すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ロシアW杯】日本式パスサッカーはどう崩壊するか?

2018-04-15 07:07:36 | サッカー戦術論
西野ジャパンの「負け方」をサンプリングせよ

 この記事で書いた通り、監督交代した急造の日本代表はロシアW杯で得られるフィードバックがゼロに近い。だがなんとか得るものを持ち帰らなければ、日本はワールドカップを1回お休みしたのと同じになる。それでは本当に意味がない。そこで妙案がある。

 西野ジャパンが決勝トーナメントに進出することはありえないから、採取できるサンプルはグループリーグの3試合だけだ。西野監督は「ボールをつなぐサッカー」をするそうだから、ならばこの3試合で「日本式のパスサッカーはどう崩されるか?」をサンプル収集し、未来に役立てるのである。つまり日本式パスサッカーの弱点を見つけ、将来に向けて課題を修正するのだ。

 世界から取り残され、日本人のパスサッカーはきわめて特異なスタイルへとガラパゴス化している。どういう意味か? 日本人は長いパスを蹴る・止めるのが苦手だ。しかも味方同士が距離を取ってロングボールを受ければ、そのあと1人でボールをキープする必要がある。個の力で劣る日本人の弱点が露呈してしまう。そこで日本人は、これを集団の力で解決しようとする。

 すなわち味方同士が近寄ってやり、集団でショートパスを交換するのだ。これなら個の力は最小限ですむ。これが「日本式パスサッカー」であり、日本人の遂げたガラパゴス化だ。

カウンターに弱い日本式パスサッカー

 だが、こんなチームを攻略するのはカンタンだ。

 一例を挙げれば、日本からボールを奪えば一発長いサイドチェンジを入れ、あとは縦に速い攻めをすればさっきまでボールに集まっていた日本の選手は3〜4人がまとめて置き去りにされる。ピッチに均等に広がったまま大きい展開ができるヨーロッパのチームとくらべ、人がボールに極端に偏る日本式パスサッカーはカウンターに非常にもろい。

 ロシアW杯での日本代表はこうした弱点を連発するはずだ。そこで「西野ジャパンはいかに負けるか?」を細かくサンプリングし、それを将来に生かす。

 集めたデータを分析すれば、結局、ハリルが言っていた「大きい展開」や「1対1の強さ」「球際のデュエル」が必要だったんだ、てな話になるのだが……バカは自分の愚かさや欠点を自己認識できてないからバカなのだ。

自分たちの欠点をいかに修正するか?

 日本人は自分たちはどこがどうダメで、それを修正するには何をすべきか? を考えようとしない。自分を知らないから「日本人の特徴を生かせ」「長所を伸ばそう」「サッカーの日本化だ」と、ゆとり教育みたいなサッカーになる。日本代表は歴代、この繰り返しだった。

 そうではなく、日本人に必要なのは自分たちの欠点をいかに修正するかだ。

 そこで日本式パスサッカーはどう崩壊するか? をロシアW杯でサンプリングし、自分たちに足りないものを認識させる。そうすることで初めて、日本式ではなく「世界基準のパスサッカー」をしなければW杯で通用しないことがわかるだろう。

 バカは自分のどこがバカなのか? を認知できて初めてバカを卒業できる。でないと同じことを何度でも繰り返す。

 ロシアW杯は「自分たちのサッカーはどこがどうダメなのか?」を自己認識するための大会になる。

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