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『サラダ記念日』の今

2016-08-09 09:26:22 | 歌う

              『サラダ記念日』の今

 8月8日朝日☀「うたをよむ」のコラムを読む。『サラダ記念日』の今 を書いている大井学、は「かりん」の歌人、『浜田到ー歌と詩の生涯』の著者、ツイッターでも時々つぶやいている。俵万智より5歳若い。このコラムを弟の文のように俵万智は読んだかもしれない。

 ~俵万智の『サラダ記念日』が出版されたのは1987年5月。来年で30年になる。刊行後すぐにベストセラーとなったのはよく知られていよう。その作品世界はバブルに沸いた世相と相まって、歌壇や読者からの賞賛と批判とを同時に浴びた。短歌史的なトピックの『サラダ記念日』だが、ではこの歌集がもたらした変革は何だったのか、という問いへの回答は難しい。~

 歌集は売り物にならない、はずの歌集が売れたのだから話題になった。あれは30年も前のこと。発売開始が5月の始めだったのもよかったのではないか。✿「あゝ五月ふらんすの野は火の色す君もコクリコわれもコクリコ」 私の大好きな歌、与謝野晶子の歌である。春がいよいよ本番になる五月、気分が昂揚する。歌いたくなる、詠いたくなる、そんな時期に年頃の娘が口語でつぶやく短歌、「嫁さんになれよ」などと会話体の歌が多いのも魅力だった、バブルが始まり経済的にゆたかになり始めた頃、千何百円の歌集がたやすく売れたのかもしれない。

 大井学は『サラダ記念日』の最大の成果は~ 略~ 格式ばった言葉でなく、等身大の自分の言葉でも、31音の形式を取れば「歌」たり得ることを、理屈ではなく作品で知らしめたことだ。俵万智の開いた短歌の世界は、この30年さらに豊かに広がった。と述べ若い世代の次の2首を挙げている。

   鉄塔の見える草原ぼくたちは始められないから終はれない
                                    山田 航

   告げている、砂漠で限りなく淡い虹みたことを、ドア閉めながら
                                    千種創一

 

  山田航も千種創一もいま歌壇で活躍し、ツイッターでもお馴染みである。

            外に出ればいま36度? 8月9日  松井多絵子                                                

 

 


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