えくぼ

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春が来ている

2014-03-16 14:40:43 | 歌う

            「春が来ている」

 先週の日曜の夜は、さいたま大宮で山崎聡子さんの歌集『手のひらの花火』受賞祝賀会だった。中華料理店で30代の新鋭歌人に囲まれ、昭和の語り部・松井多絵子はよく喋りよく飲みよく食べた。いい気分の2時間。東京駅から新幹線で名古屋までの時間か。名古屋といえば「おかげ横町」、味噌カツ、今日のお昼はきしめんに刻み葱、ソース、粉チーズ。おいしいですよ。

        ✿✿ 春が来ている ✿✿   松井多絵子

細き首を傾けながらわれを見る素描の少女も風邪をひきそう

ようやくに風邪の治りて外(と)に出ればわが葉牡丹の息絶えており

初恋のひとだったのだ「桃太郎」彼こそ誰より頼れる男

古い手帳をネガフィルムを捨てるなら空っ風ふく今日こそよけれ

まだ雪を脱がない山を引き寄せて引き離してゆく高速バスは

売るひとと買うわれの手に陽がさして春が来ている「おかげ横丁」

                 歌集『えくぼ』より抄出

 


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