えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

鈴木美紀子の「あなた」

2017-09-13 13:33:01 | 歌う
▲ 「これはあなたの物語です」と帯にある本は今でも読みかけのまま

これが短歌かしら?と思う。でも鈴木美紀子の歌集「風のアンダ一スタディ」を繰り返し読み、これが短歌に思えてくる。自身につぶやく折々の言葉

女性の歌集の多くは読者を意識し過ぎている。不倫の歌も「これはフィクション」と思わせる、お行儀のいい歌を詠む。ソフトドリンクは酔えない。

鈴木美紀子の歌は水割りではない。「あなた」の歌のアルコ一ルは強い。

▲ あなたとはすれ違うだけ 「生モノ」と記されている不在伝票

▲ 車いす押して海辺を歩きたい記憶喪失のあなたを乗せて

▲ 二人用の棺はないと知ったときあなたに少しやさしくなれる

▲ 部屋中の鏡にあなたを見張らせるわたしの夢から目覚めぬように

▲ さっきまでわたしはあなただったのにシャンプ一の泡ですべてを流した


ここまで読んで私は酔い潰れてしまった、まだ2ペ一ジ残っているのに。