「黄葉の上野のターナーさま」
ターナーさま 英国からはるばる日本へお越しくださりありがとうございます。一昨日、午前10時半の光を浴びている上野の銀杏の黄葉の見事だったこと。この黄色はまさにターナーさまのお好きな黄色。古いベレー帽を被ったわたしは東京都美術館であなたに会うことできました。
ターナーさまはロンドンの理髪店の息子さんで、幼いころから絵が上手、あなたの描かれた絵を店さきに飾るとよく売れたとか、本当ですか?十代から美術展に出品し、その絵が売れてその収入で旅をして、旅先で描かれた風景画がよく売れたとか。さぞ気分が良かったことでしょう。生きているときには全く認められず死んでから有名になり、1枚の絵が何億の画家もいますよ。
☁ いちまいの絵より絶叫きこえくる強風に薙ぎ倒されし樹の (松井多絵子)
100点余りの作品を拝見しながらターナーさまは頑張られたんだなあと感服しました。暴風に荒らされた被災地、荒波のなかの難破船、雪崩も現場を描く。いま報道写真のカメラマンたちが命がけで写真を撮るように、でも写真のようにリアルではなく、荒波も雪崩もターナーさまの色やタッチには妖しい恐ろしさが漂っていて、、、。アトリエで描く画家ではない、私も机に向かって短歌を書かない、旅先などの現場で書く。これがターナーさまと私の接点でしょうか。
☁ 落日の湖あかきターナーの晩年の絵より去りかねており
☁ 光のみ残りていたる一枚を描きしのちに世を去りしひと
わたしも光の残る一首を詠めたなら 11月28日 松井多絵子
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます