えくぼ

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詠うコスモス

2013-08-24 14:23:38 | 歌う

           「詠うコスモス」~河野裕子の声が~

 我が家へ送られてくる郵便物で最も多いのが、旅行のD・M。ツアーへの誘いである。私はたやすくこの誘惑に負けてしまう。以前は隣町の旅行社のメンバーズクラブ会員にさせられて、というより私が好んで会員になり旅行に参加した。「わたしは歌人ですの」などと言いながら歌会をすっぽかして旅行、旅行。筆名は「旅子」にしようなどと何度も思った。しかしこの旅行社が遠くに移転してから、旅をするのが少なくなった。でも4社からの旅の誘いにときどき負けてしまう。松井多絵子を松井旅子に変えた方がいいかしら。

 コスモスの花畑を訪れるツアーは多い。夏休みが終わり旅行客が9月~10月は少ないためか。「秋桜」にヒマな老女を誘う。「鼻高展望花の丘のコスモス」なんて初めて知る、今日送られてきた「旅の友」で。「明野のコスモス」「ちばかだんコスモス」「ひたち海浜公園のコスモス」。私が訪れたいコスモス畑のツアーは多すぎる。体が一つしかないのが残念だ。

 コスモスの花は河野裕子を思わせる。紅のコスモスは歌人として脚光を浴びている河野裕子を、ピンクのコスモスはやさしく可愛い妻の河野裕子を、黄色いコスモスは教育ママの河野裕子を、白いコスモスは私は好きになれない、晩年の河野裕子を思わせるから。

 ❤言ひかけて開きし唇の濡れをれば今しばしわれを娶らずにゐよ

 河野裕子が私に近づいてくる歌である。海浜公園の潮風のなかに咲く紅いコスモスを見たい。若き日の河野裕子に遇えるかもしれない。

  ✿「相聞歌をお詠みなさいな」とコスモスの花より河野裕子の歌が
                              8月24日  松井多絵子


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