すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【国際親善試合】レベルの違いを見せた 〜U-24日本 6-0 U-24ガーナ

2021-06-06 06:58:22 | サッカー日本代表
ガーナは格落ちもいいところだ

 ガーナのメンバーの多くはU-20世代で、しかも主力ではない。相手のレベルが低く、試合はあたかも日本のシュート練習のような様相を呈した。

 日本のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。スタメンはGKが谷晃生。最終ラインは右から酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、中山雄太だ。

 2CMFは遠藤航と田中碧。2列目は堂安律、久保建英、相馬勇紀。ワントップは上田綺世である。

 一方、ガーナは4-2-3-1。守備時4-4-2。ビルドアップは両SBを上げ、2CBが開いて組み上げる。あるいはCMFが2CB間に下りて3バックでビルドアップすることもある。

前半16分、堂安が先制点を取る

 試合開始から、堂安と久保がしきりにポジションチェンジし敵を撹乱する。この日、堂安は日本の攻撃陣にとって大きな力になった。

 ガーナは攻撃時、最終ラインとCMFの間が空く。押し上げが利いてない。日本はボールを奪ったらカウンターのチャンスだ。

 前半16分。ポジションチェンジを繰り返していた久保のシュートのリバウンドを、堂安がダイレクトでシュートし決めた。先制だ。堂安はこの日、1ゴール1アシストの活躍を見せた。

 一方、久保はシュートを外した後ガックリしたポーズを必ず取るが、現代のフットボールにそんなヒマはない。トランジション(切り替え)の意識が甘い。

 彼はいつもワンプレー終わったら、いったん気持ちを切ってしまう。切り替えが遅い。久保はミスしたときに感情を表しすぎだ。いちいちガックリした様子を見せなくていい。すぐ次のプレイに切り替えるべきだ。

 前半32分。上田の落としから久保が3タッチ目にシュート。汚名挽回。2-0だ。ただしあのシーン、ボールに3タッチもする必要はなかった。久保はどうもプレイに迷いがある感じがする。

田中碧のダイアゴナルなフィードがすばらしい

 前半35分。上田のポストプレーから遠藤航がボールを受け、遠藤がゴール右スミを狙って惜しいシュートを放つ。GKにぎりぎりセービングされた。

 遠藤はディフェンスラインのカバーリングから、中盤でのデュエル、組み立てのパス出しまでプレイの幅が広い。

 一方、CMFの相方の田中は視野が広く逆サイドまで見えている。「ここ」というところにパスを出す。彼のダイアゴナルな長いフィードはすばらしい。

 ただ2CMFのバランス的には、田中はアンカー的な仕事は遠藤にまかせ、もっと前に出た方がいいのではないか? その方が田中の攻撃センスを生かせる。

 そして彼らの背後に控えるCBの吉田も、グラウンダーの長い縦パスが非常によかった。利いている。

 ガーナはゾーンが間延びしておりゆるい。最終ラインと前の間にスペースがある。彼らは守備面でも攻撃面でも連携した動きが少ない。個の寄せ集めだ。いいチームじゃない。

 前半44分。酒井がライン裏に飛び出してボールを受けて折り返す。これに敵DFが触ってオウンゴールになる。日本の3点目が入った。ほとんど酒井のゴールである。

後半3分、相馬が余裕で4点目をゲット

 後半に入ると、ガーナは前半とは打って変わってずいぶんコンパクトになった。監督の指示だろう。

 後半3分。吉田の縦パスを堂安が受け、相馬にスルーパスを出す。半身になって受けた相馬は、余裕を持ってインサイドで右スミに叩き込んだ。4-0だ。

 相馬は攻撃だけでなくプレスバックを含めた守備もいい。彼は押し込まれたらリトリートし「第2のSB」的なプレイもできる。そんな相馬も含め日本の中盤はプレスが利いている。

 後半11分。今度は久保から相馬、中山と次々にボールが渡り、オーバーラップした中山のクロスに上田がヘッドで合わせた。5点目だ。上田はこれで堂安と並び、1ゴール1アシストである。

三笘がゴール右スミに6点目を沈める

 後半13分。相馬に代えて三笘薫、冨安に代えて板倉滉が交代出場する。

 三笘は相馬にくらべて切り替えが遅い。守備の意識も低い。ただし攻撃になると力を出す。

 もっともこの日、彼のドリブルは通用しなかった。ドリブルで勝負したいなら、この程度のレベルの相手なら完全に抜き切れないとダメだろう。

 続く後半21分。上田に代えて前田大然、堂安に代えて食野亮太郎が交代出場する。

 前田の激しいプレスバックは徹底している。爆発的だ。すばらしい。

 後半27分。田中が危険なファウルをされ、吉田が敵のユニフォームを掴んで激しく抗議する。キャプテンシーを見せつけた。

 そして後半44分のゴールはワザありだった。ワンツーが入ってダイレクトパスが4本もつながり、最後は三笘にボールが出て1人かわしてシュート。彼は右足でゴール右スミに沈めた。これで6-0。本日は終了だ。

 総評としては酒井が攻守ともに非常によかった。吉田、冨安ともOAは安定していた。やはりOAが入ると違う。

 日本はほとんどゴールを脅かされるシーンはなく、いいところばかりが出た。守備に回っても4-4のブロックがコンパクトだった。攻撃陣もまんべんなく点が取れた。ただし、もっと強い相手とやらなければチーム力の判断は難しいだろう。

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