すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ラ・リーガ 22/23】久保建英はソシエダで自分を磨け

2023-02-08 07:47:02 | その他の欧州サッカー
久保がマドリーに行く?

 国王杯準々決勝のバルセロナ戦と、ラ・リーガ第19節のレアル・マドリー戦でレアル・ソシエダの久保建英が健闘し、「マドリーは久保を呼び戻すのでは?」などという憶測記事がさかんに乱れ飛んでいる。

 だが私はまったく反対だ。

 苦しい移籍を繰り返した久保は、やっとソシエダという自分にぴったりの帰るべき故郷を得たのだ。彼は少なくともしばらくは、ソシエダで自分をレベルアップさせるべきだ。

久保が生きるソシエダのスタイル

 ソシエダは2月7日現在、リーガにおいて勝ち点39で堂々の3位。おまけにダビド・シルバという「先生」までいる。久保にとっては自分を磨ける格好の環境だといえる。

 しかも久保はソシエダのスタイルや戦術にぴったりフィットしている。

 ソシエダのフォーメーションは多くは4-4-2、4-3-3だ。ときに彼らは敵のビルドアップに対し、マンツーマンでハイプレスを敢行する。そしてボールを奪えば素早いポジティブ・トランジションから相手ゴールに殺到する。

 とはいえ彼らの最大の持ち味は、最終ラインから丁寧にボールをつなぐビルドアップから生まれる。アンカーが下がってボールを受け、インテリオールと前線の選手がオフ・ザ・ボールの動きでパスコースを作る。

 こうして演出される彼らの小気味よいポゼッションサッカーに、久保は永久(とわ)の棲み家を得たかのような活躍をしている。

欠点が修正された久保

 ソシエダ以前の久保はオフ・ザ・ボールに対する意識が低く、ボールがない所では「我関せず」だった。典型的な「ボールプレーヤー」だった。

 敵の守備を受けるとオーバーに倒れて両手を広げ、プレイをやめてしまいファウルをアピールしてばかりいた。なんとそれがいまや素早いネガティブ・トランジションから、相手ボールへさかんにプレッシングしているのだ。

 チームのパスワークの核は久保であり、もちろんゴールを取る動きもする。彼の欠点だったオフ・ザ・ボールの動きのなさや守備意識の低さはすっかり修正された(インテンシティが高くないのは相変わらずだが)。献身性を身につけた彼は、今やチームが描く絵にぴったりマッチしている。

 そんなせっかくおいしい時期の久保が、レアル・マドリーに移籍してベンチを温めるなど絶対に反対だ。マドリーにいるのはアセンシオやビニシウス、ベンゼマといった「化け物」ばかりであり、久保がポジションを争うには時期尚早だ。

 久保はソシエダという身の丈に合った「天の恵み」を生かし、グンと成長してほしい。

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