課題は山ほどある
オーストラリアはすべてにおいて速かった。寄せの速さと男子レベルのボールスピードの速さで日本に圧力をかける。それを日本が技術でかわす展開になった。細かなテクニックの日本 VS 強さと速さのオーストラリアの対戦だ。
日本は後半18分に裏のスペースに飛び出した長谷川にスルーパスが出てニアゾーンを突破し、マイナスの折り返し。これを坂口が冷静に決めて先制した。その後、後半41分にゴール前の混戦からオーストラリアのサマンサ・カーに押し込まれて試合は引き分け。その結果、オーストラリアと日本がグループリーグを突破して準決勝に進出。日本はW杯出場権を獲得した。
立ち上がりから日本は、ダイアゴナルな長いサイドチェンジと縦へのロングボールを操るオーストラリアの力強く大きな展開に押し込まれた。だがフィニッシュの精度自体はわずかに欠け、ギリギリの局面で日本のディフェンス陣がカラダを投げ出して防ぐ。特に前半13分のオーストラリアのマイナスのラストパスからのシュートを、右SBの清水がスライディングしながら止めた守備は1点ものだった。
中途半端な横パスとバックパスをやめろ
だがワールドカップに向け、なでしこの課題は多い。日本は「ボールをつなぐこと」がプライオリティのトップにある。おそらくなでしこリーグでは「時間と空間」がたっぷりあり、それが簡単にできるのだろう。だから押し込まれている場面でも苦し紛れにムリなバックパスをしたり、どんな局面でもリスキーなショートパスをつなごうとする。
だが考える時間もスペースもない世界の頂点ではちがう。リスクヘッジを考えるべきだ。特に「とにかく手直な味方へバックパスしておこう」という安易なプレーは絶対にやめるべき。刀を構えている敵の前に首をさらすのと同じだ。
同様に1〜2メートルの中途半端な短いパスをつなごうとするのも世界レベルでは危険だ。簡単にカットされてカウンターを食らう。複数の選手が狭いエリアに集まり、集団でショートパスを交換しているところをパスカットされてカウンターを受けると、3〜4人の選手がまとめて置き去りにされてしまう。非常にリスキーだ。
「小さいサッカー」を卒業しワイドな展開を
なでしこはグラウンダーのショートパスを転がしてボールをつなぐ「小さいサッカー」をするが、もっとピッチを広く使う大きな展開をふやすべきだ。オーストラリア戦でもまれに見られたフィールドを斜めに横切る大きなサイドチェンジは特に有効。また敵の最終ラインのウラを狙う長い縦パスももっとふやしたい。
それから判断のスピードをもっと速くすること。世界のトップレベルでは「考える時間」をくれない。日本はプレースピードと判断が遅すぎる。ボールスピードもまだまだ速くする必要がある。また敵のボールホルダーにカラダを押し当てて前を向かせない、自由にやらせない1対1の粘り強い守備も必要だ。相手をフリーでやらせすぎる。
課題は多いが、細かな技術ならすでにある日本は潜在能力が高い。修正点をひとつひとつクリアして、世界の頂点をめざしてほしい。
オーストラリアはすべてにおいて速かった。寄せの速さと男子レベルのボールスピードの速さで日本に圧力をかける。それを日本が技術でかわす展開になった。細かなテクニックの日本 VS 強さと速さのオーストラリアの対戦だ。
日本は後半18分に裏のスペースに飛び出した長谷川にスルーパスが出てニアゾーンを突破し、マイナスの折り返し。これを坂口が冷静に決めて先制した。その後、後半41分にゴール前の混戦からオーストラリアのサマンサ・カーに押し込まれて試合は引き分け。その結果、オーストラリアと日本がグループリーグを突破して準決勝に進出。日本はW杯出場権を獲得した。
立ち上がりから日本は、ダイアゴナルな長いサイドチェンジと縦へのロングボールを操るオーストラリアの力強く大きな展開に押し込まれた。だがフィニッシュの精度自体はわずかに欠け、ギリギリの局面で日本のディフェンス陣がカラダを投げ出して防ぐ。特に前半13分のオーストラリアのマイナスのラストパスからのシュートを、右SBの清水がスライディングしながら止めた守備は1点ものだった。
中途半端な横パスとバックパスをやめろ
だがワールドカップに向け、なでしこの課題は多い。日本は「ボールをつなぐこと」がプライオリティのトップにある。おそらくなでしこリーグでは「時間と空間」がたっぷりあり、それが簡単にできるのだろう。だから押し込まれている場面でも苦し紛れにムリなバックパスをしたり、どんな局面でもリスキーなショートパスをつなごうとする。
だが考える時間もスペースもない世界の頂点ではちがう。リスクヘッジを考えるべきだ。特に「とにかく手直な味方へバックパスしておこう」という安易なプレーは絶対にやめるべき。刀を構えている敵の前に首をさらすのと同じだ。
同様に1〜2メートルの中途半端な短いパスをつなごうとするのも世界レベルでは危険だ。簡単にカットされてカウンターを食らう。複数の選手が狭いエリアに集まり、集団でショートパスを交換しているところをパスカットされてカウンターを受けると、3〜4人の選手がまとめて置き去りにされてしまう。非常にリスキーだ。
「小さいサッカー」を卒業しワイドな展開を
なでしこはグラウンダーのショートパスを転がしてボールをつなぐ「小さいサッカー」をするが、もっとピッチを広く使う大きな展開をふやすべきだ。オーストラリア戦でもまれに見られたフィールドを斜めに横切る大きなサイドチェンジは特に有効。また敵の最終ラインのウラを狙う長い縦パスももっとふやしたい。
それから判断のスピードをもっと速くすること。世界のトップレベルでは「考える時間」をくれない。日本はプレースピードと判断が遅すぎる。ボールスピードもまだまだ速くする必要がある。また敵のボールホルダーにカラダを押し当てて前を向かせない、自由にやらせない1対1の粘り強い守備も必要だ。相手をフリーでやらせすぎる。
課題は多いが、細かな技術ならすでにある日本は潜在能力が高い。修正点をひとつひとつクリアして、世界の頂点をめざしてほしい。