・・・ みどりの階段 ・・・
☀ 見おろせば棚田棚田の波がくる千葉鴨川市大山棚田 松井多絵子
9月29日11時半ごろ私は晴天の大山千枚田を見下ろしていた。クラブツーリズムの房総をめぐるツアーは、台風の進路が変わったため無事だった。鴨川市にある大山千枚田は東京から一番近い棚田。「日本棚田100選」の一つである。標高90m~150m、面積4ヘクタールの斜面の稲は9月6日に刈り取られたが、青草が生えていて緑の階段が見事であった。あちこちに彼岸花が満開だったり萎れていたり、案山子(かかし)は残っていた。
✿ ふきげんの我のようなる案山子あり近寄ればさらに目を吊り上げる
✿ 稲刈の終えし棚田の片隅に散らずに萎えゆく彼岸花ひとむれ
3年前にわたしは輪島「白米千枚田」を見ている。世界農業遺産になり注目されたこの棚田は広かったが、稲の刈り取られる前だったので階段が雑然としていた。大山千枚田は1000枚ではない。375枚の棚田らしいが楽しい棚田だ。傾斜の急な野を先人たちの知恵が米作地にしたのだ。棚田の歴史は知らないが、バリ島や中国の厦門で棚田を見たことがある。観光客には riceーterraces と説明していたが10年以上も前のことで私の記憶はアテにならない。 大山千枚田はいまライトアップしているそうだ。「棚田百選」など日本各地に棚田があり、観光スポットになっているなんて、でも棚田を見ていた昨日の今頃、わたしの体のなかを若草色の液体が流れていた。 明日から10月、半袖よ、さらば。
9月30日 松井多絵子
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