武藤は山口にパス。山口は中央にいた大迫にボールを託す。受けた大迫はセンターサークル内から、ライン裏に長いスルーパスを入れる。これは横浜の右WB中村拓海が回収したが、その中村がなんとクリアミスをする。
このこぼれ球を拾った汰木が、ボックス左からゴール前へグラウンダーのパスを出す。すると佐々木が落ち着いて右足でゴールへ押し込んだ。最初に右サイドで起点になるパスを出した佐々木が、最後はよくゴール前に詰めていた。殊勲賞である。
彼らの浮き球は阻止できるか?
神戸はグラウンダーのボールも使うが、得点として結実するのはほとんどが対角のロングボールやサイドからのクロスだった。彼らは浮き球を自在に操り攻撃する。
結局は役者の違いを見せた首位・神戸が、得意の浮き球を使った攻めで押し切った。神戸対策のポイントはここだ。だが浮き球は途中でパスカットしようにもできない。ボールの出し手か、受け手のところで潰すしかない。しかし彼らはポジショニングがよく、これがまた難しい。
かくて神戸は勝ち点26として首位を守った。さて、有効な対策で彼らを倒すチームはどこか? そんな「ストップ・ザ・神戸」を占う見方も一興だ。
さて最後に言っておきたいことは、大迫は人生第二の絶頂期を迎えているということだ。世代交代の問題はあるにしろ、この超絶レベルの今の大迫を日本代表に呼ばないのはおかしいのではないか? そんな疑問が頭を駆け巡った。