衆院選を大きく報道しないNHK
日本の民主主義にとっていちばん重要な衆院選まで、あと4日と迫った2021年10月27日のNHKニュース7。
衆院選はとうとうこの番組の「主なニュース」の上位6本から消えて格落ちの扱いになった。
投票まであと4日しかないのだから、連日トップ扱いして有権者の関心を引き、投票率アップに貢献してはどうなのか?
そうして国民全体の民度を上げ、よりよい国にして行くのもメディアの役割なのではないか?
だが一方、NHKは、先日の自民党総裁選のときには連日トップ扱いして煽りに煽った。
おかげで国民の関心は高まり、猫も杓子も総裁選一色になった。
公共放送として、あまりにも報道姿勢に落差がありすぎはしないか?
日本では有権者のたった20%が政治を動かす
うがった見方をすれば政権選択選挙である衆院選は少なめに報道して国民の目から隠す。
そうして投票日は有権者に家で寝ていてもらい、投票率が低いほど有利になる自民党をNHKはアシストしているように映る。
日本の衆院選では岩盤層といわれる全体の20%(自公支持層)が必ず選挙に行き、他方、有権者の50%(無党派層)が投票を棄権する。
結果、日本では国民全体のたった20%の意志で政治=世の中が動いている。
NHKの衆院選報道はこの社会構造を悪用し、明らかに自公政権の延命に手を貸している。
自民党政権を陥れた1993年の「椿事件」
ここで思い出されるのは、1993年に起こったテレビ朝日による「椿事件」である。
同年6月の衆議院解散後、7月18日に第40回衆院選挙が行われ、与党自民党が過半数を割った。
そして非自民からなる細川連立政権が誕生したきっかけになった事件だ。
自民党はこのとき、結党以来初めて野党に転落した。
この椿事件では、当時、テレビ朝日の取締役報道局長だった椿貞良が「小沢一郎氏を追及する必要はない。今は自民党政権の延命を阻止し、とにかく反自民の連立政権を成立させるための報道をしよう」という方針で局内をまとめた。
この衆院選では自民党の梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長が並んでニヤリとどす黒く笑うツーショットをアップで報道し視聴者に「悪代官」の印象を与え、自民党のイメージを奈落の底に落とした。
そして自民党は負けた。
むろんNHKの問題とはレベルがちがうが、「恣意性をもち、一方の方向へ世論を誘導する目的で報道が行われる」という意味では同じである。
「メディアは恣意的で悪質な世論操作を行ってはいけない」というのが「椿事件」当時の大きな教訓ではなかったか?
その意味ではNHKニュース7の報道姿勢は、正当性を問われるべきではないか?
報道人は「青雲の志」を思い出せ
思えば1993年の「椿事件」の時代は、メディアのなかではまだ反権力の「朝日系」が強かった。
それに対し安倍晋三が激しく抵抗し、各メディアのトップに寿司を食わせて懐柔した成れの果てが今日の姿だ。メディア・コントロールである。
メディアが報道すべきことを放送せず、それどころか意図的に政権党を利する番組構成を行うーー。
本当にこのままでいいのだろうか?
メディア各社で報道に携わる者は、自分が大志を抱いて入社したころの「青雲の志」をぜひ思い出してほしい。
日本の民主主義にとっていちばん重要な衆院選まで、あと4日と迫った2021年10月27日のNHKニュース7。
衆院選はとうとうこの番組の「主なニュース」の上位6本から消えて格落ちの扱いになった。
投票まであと4日しかないのだから、連日トップ扱いして有権者の関心を引き、投票率アップに貢献してはどうなのか?
そうして国民全体の民度を上げ、よりよい国にして行くのもメディアの役割なのではないか?
だが一方、NHKは、先日の自民党総裁選のときには連日トップ扱いして煽りに煽った。
おかげで国民の関心は高まり、猫も杓子も総裁選一色になった。
公共放送として、あまりにも報道姿勢に落差がありすぎはしないか?
日本では有権者のたった20%が政治を動かす
うがった見方をすれば政権選択選挙である衆院選は少なめに報道して国民の目から隠す。
そうして投票日は有権者に家で寝ていてもらい、投票率が低いほど有利になる自民党をNHKはアシストしているように映る。
日本の衆院選では岩盤層といわれる全体の20%(自公支持層)が必ず選挙に行き、他方、有権者の50%(無党派層)が投票を棄権する。
結果、日本では国民全体のたった20%の意志で政治=世の中が動いている。
NHKの衆院選報道はこの社会構造を悪用し、明らかに自公政権の延命に手を貸している。
自民党政権を陥れた1993年の「椿事件」
ここで思い出されるのは、1993年に起こったテレビ朝日による「椿事件」である。
同年6月の衆議院解散後、7月18日に第40回衆院選挙が行われ、与党自民党が過半数を割った。
そして非自民からなる細川連立政権が誕生したきっかけになった事件だ。
自民党はこのとき、結党以来初めて野党に転落した。
この椿事件では、当時、テレビ朝日の取締役報道局長だった椿貞良が「小沢一郎氏を追及する必要はない。今は自民党政権の延命を阻止し、とにかく反自民の連立政権を成立させるための報道をしよう」という方針で局内をまとめた。
この衆院選では自民党の梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長が並んでニヤリとどす黒く笑うツーショットをアップで報道し視聴者に「悪代官」の印象を与え、自民党のイメージを奈落の底に落とした。
そして自民党は負けた。
むろんNHKの問題とはレベルがちがうが、「恣意性をもち、一方の方向へ世論を誘導する目的で報道が行われる」という意味では同じである。
「メディアは恣意的で悪質な世論操作を行ってはいけない」というのが「椿事件」当時の大きな教訓ではなかったか?
その意味ではNHKニュース7の報道姿勢は、正当性を問われるべきではないか?
報道人は「青雲の志」を思い出せ
思えば1993年の「椿事件」の時代は、メディアのなかではまだ反権力の「朝日系」が強かった。
それに対し安倍晋三が激しく抵抗し、各メディアのトップに寿司を食わせて懐柔した成れの果てが今日の姿だ。メディア・コントロールである。
メディアが報道すべきことを放送せず、それどころか意図的に政権党を利する番組構成を行うーー。
本当にこのままでいいのだろうか?
メディア各社で報道に携わる者は、自分が大志を抱いて入社したころの「青雲の志」をぜひ思い出してほしい。