えくぼ

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谷とも子歌集「やはらかい水」

2017-09-03 13:21:25 | 歌う
数日前に頂いた歌集「やはらかい水」はおいしい。残暑で疲れている
体にやさしい水である。

⚡木の影とわたしの影のまじりあひとても無口な道となりたり

花の咲く明るい道を過ぎ並木通りを歩きはじめると私はほっとする。花は喋り過ぎる、木は無口だが私の気持ちをわかってくれるような、、。

⚡次の世は苔になりたい湧きながら流れやまない水に洗らはれ

私は苔が好きで苔色の服を着ることが多い。常に水に恵まれ、木陰に艶を、落ち着いた緑を広げている。

谷とも子は中年になってから短歌をはじめた。熊野古道に始まり紀伊半島の古道を三年ほどかけて歩いた。その道中で会った歌人のお誘いで短歌をはじめたと歌集のあとがきに書いている。

未来短歌会に入会し大辻隆弘氏に師事、日常の些細なことを魅力的な歌にしてしまう、

⚡過ぎてゆく灯りはみんなさみしいなそのような顔が車窓に映る

⚡うすあをい付箋いちまいづつ剥がし本は痩せゆく掌の上に

「やはらかい水」から四首抄出しましたがまだ私の好きな歌がたくさんあります。またの機会に、、。