ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

谷山ダム

2017-11-27 15:22:39 | 兵庫県
2017年11月23日 谷山ダム
 
谷山ダムは兵庫県淡路市楠本の楠本川水系楠本川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1970年(昭和45年)に事業着手された農林省(現農水省)の北淡路農地開発事業の中核施設として1972年(昭和47年)に着工、1978年(昭和49年)に竣工しました。
運用開始後は同時期に竣工した常盤ダムともども北淡路土地改良区が受託管理を行い両ダム合わせて約422ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
神戸淡路鳴門自動車道淡路インターから県道157号線を西進、淡路島ゴーカートの先を左折し市道を南下すると大谷池に出ます。池の天端を渡りそのまま直進すると谷山ダム湖が見えてきます。
市道は狭くダム周辺には駐車スペースはないので左岸ダムサイトの路肩に車を止めます。
上流面はコンクリートで護岸され、右岸湖畔にソーラー発電所があります。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端は市道
ダム湖側にフェンスが張られ撮影するのに苦労します。
 
左岸の建屋、漏水計?
 
天端と下流面。
 
下流面
ダム下は谷です。
 
ダム湖は総貯水容量41万2000立米。
 
取水塔かと思いましたが、もしかしたら水位計かも?
別に斜樋がありますが撮影を失念しました。
 
グーグルの航空写真を見ると洪水吐導流部左岸側に揚水機場もしくは放流設備らしき建物が見えますが、立ち入りできませんでした。
 
1496 谷山ダム(1170)
兵庫県淡路市楠本
楠本川水系楠本川
28.2メートル
151.4メートル
412千㎥/387千㎥
北淡路土地改良区
1974年

大谷ダム(大谷池)

2017-11-27 13:47:31 | 兵庫県
2017年11月23日 大谷ダム(大谷池)
 
大谷池は兵庫県淡路市楠本の楠本川水系楠本川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧によれば兵庫県の事業で1970年(昭和45年)に竣工となっており、もともと当地にあった灌漑用溜池が農林省の補助を受けた県の事業で改修されたのが1970年ではないかと思われます。
池の管理者も確認できませんでした。
 
神戸淡路鳴門自動車道淡路インターから県道157号線を西進、淡路島ゴーカートの先を左折し市道を南下すると大谷池に出ます。
右岸から下流面。
訪問時は草刈りは行われておらず草ボウボウ。
 
堤体下に建屋がありますが、廃墟化。
場所的には池のポンプ室か放流設備っぽいのですが・・・?
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸にあるコンクリート構造物
たぶんこれが取水設備。
 
天端からの眺め
やはりダム下の廃墟が気になります。
 
右岸の取水設備横にも建屋があり、こちらも草木が覆い使われている風はありません。
こちらはは取水設備機械室と思われます。
 
天端は市道。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐と総貯水容量22万4000立米の貯水池
 
上流から見た洪水吐。
 
規模的には水利の乏しい淡路島では貴重な灌漑用水源だと思われますが、ポンプ室や取水設備と思しき建屋がどちらも廃墟化しているのは気になるところです。
 
1522 大谷ダム(大谷池)(1169)
兵庫県淡路市楠本
楠本川水系楠本川
16.6メートル
100メートル
224千㎥/200千㎥
管理者未確認
1970年


昭和池

2017-11-27 12:08:11 | 兵庫県
2017年11月23日 昭和池
 
昭和池は兵庫県淡路市岩屋の鵜崎川水系鵜崎川上流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では1944年(昭和19年)に当時の岩屋町の事業によって建設となっています。
池そばに2基の石碑が建ちますが池の由来等についての記述はありません。
管理は受益者組織である昭和池田主が管理を行っています。『田主』というのは当地では管理者という意味のようです。
 
昭和池周辺は兵庫県立淡路島公園として整備され、134ヘクタールの敷地に遊歩道やアトラクション遊具などが整備された広域公園となっています。
天端左岸にある竣工記念碑と不動明王の石碑。
残念ながら池建設に至る経緯や由来等の記述はありません。
 
奇麗に刈り払われた下流面。
 
天端は市道
駐車スペースがないので必ず公園駐車場に車を止めましょう。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
池に架かる塩屋橋
日本で唯一現存するポニートラス橋で登録有形文化財です。
 
左岸奥の端は淡路島公園を周回する遊歩道のふれあい橋。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
塩屋橋。
 
塩屋橋から見た堤体
霞んでいて見づらいですが奥に海が見えます。
 
取水設備・底樋は確認できませんでした。
 
1474 昭和池(1168)
ため池コード
兵庫県淡路市岩屋
鵜崎川水系鵜崎川
23メートル
70メートル
62千㎥/62千㎥
昭和池田主
1944年


白丸調整池

2017-11-14 10:55:59 | 東京都
2017年11月12日 白丸調整池
 
白丸調整池は東京都西多摩郡奥多摩町柳澤の一級河川多摩川本流上流部にある東京都交通局が管理する発電用目的の重力式コンクリートダムです。
1957年(昭和32年)に小河内ダムと同時に運用が開始された東京都交通局多摩川第一発電所の逆調整池及び多摩川第三発電所の取水堰として1962年(昭和37年)に竣工しました。
ここで取水された水は約5キロの導水路で多摩川第三発電所に送られ最大出力1万6400キロワットのダム水路式発電を行っています。
さらに2000年(平成12年)には河川維持放流を利用して最大1100キロワットの小水力発電を行う白丸発電所が増設されました。
一方、多摩川を管理する国交省は2001年(平成13年)に魚道を新設し、白丸ダム魚道として一般公開されています。
 
青梅から国道411号を西進し鳩ノ巣駅を過ぎると左手に白丸魚道入口が現れます。
白丸魚道の駐車場は鳩ノ巣渓谷遊歩道の入口にもなっており、休日は多くのハイカーでにぎわっています。
展望台から堤体を俯瞰。
 
総貯水容量89万3000立米の貯水池は白丸湖と呼ばれています。
クレストにはローラーゲートが2門、堤体上流側には流木やゴミ、資材を運搬するモノレールが設置されています。
 
洪水吐導流部。
 
天端から
名物の魚道が伸びています。
 
天端は鳩ノ巣渓谷遊歩道となっており多くのハイカーが往来します。
 
白丸魚道入口。
 
魚道へ下りる名物のらせん階段
下り一方通行です。
 
下から見上げると・・・。
 
魚道を間近で見ることができます。
 
0693 白丸調整池(1167)
東京都西多摩郡奥多摩町柳澤
多摩川水系多摩川
30.3メートル
61メートル
893千㎥/300千㎥
東京都交通局
1962年

上日川ダム

2017-11-13 14:40:40 | 山梨県
2017年11月12日 上日川ダム
 
上日川ダムは山梨県甲州市塩山上萩原の富士川水系日川源流部にある東京電力リニューアルパワーが管理する発電目的のロックフィルダムです。
ダムの堤頂標高は1486メートルで南相木ダム、野反ダムに次いで日本で3番目に高所にあるダムとなっています。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
首都圏への人口集中や東京湾臨海部への工場集積を受け電力需要のピークが急上昇を続けていた東京電力も1980年代より積極的に純揚水発電所建設を進め、同電力4番目の純揚水発電所として1999年(平成11年)に葛野川発電所が完成します。
上日川ダムは同発電所の上部調整池として同年竣工し、下部調整池である葛野川ダムとの有効落差714メートルを利用して最大120万キロワットの揚水式発電を行っています。
この有効落差は国内水力発電としては最大です、また上日川ダムは富士川水系、葛野川ダムは相模川水系となっており、水系を超えた河川同士での揚水式発電となっています。
なお2020年(令和2年)の東京電力ホールディングスの組織改編により上日川ダム及び関連発電施設はすべて同社の100%子会社である東京電力リニューアブルパワー(株)に移管されました。 
 
国道20号線景徳院入口交差点から県道218号線を北に進むと上日川ダムに到着します。 
ダムに至る日川沿いには武田氏終焉の地である景徳院や竜神峡などの行楽施設があるほか、ダム直上の上日川峠は大菩薩嶺の登山口となっており、ダム周辺は山梨有数のアウトドアエリアとなっています。
天端のみ開放されており、左岸に管理事務所、駐車場があります。
管理事務所前の竣工記念碑。
 
左岸から下流面。
 
天端からは正面に富士山が見えます。
周辺のカラマツの紅葉も真っ盛り。
 
 
総貯水容量1147万立米のダム湖は大菩薩湖と命名され、その名の通りダム湖越しに大菩薩嶺を望めます。
ダム左岸に揚水発電用の取水ゲートがあります。
 
取水ゲートをズームアップ、実際の取水口は水中にあります。
 
 
右岸から下流面。
 
右岸の洪水吐斜水路。
 
横越流式洪水吐。
 
ダム湖北岸から洪水吐を遠望。
 
大菩薩嶺雷岩からの富士山と上日川ダム(2013年6月)。
 
同じポイントから(2014年1月)。
 
2017年(平成29年)11月から上日川ダムのカード配布が始まり、訪問者が増えているようです。
全国で数基しかない天端から富士山が見えるダム、今回は素晴らしい眺望を堪能することができました。
 
追記
上日川ダムは洪水調節機能を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに673万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3106 上日川ダム(1166)
山梨県甲州市塩山上萩原
富士川水系日川
87メートル
494メートル
11470千㎥/8300千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1999年
◎治水協定を締結したダム

小篠溜池

2017-11-13 12:04:17 | 山梨県
2017年11月12日 小篠溜池
 
小篠(おしの)溜池は山梨県大月市猿橋町小篠の相模川水系小篠川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地記念碑によれば1933年(昭和8年)に小篠耕地整理組合の事業によって建設され、1986年(昭和61年)から1990年(平成2年)にかけて農水省の補助を受けた県の事業で大規模な改修工事が行われました。
管理は小篠土地改良区が行っています。
 
国道20号線鳥沢駅手前で南に折れ、桂川(相模川)を渡り小篠集落に入ります。
登山者やハイカーに開放されている小篠公民館駐車場に車を置き歩いて小篠溜池に向かいます。
 
高畑山登山道の標識に従って集落を抜けると車両進入禁止のゲートがあります。
この先は登山道のためゲートを開けて先へ進みます。
 
堤体下に底樋ゲートがあり、農業用水路が流下します。
 
堤体下流面には『おしの』の植栽があり、アジサイや桜が植えられています。
ダム下には簡易上水道施設がありますが、これは溜池の水と関係はありません。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
上流面は黒いゴムシートで遮水処理されています。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
天端には東屋があります
高畑山登山道に隣接しており、早朝にもかかわらず登山者が休憩していました。
 
天端からの眺め
正面には扇山。
 
総貯水容量は14万1000立米。
 
左岸の斜樋。
 
洪水吐の上流側は石積みになっています。
もしや1933年(昭和8年)竣工当時のものか?
 
左岸にある竣工記念碑と改修記念碑。
改修記念碑は円球のユニークな形状。
 
登山ではこの池のそばを何度も歩いていましたが、ダムマニアとしては初めての訪問です。
人気の高畑山登山道に隣接していることもあり、下流面の植栽や天端の東屋などよく整備されています。
 
3431 小篠溜池(1165)
山梨県大月市猿橋町
相模川水系小篠川
27.4メートル
111メートル
141千㎥/134千㎥
小篠土地改良区
1933年