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ツィートは遺書に

2016-10-06 09:29:46 | 歌う

             ツィートは遺書に

 「現代短歌新聞10月号」を読みながらこんな歌が目につき、気になった。

 ♦ ツイッターに流れ続けるつぶやきのすべてが遺書であるということ  松村正直

 わたしがツイッターを始めてから来月で4年になる。昨日までのツィートは3665、3千回以上も遺書を書いたことになる。ほとんど毎日、昼と夜に1回ずつである。わたしはブログを書きたくてネットをはじめた。でも書いても読んでくださる方がごく少数、すっかり落ち込んでいた時に歌友たちがツィッターを薦めてくれた。「つぶやき」のおかげでブログの読者がぐんと増えた。されど遺書であるといわれれば 確かに遺書かもしれない。

 松村正直は歌誌「塔」の編集長である。10月の「現代短歌新聞」の1面に「電話」という題の連作13首が載っている。掲出の歌はこの連作のなかの1首である。

 ♦ 地下鉄の駅に花屋があることの、いいよね、今朝はリンドウが咲く

 連作「電話」のなかで私が一番好きな歌である。松村氏には面識がないが、この歌は彼が私に話しかけてくれるようで楽しい。人工の光のなかの地下鉄の駅、その味気ない構内の花屋はささやかな花園である。リンドウは秋がきたことをを知らせる花だ。しっとりした青紫色が目に染みる。先日、わたしは母にリンドウの花束を贈った。御墓の母に

 ♦ 今日になって母は電話をかけてきぬ猫がいるからやはり行けぬと

 松村正直は1970年生まれ。彼の母上は私より若いかもしれない。猫のために外出できないという電話なのか。「僕より猫が大切なのかなあ」と松村氏は拗ねているのか。「松村さん。お母様はあなたに来て欲しいんですよ、きっと」

       たぶん松村正直氏は背広よりポロシャツの似合う方でしょう。

                 10月6日 今日もTシャツの松井多絵子

 

 


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