すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【経済政策】カネは天下の回りものだ

2021-10-02 07:00:19 | 政治経済
政府の「借金」は民間の資産になる

「おカネは使っても消えてなくならない。持ち主が変わるだけだ」

 一般の人にはこれがピンと来ない。

 なぜなら人間は誰しも「自分」を主体に考える。ゆえに自分の手からお金がなくなったら、「おカネは消えた」と考えてしまうからだ。

 そこから先、消えたように見えるおカネはいったい誰の手に渡り、どんな働きをするのか? それがわかれば、一気におカネのしくみがわかるようになる。

政府の財政支出が国民を富ませる

 例えば政府が国債で「借金」しておカネを支出したとしよう。

 するとそのおカネは国の手元からは消えるが、「民間」の懐に入るのだ。

 つまり国の借金は、民間の資産になる。

 とすれば今のデフレ不況下で国民を豊かにするためには、国はたくさん「借金」する必要がある、ということがわかる。(ただし「無制限に」ではない。インフレ率2~4%になるまで、という制約はある)

 すなわち政府が財政出動すると、民間が潤うわけだ。

 とすれば政府の「借金」で国が財政破綻する、なんてのはウソっぱちだとわかる。

 逆に政府が十分に財政支出することが、国民を豊かにするためには必要なのだ。

 これが「よい経済政策」を行うキモになる。

国民一人あたりに〇円の借金がある?

 ところで国債に関し、メディアや財務省は政府だけでなく国民にも借金があるかのように言う。

 だが、そもそも国債を「国の借金」と呼ぶこと自体がまちがいだ。正確には「政府の債務(の記録)」である。

「国」と呼んでしまうと「国民」だって含まれてしまう。しかし政府による国債の発行に関し、国民はなんの借金もしていない。

 それをねじまげ、いかにも「国民にも借金がある」かのように言って緊縮(節約)を呼びかけるのが財務省やマスコミの常套句だ。

 つまりこれが、財務省やメディアが国債に関し「国民一人当たり〇円の借金があり、これは孫子の代まで受け継がれる」などと、まったくのフェイクニュースを垂れ流す「仕掛け」のからくりになっている。

PB黒字化目標なんてインチキだ

 ちなみによく言われる「プライマリーバランス(PB/国の収支)黒字化」などというのも、竹中平蔵が作り出したタダのインチキだ。

 もちろん「国の借金が降り積もって財政破綻する」なんてのも財務省が作ったウソである。

 そもそも日本には「自国通貨発行権」があり、自分でおカネを作れる。ゆえに自国通貨建ての日本の国債はデフォルトのしようがない。

 麻生さんが言うように「刷って返せばいい」だけだ。

 どうです? カンタンでしょう?

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【衆院選】政権交代のチャンスはある

2021-10-02 05:03:06 | 政治経済
蜃気楼に終わった自民党のメディアジャック

 今となっては「あの盛り上がりはいったい何だったのか?」という感じだ。

 自民党、総裁選の話である。

 ひところ改革派の河野太郎が雄々しく名乗りを上げ、人気者の石破茂と小泉進次郎が加勢し連日メディアは異常なまでの盛り上がりを見せた。

「この自民党メディア・ジャックが衆院選まで続けば、野党はもたないな」

 そんな感じだった。

河野太郎は路線転換で自爆した

 ところが河野が年金改革(すなわち消費増税が必要)や、核燃サイクルの撤廃をぶち上げて自爆し、「こいつは何をやるかわかったもんじゃないな」という空気が醸造され始め流れが変わった。

 メディアが作る高揚感はなくなり、かくて総裁の座は無難な岸田文雄の手に落ちた。

 あの風采の上がらない岸田がトップに立ち、ふくらみ続けた風船は一気に破裂した。

 メディア・バブルが終わったのだ。

 いまやテレビは連日、台風情報をやっている。

 いったい、ひと頃のあの盛り上がりは何だったのだろう? 

 この空気の大変化は、野党にとってはとんでもない追い風だ。

政策の中身でも野党が一歩リード

 だいいち政策が物語っている。

「令和版所得倍増」とか「成長と分配」を謳う岸田の経済政策は、一見、よさそうだ。だがその実、抽象的でまったく具現性がない。

 例えば「新自由主義からの転換」を唱える点はいいが、その政策はどうせ陰から糸を引く安倍晋三たち「ネオリベ親分衆」に一蹴されるだろう。

 しょせん岸田は操り人形にすぎない。

 結局は強い者が勝つ自己責任原則で社会は動き、負けた人間は野垂れ死ぬ。そして日本を外資に売り渡す。そんな世の中が続くだろう。

岸田には消費減税やPB黒字化凍結なんてムリ

 顔ぶれもなんせ副総裁は代わり映えしない麻生太郎だし、幹事長はなんと金権疑惑の甘利明である。

 新執行部は安倍の細田派と麻生派がズラリ要職を占めた。

 総裁選で、だれがウラで動いていたかよくわかる陣容である。

 なにより加計学園問題への関与を疑われたあの萩生田光一が一時は官房長官をウワサされたあたり、振付師である安倍晋三の影がチラチラしてまったくゲンナリ感を誘う。

 何より政策的には、岸田には野党が謳う消費税減税が絶対できないし、ましてや「プライマリーバランス黒字化」目標の堅持も既定路線だろう。野党とちがい、反緊縮でも何でもない。

 ただ口当たりのいい抽象的な文言を連ねているだけだ。

 あとは野党共闘の側としては、山本太郎の使い方次第だろう。人気者の彼を使った広報戦略、つまり話題作りとメディアの煽り方だ。いかにメディア空間に反緊縮の「劇場」を作り上げるか? がキモになる。

 野党側の政策は過去いちばんいいし(特に経済政策)、あとはいかにうねりを作って盛り上げるかだろう。

 敵失とはいえ冗談抜きで今回の衆院選、政権交代のチャンスはある。

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