ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

キムンダム

2019-10-29 11:14:06 | 北海道
2019年10月19日 キムンダム
 
キムンダムは北海道芦別市奥芦別の石狩川水系芦別川左支流キムン芦別川にある国交省北海道開発局が管理する取水堰です。
石狩川水系の治水や幾春別川流域への利水を目的として『幾春別川総合開発事業』が着手され、1957年(昭和32年)に北海道初の多目的ダムとして桂沢ダム(元)が竣工しました。
桂沢ダムと同時に建設が進められたのが芦別ダムで、同じ石狩川水系ながら空知川支流の芦別川の水を幾春別川に導水しています。
芦別川支流のキムン芦別川の水を芦別ダムに導水するために建設されたのがキムンダムです。
堤高が15メートル未満のため河川法上のダムの要件は満たしておらず、ダム便覧も掲載されていません。
 
桂沢ダムから国道452号を東に向かい、三芦トンネルを抜けると『キムンダム』を示す標識が現れます。
このすぐ左手にキムンダムがあります。 
 
標識を下るとすぐにダムが見えてきます。
 
スライド式の主ゲート。
 
自由越流式の堤体。
 
上流面
写真では見えませんが、ちょうど手前の部分に取水ゲートもあります。
 
上流から見た主ゲート。
 
芦別ダムもこれくらい見せてくれればいいのですが。
 
キムンダム  
北海道芦別市奥芦別
石狩川水系キムン芦別川
AWP
----メートル
----メートル
----㎥/----㎥
国土交通省北海道開発局・電源開発(株)
1957年

芦別ダム(国交省北海道開発局)

2019-10-29 10:21:20 | 北海道
2019年10月19日 芦別ダム
 
北海道には芦別市奥芦別の石狩川水系芦別川にある国交省北海道開発局および電源開発(株)が共同管理する芦別ダム、芦別市北7条西3丁目の石狩川水系空知川にある北海道電力が管理する発電目的の芦別ダムの2基の芦別ダムがありますが、今回取りあげるのは前者の方です。
石狩川水系の治水や幾春別川流域への利水を目的として『幾春別川総合開発事業』が着手され、1957年(昭和32年)に北海道初の多目的ダムとして桂沢ダム(元)が竣工しました。
桂沢ダムと同時に建設が進められたのが芦別ダムで、同じ石狩川水系ながら空知川支流の芦別川の水を流域変更して幾春別川に送っています。
芦別ダムで貯留された水は導水トンネルで桂沢ダム湖上流の電源開発熊追発電所に送られ、最大4900キロワットのダム水路式発電を行ったのちに桂沢ダムへと放流されます。
そのため芦別ダムの目的は桂沢ダムの利水目的と同じ灌漑用水、上水道用水の供給及び発電となっています。
奈良県の猿谷ダムとともに全国では2基しかない洪水調節目的のない国交省直轄ダムです。
 
国道452号を東に向かい三芦トンネルを抜けるとすぐに『芦別ダム』を示す標識が現れます。
これに従って芦別川沿いを進むと芦別ダムに到着します。 
芦別ダムを示す案内標識。
 
残念ながらダムの入口で立ち禁。
 
樹間からゲートらしきものが垣間見えるだけ。
 
今回はダムの工事中のためかなり手前から立ち入り禁止となっていました。
通常はもう少し奥まで入れるようなので、機会があれば再チャレンジしてみたいと思います。
 
0050 芦別ダム 
北海道芦別市奥芦別
石狩川水系芦別川
AWP
22.8メートル
99.5メートル
1598千㎥/206千㎥
北海道開発局建設部・電源開発(株)
1957年

小野の沢ダム

2019-10-29 01:59:14 | 北海道
2019年10月19日 小野の沢ダム 
 
小野の沢ダムは北海道三笠市大里の石狩川水系前田の沢川右支流小野の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
三笠市は明治以降幌内炭鉱の開発により炭鉱の町として発展を続ける一方、大正末期から昭和にかけて新田開発が進み多くの灌漑用溜池が建設されました。小野の沢ダムもそんな溜池の一つでダム便覧には北海道の事業で1931年(昭和6年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行っています。
 
岩見沢市街から道道917号線を三笠方面に進み、北海道中央霊園の標識に従って南に折れます。最初の十字路を左折して東進すると谷の合間に小野の沢ダムが遠望できます。
 
普段はダム入口にチェーンが張られ車両の進入はできませんが、今回はたまたま管理人さんが取水ゲートのチェックに来ていたのでダム下のみ見学できました。
右岸に洪水吐があり導流部が堤体に沿う形で下りてきています。
手前の水路は左岸取水設備からの水路で洪水吐導流部と立体交差しています。
 
洪水吐導流部。
 
堤体基部は石積の擁壁になっています。
 
左岸の底樋樋門。
 
残念ながら管理人さんの業務がすぐ終わり再びチェーンを閉じるとのことで、ダムサイトや天端を見る時間がありませんでした。
総貯水容量は15万7000立米と溜池としてはかなり小ぶりな貯水池のようです。
 
3385 小野の沢ダム(1525) 
ため池コード
北海道三笠市大里
石狩川水系小野の沢川
16.8メートル
150メートル
157千㎥/157千㎥
北海土地改良区
1931年

前田の沢溜池(前田の沢ダム)

2019-10-29 00:38:54 | 北海道
2019年10月19日 前田の沢溜池(前田の沢ダム)

前田の沢ダムは北海道三笠市大里の石狩川水系幾春別川左支流前田の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
三笠市は明治以降幌内炭鉱の開発により炭鉱の町として発展を続ける一方、大正末期から昭和にかけて新田開発が進み多くの灌漑用溜池が建設されました。前田の沢ダムもそんな溜池の一つでダム便覧では北海道の事業で1927年(昭和2年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地8.91ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
岩見沢市街から道道917号線を三笠方面に進み、北海道中央霊園の標識に従って南に折れます。二股分岐で霊園への道を左に分け前田の沢川沿いに進むと前田の沢ダムに到着します。
右岸から下流面。
 
水利使用標識
北海土地改良区管理の他の溜池に比べるとかんがい面積がずいぶん小さくなっています。
 
右岸にある横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
総貯水容量23万8000立米と溜池としてはやや小ぶりな貯水池。
北海道の灌漑用貯水池としては珍しくこの時期でも水が抜かれていません。
 
円筒形の取水塔。
 
天端
草付きに車の轍が残っています。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
右岸の洪水吐。
 
ダム下に下りなかったので底樋は確認しませんでした。
北海土地改良区が管理する溜池の中では小ぶりで、草刈り等の手入れもやや行き届いていない印象です。
水はこれから抜くのでしょうか?
 
3386 前田の沢ダム(1524) 
ため池コード
北海道三笠市大里
石狩川水系前田の沢川
16.5メートル
95メートル
238千㎥/238千㎥
北海土地改良区
1927年

宝池ダム(宝池)

2019-10-28 16:06:23 | 北海道
2019年10月19日 宝池ダム(宝池)
 
宝池ダムは北海道岩見沢市宝水町の石狩川水系志文三の沢川右支流野々沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多数の灌漑用溜池が作られました。宝池もそんな溜池の一つでダム便覧には北海道の事業で1925年(大正14年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地147.44ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
岩見沢市街東部を南北に走る道道30号を南下し宝水町に入ると道道東側の山沿いの林道に入ります。水路に沿って進むと正面に宝池ダムが見えてきます。
手前の樹林が邪魔になり堤体は隠れますが洪水吐が見えます。
 
ダム手前に立ち入り禁止・魚釣り禁止の標識がありますが事前に許可を得てあります。
右岸から下流面。
 
水利使用標識。
 
右岸上流面に斜樋がありその先に土砂吐が見えます。
 
天端には轍が残っています。
対岸(左岸)に洪水吐があります。
 
総貯水容量101万4000立米と岩見沢にある溜池の中では大規模な貯水池。
来春の融雪期に備えてすでに水が抜かれています。
 
土砂吐をズームアップダム。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
ダム下には下りなかったので底樋は確認しませんでした。
 
(追記)
宝池ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0018 宝池ダム(1523) 
ため池コード
北海道岩見沢市宝水町
石狩川水系野々沢川
17.8メートル
158.8メートル
1014千㎥/1000千㎥
北海土地改良区
1925年
◎治水協定が締結されたダム

三の沢上志文第二ダム

2019-10-28 13:20:31 | 北海道
2019年10月19日 三の沢上志文第二ダム
 
三の沢上志文第二ダムは北海道岩見沢市上志文町の石狩川水系幾春別川左支流志文三の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
志文三の沢川では1924年(大正13年)に三の沢上志文第一ダムが完成しますが、戦後の食糧難に対応した農地開発に伴い第一ダムの下流1キロ地点に新たに建設されたのが三の沢上志文第二ダムです。
ダム便覧では1954年(昭和29年)に北海道の事業として竣工と記されています。
現在は第一ダムともども北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.05ヘクタールに灌漑用水を供給しています。 
 
道道30号から岩見沢雉ヶ森カントリー倶楽部入口手前に第一、第二ダムからの灌漑用水路分水工があります。
 
分水工からゴルフ場へ向かうとすぐ右手にダム下への入口があります。
下流面は犬走りを挟んだ二段構成。
 
ダム下に第二貯水池竣工記念碑が建ちます。
 
ダムの下流で分岐する林道を進むと天端への入口があります。
入口にある水利使用標識。
 
水利使用標識から先は立ち入り禁止ですが事前に許可を得てあります。
天端
対岸(右岸)に洪水吐があります。
 
灌漑期が終わり水が抜かれた貯水池
水利使用標識では総貯水容量32万4000立米、一方ダム便覧では70万立米となっています。
 
左岸の多孔式斜樋と土砂吐。
 
天端からの眺め
右岸からの洪水吐導流部と左岸にある底樋がダム下で合流し志文三の沢川として流下します。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
(追記)
三の沢上志文第二ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3357 三の沢上志文第二ダム(1522) 
ため池コード
北海道岩見沢市上志文沢町
石狩川水系志文三の沢川
16メートル
132.5メートル
324千㎥/264千㎥
北海土地改良区
1954年
◎治水協定が締結されたダム

三の沢上志文第一ダム

2019-10-28 10:51:31 | 北海道
2019年10月19日 三の沢上志文第一ダム
 
三の沢上志文第一ダムは北海道岩見沢市上志文町の石狩川水系幾春別川左支流志文三の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。三の沢第一ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で1924年(大正13年)に竣工と記されています。
戦後の食糧難に対応した農地の拡大に伴い1954年(昭和29年)には下流1キロ地点に新たに三の沢上志文第二ダムが建設されました。
現在は第一ダム、第二ダムともども北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.05ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
岩見沢雉ヶ森カントリー倶楽部手前の林道を進むとまず三の沢上志文第二ダムが現れ、さらに上流に向かうと第一ダムに到着します。
ダム下には道営災害復旧事業の説明板と水利使用標識が立っています。
 
下流面。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
天端へ通じる道は関係者以外立ち入り禁止ですが事前に許可を得てあります。
天端には轍がついています。
 
総貯水容量71万立米の貯水池。
灌漑期が終わり水が抜かれています。
 
下流面
ダム下で洪水吐導流部と底樋からの水路が合流します。
 
左岸ダム下の底樋樋門と底樋枡。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の多孔式斜樋と土砂吐。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
(追記)
三の沢上志文第一ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0015 三の沢上志文第一ダム(1521) 
ため池コード
北海道岩見沢市上志文沢町
石狩川水系志文三の沢川
20メートル
168メートル
710千㎥/475千㎥
北海土地改良区
1924年
◎治水協定が締結されたダム

大正池

2019-10-28 01:13:00 | 北海道
2019年10月19日 大正池
 
大正池は北海道岩見沢市緑が丘の石狩川水系南利別川にかつて存在した灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には北海道の事業で1914年(大正3年)に竣工と記されておりり、完成当時の元号から大正池と名付けられたものと思われます。
長く下流の農地の灌漑用水源となって来ましたが、市街化が進み2009年(平成21年)に水利権が返上されました。
翌2010年(平成22年)には堤体の一部が陥没して貯水が流出、その後堤体は除去され貯水池としての体を成していませんでした。
大正池周辺は1960年代以降、利根別自然公園やいわみざわ公園として整備されてきましたが、大正池の放置は洪水被害の原因につながる恐れがあり、また自然公園としての景観上もそぐわないとの意見から2018年(平成30年)より岩見沢市の事業により大正池復旧事業が着手されています。
竣工の暁には堤高13.5メートル、貯水容量14万立米の修景池として復元される予定です。
ダム番号『0001』番のダムですが、堤高13.5メートルでは河川法上のダムには当たらないため残念ながらダム便覧からは早晩削除されることになりそうです。
 
道道789号線玉泉館跡地公園を南に折れ高速を跨ぐと利根別自然公園に到着します。
すぐそばで復旧工事が行われておりダンプが止まっている場所に堤体が盛り立てられるようです。
 
こちらはかつて堤体が撤去された際にその土捨て場となったところ。
粘土質の土とかき混ぜて遮水ゾーン用の土を生成中です。
 
利根別原生林ウォーキングセンターにはかつて大正池で使用された木樋が展示されています。
 
樽状の木樋の回りをコンクリートで巻き付けた非常に珍しい樋管だそうです。
これが100年間も樋管として機能してきたとは驚きの一言。
 
 
 
 
ウォーキングセンターの男性ガイドさんがから大正池廃止の経緯や、新たな池復旧について詳しく説明していただけました。
利根別自然公園は市街地至近でありながら原生林が残っており、大正池復元の際には再訪してみたいところです。
 
0001 大正池(1520) 
北海道岩見沢市緑ヶ丘
石狩川水系南利別川
---
---
13.5メートル予定
---メートル
‐‐‐‐千㎥/‐‐‐‐千㎥
岩見沢市
1914年 大正池竣工
2009年 水利権返上
2010年 堤体陥没
2023年 修景池として竣工。

幌向ダム

2019-10-27 21:54:11 | 北海道
2019年10月19日 幌向ダム
 
幌向(ほろむい)ダムは北海道岩見沢市毛陽町の石狩川水系幌向川右支流マップ川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
北海道開発局農水部による国営幌向川地区土地改良事業の中核施設として1990年(平成2年)に竣工し、運用開始後は受益団体である北海土地改良区が受託管理を行っています。
穂別ダムの総貯水容量は834万立米と農業用ダムとしては屈指の規模を誇り、幌向川流域の受益農地2427.4ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
栗沢町美流渡で道道38号線を北に折れマップ川沿いを進むと幌向ダムに到着します。
ダム下は幌向ダム多目的広場となっており芝生の広場が広がっています。
堤頂長が440メートルもあり一見高さは感じられませんが、実は堤高が44.4メートルもあります。
またリップラップ上に芝が張られておりぱっと見はアースフィルダムのようです。
多目的広場は夏場にはキャンパーなどでにぎわうようですが、シーズンオフの土曜早朝ということで人気は全くありません。
 
右岸から見た下流面
下流面は芝に覆われ見た目はアースなロックフィルダムです。
 
右岸ダムサイトに管理事務所、駐車場、モニュメンがあります。
このモニュメントは竣工記念碑を兼ねており、裏面にはダム建設までの経緯や諸元などが記されています。
 
管理事務所に掲載された水利使用標識。
 
上流面
こちらは石が積まれロックフィルダムだとわかります。
リップラップは上部に赤色チャートの赤石が積まれたツートンカラー。
 
総貯水容量834万立米の貯水池は灌漑期が終わり空っぽ。
 
天端は立ち入り禁止ですが、事前に見学の許可は得ました。
天端から見たダム下の多目的広場。
最近はクマの出没情報もあるそうです。
 
空っぽのダム湖に聳える取水塔
北海道のダムの秋の風物詩ともいえ、これはこれで絵になります。
取水塔右手足元には土砂吐が見えます。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐。
 
ダム湖右岸には幌向ダム親水公園があり、こちらにはテントが数張り張られていましたが、最近もクマの出没情報があったようでくれぐれも注意したいところです。
 
(追記)
幌向ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0114 幌向ダム(1509) 
北海道岩見沢市毛陽町
石狩川水系マップ川
44.4メートル
430メートル
8340千㎥/8060千㎥
北海土地改良区
1990年
◎治水協定が締結されたダム

千代谷ダム

2019-10-27 17:27:22 | 北海道
2019年10月19日 千代谷ダム
 
千代谷ダムは北海道岩見沢市栗沢町上幌の石狩川水系茂世丑川右支流千代谷川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
千代谷ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で1923年(大正12年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.44ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
 
千代谷ダム天端は関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
道道30号のレストラン『大地のテラス』脇を左折し東に向かい、千代谷川沿いの枝道に入りさらに2キロ進むと千代谷ダムに到着します。
ダム下
下流面は草が伸びています。
 
堤体直下の底樋ゲート。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
水利使用標識。
 
洪水吐に架かる管理橋
車は通れるか?という幅ですが轍があるので軽トラが入ってるんでしょう。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
天端
轍があるのであの狭い管理橋を車で入ってるようです。
 
総貯水容量は62万立米。
水位は低くなっていますが、まだ水が残っています。
 
上流面はコンクリートで護岸
 
左岸に取水設備が見えます。
たぶん多孔式斜樋でしょう。
 
追記(追記)
千代谷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0013 千代谷ダム(1518) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町上幌
石狩川水系千代谷川
19.9メートル
165メートル
620千㎥/550千㎥
北海土地改良区
1923年
◎治水協定が締結されたダム

一の沢ダム

2019-10-27 12:56:31 | 北海道
2019年10月18日 一の沢ダム
 
一の沢ダムは北海道岩見沢市栗沢町茂世丑の石狩川水系茂世丑川支流上幌一の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑溜池が作られました。
一の沢ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で大正末期に着手され1927年(昭和2年)竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地10.49ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
 
一の沢ダム天端への道はは関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
道道30号の茂世丑郵便局の手前を東に折れ、一の沢川沿いのダートの隘路を辿ると一の沢ダムに到着します。 
下流面
草刈りが行われています。
 
水利使用標識。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の洪水吐導流部
堤体に沿ってカーブを描いています。このあたり近接する二の沢ダムとよく似た構造。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
アングルを変えて。
 
洪水吐の上流側にある多孔式斜樋。
 
天端は狭く車が通れる幅はありません。
 
天端からの眺め。
でもやっぱり草はところどころ伸びている。
 
総貯水容量16万8000立米の貯水池
満水、水は抜かれないのでしょうか?
 
底樋は確認しませんでした。
 
(追記)
一の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
  
3356 一の沢ダム(1517) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町茂世丑
石狩川水系上幌一の沢川
17.4メートル
86メートル
168千㎥/140千㎥
北海土地改良区
1927年
◎治水協定が締結されたダム

二の沢ダム

2019-10-27 11:58:21 | 北海道
2019年10月18日 二の沢ダム
 
二の沢ダムは北海道岩見沢市栗沢町茂世丑の石狩川水系茂世丑川支流二の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
二の沢ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧には北海道の事業で1923年(大正12年)着工、1925年(大正14年)竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地32.73ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
二の沢ダム天端への道は関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
 
道道30号の茂世丑郵便局手前を東に折れ二の沢川沿いのダートの隘路を辿ると二の沢ダムに到着します。
下流面
この時期の北海道の溜池は上下流面の草刈りが済んでいるところが多いのですが、ここはまだのようです。
 
堤体直下の底樋樋門。
 
右岸の洪水吐導流部
堤体に沿ってゆるやかにカーブを描いています。
 
右岸洪水吐
洪水吐のコンクリートはまだ白く、最近改修が行われたようです。
 
水利使用標識。
 
上流面
基部はコンクリートで護岸。
 
左岸にある多孔式斜樋。
 
総貯水容量は30万4000立米。
北海道では灌漑期が終わると水が抜かれる池が多いのですが、ここはまだ水が残っています。
 
天端から
右岸の洪水吐からの導流部と左岸の底樋からの水路がダム下で合流、そのまま二の沢川を流下します。
 
天端
轍が残っています。
 
北海道の他の溜池に比べると上下流面ともにちょっと荒れ気味で貯水池に水も残ったままです。
草刈りや水抜きはこれから行われるのでしょうか?
 
(追記)
二の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

3355 二の沢ダム(1516) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町茂世丑
石狩川水系二の沢川
18.4メートル
125.1メートル
304千㎥/270千㎥
北海土地改良区
1925年
◎治水協定が締結されたダム

栗山ダム

2019-10-26 15:57:09 | 北海道
2019年10月18日 栗山ダム
 
栗山ダムは北海道夕張郡栗山町本沢の石狩川水系雨煙別川左支流ポンウエンベツ川上流部にある北海道建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
栗山ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、ポンウェンべツ川および雨煙別川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、栗山町への上水道用水の供給を目的として1995年(平成7年)に竣工しました。
 
道道749号線に栗山ダムを示す標識があります。
ダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート10門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門装備しています。
栗山ダムは堤高31.9メートルに対し堤頂長540メートルの横長ダムで、この写真はダムの一端を捉えているにすぎません。
 
これでもまだ、ダム全体の3分の3ほど。
 
右岸ダムサイトに駐車場と管理事務所があります。
ダムサイトから見た上流面。
 
竣工記念碑。
 
天端は徒歩のみ通行可能ですが、往復すると約1キロになります。
ちょっとわかり辛いんですが天端に『くりやまダム』と書かれています。緊急時上空からダムが視認できるようにしてるんでしょう。
 
ダム下には『栗山ダムパークゴルフコース』が開設され美しい芝が広がっています。
27ホール、パー99の本格的なパークゴルフ場で町民は300円と格安で利用できるため、多くのシニアがプレイをしていました。
 
右岸の管理事務所と艇庫・インクライン。
 
ダム湖は『くりやま湖』で総貯水容量は320万立米。
 
放流するオリフィスゲートと減勢工。
 
横長ダムのため減勢工も横長。
 
北海道には横長ダムは多いのですが、さすがに往復1キロ歩くのは疲れます。
一方ダム下のパークゴルフ場の芝生が夕陽に映えて非常に美しいのが印象的でした。
ダム建設に合わせて周辺が公園として整備される例は各所で見られますが、その多くはあまり利用されず荒廃しているところも散見されます。
しかし栗山ダム下のゴルフ場は平日にも関わらず地元のシニアを中心に大盛況、少子高齢化が進む中愛されるダムの貴重な成功例ではないでしょうか?
 
(追記)
栗山ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0152 栗山ダム(1515) 
北海道夕張郡栗山町本沢
石狩川水系ポンウエンベツ川
FNW
31.9メートル
540メートル
3200千㎥/2700千㎥
北海道建設部
1994年
◎治水協定の締結されたダム

杵臼ダム(再)

2019-10-25 18:23:08 | 北海道
2019年10月18日 杵臼ダム(再)
 
杵臼ダム(再)は北海道夕張郡栗山町字桜山の石狩川水系ポンウェンべツ川支川杵臼川源流部にある灌漑・防災目的のアースフィルダムです。
当地には1926年(大正15年)に建設された桜山池という灌漑用溜池がありましたが、1962年(昭和37年)の大規模改修により杵臼ダムとなりダム便覧ではこの改修を杵臼ダム(元)の竣工年度としています。
現地では今でも桜山池と呼ばれており、国土地理院地形図でも桜山池と記されています。
杵臼川は中小河川ですが河川断面が狭小なため流下能力が不足し、融雪期や豪雨の際にたびたび洪水被害をもたらしてきました。
これを受け北海道は農水省の補助を受けた杵臼ダム再開発事業に着手し2009年(平成21年)に杵臼ダム(再)が竣工しました。
再開発事業では既存の堤体下流面に新たに傾斜遮水ゾーンを持つ堤体を盛り立て堤高を3.25メートル嵩上げし、従来の灌漑用水容量に新たに洪水調節容量が追加されました。
 
道道749号線を北上し、シャトレーゼ栗山工場の手前で道道749号線を東に折れ、そのまま進むと杵臼ダムに到着します。
ダム下および右岸ダムサイトへ向かう道にはそれぞれ害獣防止防止用フェンスがありますが、立ち入り禁止ではありません。
ダム下から
嵩上げ再開発の際に旧堤体上に盛り立てられた部分で、綺麗に草が刈られています。
 
右岸ダム下にある底樋樋門
水路は再開発工事の仮排水路が活用されています。
 
洪水吐減勢工
副ダムには流下用の穴と切れ込みが入っています。
 
ダムサイトに上がります。
貯水池右岸にある多孔式の斜樋。
 
下流面
こちらは再開発で新たに盛り立てられた側になります。
 
洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐
奥の穴は常用洪水吐になります。
 
貯水池は51万4000立米
現地では今でも桜山池と呼ばれています。
 
左岸から下流面
ちょうど堤体の真上を高圧電線が通っています。
 
上流面
段差が付いていますが、実はこの平たん部こそが旧杵臼ダムの堤頂部となります。
 
既存の灌漑用ため池を再開発して防災ダム化した例としては佐賀県の永池ダム(再)があります。
 
0021 杵臼ダム(元) 
北海道夕張郡栗山町桜山
石狩川水系杵臼川
17.4メートル
118メートル
349千㎥/279千㎥
栗山土地改良区
1926年 桜山池竣工
1962年 杵臼ダム(元)竣工
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3304 杵臼ダム(再)(1515)
北海道夕張郡栗山町桜山
石狩川水系杵臼川
FA
27.2メートル
177メートル
514千㎥/451千㎥
栗山土地改良区
2009年 杵臼ダム再開発竣工

旭町第二ダム

2019-10-25 17:57:12 | 北海道
2019年10月18日 旭町第二ダム
 
旭町第二ダムは北海道夕張市旭町の石狩川水系ポンポロカベツ川にある夕張市が管理する上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
明治時代から炭鉱で栄えた夕張では炭鉱会社自らが専用水道の整備を行っていましたが、あくまでも炭鉱及び炭鉱従業員向けの水道でした。炭鉱の繁栄に伴い市域の拡大と人口増加が続く中夕張市は1928年(昭和3年)から公営水道の整備に着手、1941年(昭和16年)に水源地として旭町第一ダムが竣工しました。
戦後の復興を受け昭和30年代には人口が10万人を突破、これに対応するために1970年((昭和45年)に旭町第一ダム直上に建設されたのが旭町第二ダムです。
旭町第一ダム及び第二ダムで貯水された水はダム直下にある旭町浄水場を経て日量平均約1100立米の上水道用水の供給を行っています。
 
夕張警察向かいからポンポロカベツ川沿いを西に進むと旭町浄水場に到着します。
浄水場脇からさらに上流へ向かうと第二ダムがあるのですが、車両は進入禁止、職員さん曰く徒歩でも落石の恐れがあるので立ち入りはお薦めできないとのことだったので、今回は自重しました。
写真は旭町浄水場から第二ダムへ向かう林道入口です。
右手に白い看板がありますが、実はこれ車両進入禁止の警告板だそうで・・・
塗装がはがれて字が読めませんが、まあ普通にここから先に入る人などいないのでしょうね?
 
0080 旭町第二ダム 
北海道夕張市旭町
石狩川水系ポンポロカベツ川
19.6メートル
122メートル
334千㎥/300千㎥
夕張市
1970年