すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】いっそのことハリルには育成年代を見てもらえば?

2018-04-06 07:41:25 | サッカー日本代表
分析力と問題提起力に優れたハリル

 ハリルは日本人のサッカーが抱える問題点を明快に切り取ってきた。彼が登場しなければ「個の大切さ」なんてこれほどクローズアップされなかっただろう。「日本人は個で負けるから組織で戦おう」と逃げるからだ。

 彼が「デュエルだ!」と号令をかけなければ、競り合いやフィジカルの重要性もこんなに脚光を浴びなかった。なぜなら日本人は「俺らはフィジカルで負けるから、1対1の接触プレイを避けて集団で戦おう」と逃避するからだ。

 また「タテに速く」と、横パスとバックパスが大好きな日本人に「前へ」の意識を植え付けたのもハリルなら、選手間の距離を縮め、狭いエリアでチマチマとショートパスを繋ぐ日本のサッカーでは世界に勝てない、と警鐘を鳴らしたのもハリルだ。「そうか、もっと大きいサッカーが必要なんだ」というふうに。

 ハリルは「デュエルだ!」「タテに速く」「大きな展開を」と言うが、あれは自分がそういう戦い方が「好きだ」などという話ではない。日本人のサッカーの問題点はどこにあり、それを修正するには何をする必要があるのか? という問いに対す答えが「デュエル」であり「タテに速く」「大きな展開」なのだ。

 こんなふうに「日本人の弱点はどこか?」「どこをどうを修正すべきか?」に関する、ハリルの分析力と問題提起力は的を射ていた。

 だからあのおっさんなら、また日本人が思いつかない、突飛だが当を得た問題提起をしてくれるんじゃないか? と思わず期待してしまう。その意味で個人的には、ロシアW杯後にハリルとお別れするのが非常に惜しい。

 なぜならハリルが行っている上記のような日本サッカーに対する提言は、本来なら代表チームで取り組むべきテーマではなく、育成年代でやっておかなきゃならない課題だからだ。「代表メンバーなのにゾーンディフェンスの素養がない」などという問題と同根である。

 ゆえにロシアW杯後、ハリルには長期計画で育成年代のロードマップ作りや指導にあたってもらいたい、などと思うくらいだ。でないと今後も日本人は、宿題もできてないのに「アクションサッカーだ」「主導権を握ることが必要だ」などと、また同じあやまちを何度でも繰り返すだろうからだ。

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