人づき合いは細長く
婦人公論11/22号特集は♠「人つき合いは楽しく、賢く、細長く」
◉ 大石静 誰かに癒されるより、一人でヒリヒリした時間を過ごしたい
◉ 島崎和歌子×マツコ・デラックス~親友と呼び合えるのはめったに合わない仲だから。
20年位から私は一人旅を楽しんでいる。「淋しいでしょう」と言われるがその淋しさを愉しんでいるのかもしれない。草花、木々、海、山、雲まで私に接近してくる。雲がソファーになり船になり、ヒリヒリではなく私はふわふわする。誰かといる時には「ふわふわ」できない。
「親友」とはどういう友なのだろうか。学生の頃から親しかった友か。偶々隣の席に座っていたことから親しくなった、しかしその後、とても気の合う人が現れる。このひとこそ親友だと思う。学生時代の友との付き合いが負担になる、しかし「親友」解約などという制度?などあるはずもない。美文字老女A子の夫は財界でかなり知られている。都心の高級住宅街で暮らし、趣味の一つとして短歌を作る。気さくで近づきやすい。数年前に私はある歌会で「A子が親友だという歌人」と話したことがある。後日、A子にその話をしたら、首を傾げている。しばらくして「あの方かしら、歌会でお会いして帰りに一緒にお茶を飲んだことがあったような気がするけど」
自分は親友だと思っていても、相手はほとんど知らないなんて淋しい。A子のような令夫人
と親友ということで自分をレベルアップさせたいのか。以来、わたしは「友だち」と言う言葉を避け「仲間のA子」などというようにしている。「友達は財産」と言い自身の交友関係を何かと話したがる人がいる。利害の絡む友なんてシンドイ。時たま茶房でお互いの愚痴を聞き合うような友こそ「細長くつづく人付き合い」ではないだろうか。
「女にも友情はないらしいね」と言いつつチュウハイを飲んでる青年
11月9日 松井多絵子
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