えくぼ

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朝日歌壇10月7日

2013-10-08 14:04:28 | 歌う

           ☀「朝日歌壇10月7日」☀

 短歌は小さな詩である。ほんの少しの言葉しか使えない。その小さな器に無限の宇宙を入れた二人の入選歌を採りあげてみたい。

<永田・馬場選>
☆☆海王星の朝やけみたいな秋の空今朝は上着をはおって行こうか (名古屋) 中村桃子

 海王星は太陽系で一番外側の惑星で、表面温度は-218°cだそうである。その表面を時速2000キロの風が吹き荒れる強風の世界。上句の、海王星の朝やけみたいな秋の空 は意表を突く表現だが、下句は、今朝は上着をはおって行こうか、である。その転換が見事だ。

<高野選>
 ひそやかに太陽系をあとにした時速6万キロの旅人  (八尾市) 水野 一也

 結句の「旅人」に<ボイジャー>のルビが添えてある。この9月13日にNASAは36年前に打ち上げられた「探査機ボイジャー1号」が、初めて太陽系圏から脱出したと発表した。太陽圏は太陽と惑星と外の宇宙とを隔てる磁場の境界だそうだが私には想像できない世界だ。
孤独な宇宙旅行を続けた「ボイジャー1号」を水野さんは「旅人」にたとえている。宇宙の果てをめざすロマンの一人旅、そんな旅を考えたのは人間。ボイジャーは無人の探査機である。

 今日の秋晴れの空は途方もなく広がっています。  10月8日  松井多絵子

 


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