ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

矢方甲池

2017-06-23 11:22:40 | 福岡県
2017年6月16日 矢方甲池
 
矢方池は福岡県築上郡上毛町にある灌漑用アースダムで、甲乙丙3基の溜池で矢方池を形成しています。
このうち甲池のみ堤高が15メートル以上ということで矢方甲池としてダム便覧に掲載されています。
池に設置された説明板によればもともとは地元の庄屋高橋正蔵氏の尽力により1900年(明治33年)に完成、その後数度の改修を経て現在に至っています。ダム便覧では1959年(昭和34年)竣工となっておりここではこれに従います。
現在は受益者で組織される矢方池土木組合が管理を行っています。
 
国土地理院地形図の矢方池
上方から甲乙丙の3基の溜池で構成されています。
 
矢方池堤体中段を大規模農道『京築アグリライン』が通過しており、アプローチは簡単、駐車場も整備されポケットパークのようになっています。
 
駐車場そばには矢方池築造に尽力した高橋正蔵氏を祀る祠が鎮座し、各種記念碑が並んでいます。
 
明治期の矢方池建設風景が彫られた石
往時の苦労がわかります。
 
左岸から
写真では分かりづらいのですが、右岸縁に洪水吐導流部があります。
 
洪水吐導流部
このあと車道を潜って上の写真の右岸縁へと続きます。
 
洪水吐
こちらは原始的な状態のまま。
 
上流面
ここも昔ながらの石積みで護岸されています。
 
天端。
 
下流の眺め
奇麗に整地された水田が並びます
海が見えるとのことですが霞んでおり微妙~。
 
左岸の斜樋。
 
甲池単独としては貯水容量61万立米、3基合わせると70万立米弱となります。
右奥に丙池の堰堤が見えます。
 
祠や多くの記念碑が、いまなお池の築造に尽力した高橋正蔵氏への感謝の念を強く表しています。
歴史の表には現れませんが、全国にある多くの溜池には『公』による支援に頼らなかった『私』の尽力が隠されていることを痛感しました。 
 
2407 矢方甲池(1027)
福岡県築上郡上毛町矢方
佐井川水系吉富川
19メートル
207メートル
矢方池土木組合 
1959年

上ノ河内ダム

2017-06-23 10:43:13 | 福岡県
2017年6月16日 上ノ河内ダム
 
上ノ河内で『うえのかわち』と読みます。
上の河内ダムは福岡県築上郡筑上町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1969年(昭和44年)に福岡県の事業で建設されました。
 
京都郡みやこ町と築上郡上毛町を結ぶ大規模農道『京築アグリライン』を豊前市方面に進み、石堂・上ノ河内トンネルを抜けるとすぐに右折、奥村集落を抜け上河内川沿いに進むと上ノ河内ダム左岸に到着します。
左岸上流側から。
 
左岸に斜樋があります。
 
上流面
草が生えて分かりづらいですがコンクリートで補強されています。
 
天端
轍がありますが対岸でどん詰まり。
 
左岸の洪水吐。
 
ちょっとアングルを変えて。
 
天端から
昔はダム下には畑があったようですが今は放棄され藪になっています。
 
ダムと名がつくものの総貯水容量16万立米の小さな貯水池です。
 
斜樋。
 
堤体直下へ下りる道もありますが草が伸びていたので断念しました。
また2009年(平成21年)にフォトアーカイブスに投稿された写真では下流から撮ったものもありましたが、今はダム下の樹木が成長して見ることができません。 
 
2416 上ノ河内ダム(1026)
福岡県築上郡筑上町上ノ河内
上河内川水系上河内川
20メートル
120メートル 
1969年

小川ダム

2017-06-23 09:10:24 | 福岡県
2017年6月16日 小川ダム
 
小川ダムは福岡県築上郡筑上町にある灌漑用ロックフィルダムで、もともとここにあった小川上池と小川下池という2基の溜池を福岡県の灌漑排水事業で再開発し、1996年(平成8年)に小川ダムとして竣工しました。現在は椎田町小川池土地改良区が管理を行っています。
 
小川ダムの特徴はロックフィルの堤体と洪水吐が地山を挟んで離れているという点です。
ロックフィルダムではたまに見られる構造でたとえば長野県の牧尾ダムや宮城県の相川ダムなどがこういう構造になっています。
地図の赤い部分が堤体、茶色の丸が洪水吐。
 
築上町の中心部椎田から県道234号を南下、下岩丸公民館バス停で左の町道に入ると右手に小川ダムの堤体が見えてきます。
ロックフィルですが、草木が茂りアースというか山の斜面というか?
 
小川ダムの説明板。
 
天端は車両通行可能。
 
総貯水容量98万1000立米と普通の溜池から見るとかなり大規模な貯水池。
 
左岸の洪水吐と斜樋。
 
上流面
草が生えわかりづらいですがロック材が敷かれています。
 
円形の洪水吐
勝手にパイ生地型と呼んでいます。
 
洪水吐と上流面。
 
洪水吐導流部は地山を挟んで堤体から離れダム左手に流下します。
 
減勢工から見上げると
向かって右手は取水設備からの水路 左手が洪水吐導流部になります。
 
追記
小川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2438小川ダム(1025)
福岡県築上郡筑上町岩丸
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
城井川水系小川
37メートル
275メートル
 
椎田小川池土地改良区 
1996年
◎治水協定が締結されたダム

大正池

2017-06-22 16:10:52 | 福岡県
2017年6月16日 大正池
 
大正池は福岡県京都郡みやこ町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1915年(大正4年)に農地整理組合によって建設されました。現在の管理者は確認できません。
 
大正池は京都カントリー倶楽部に隣接しており、ここを目印に向かえばたやすくアプローチできます。国道496号の光冨橋を西に折れ県道240号を西進すると京都カントリー倶楽部の看板が現れます。
これに従って南下するとゴルフ場の正門手前の大正池に到達できます。
 
池左岸に建つ大正池の紀念碑。
 
天端が車道になっており、右岸が京都カントリー倶楽部の正門となります。
 
総貯水容量27万立米の小さなため池
でも取水塔はなかなかシック。
 
天端から
池の下流にはゴルフコースが広がります。
 
下流面 草ボウボウ。
 
上流面
草でわかりづらいんですがコンクリートで補強されています。
 
取水塔をズームアップ。
 
右岸の洪水吐。
 
アングルを変えて
洪水吐周辺だけとってつけたような感じで、洪水吐だけ近年改修されたようです。
 
小さなため池ですが、古い円筒の取水塔がシック。それに溜池周辺の森も自然が残りなかなかいい雰囲気です。ただし隣接するゴルフ場を除けば。
ゴルフ場のそばにあるため池、ゴルフ場の奥にあるため池・・・・最近よく目にする光景です。
ダム便覧には全国で合わせて9基の『大正池』がダムとして掲載されていますが、これでそのうちの4基を訪問したことになります。
 
2374 大正池(1024)
福岡県京都郡みやこ町光冨
祓川水系光冨川
17.2メートル
138メートル
管理者未確認
1915年

伊良原ダム

2017-06-22 14:54:13 | 福岡県
2017年6月16日 伊良原ダム
 
伊良原ダムは福岡県京都郡みやこ町の祓川本流に建設中の福岡県営の多目的重力式コンクリートダムで2017年(平成29年)に竣工予定となっています。
福岡・大分県境にある英彦山付近に源を発しみやこ町から行橋市を南北に貫流する祓川は、急流河川のため豪雨のたびに流域に大きな洪水被害をもたらす一方、夏場には渇水による水不足が頻発していました。
また苅田町から大分県境の吉富町に至る周防灘沿岸地域、いわゆる京築地域は大河がなく、安定した上水道水源の確保が長年の課題となっていました。
そこでこれら諸課題に対処するために福岡県は『祓川総合開発事業』を策定、その中核として建設着手されたのが伊良原ダムです。
しかし土地買収の遅れから工事の進捗が遅延するなか、民主党政権の成立により進行中のダム建設事業の是非が問われる状況となりました。国交省が建設中及び建設予定のダム事業を検証し事業の是非を再検討する中、福岡県はいち早く伊良原ダムの事業継続を決定ししました。
現在伊良原ダムの堤体はほぼ完成、これから試験湛水に進むことになります。
伊良原ダム完成のあかつきには、祓川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、田川地区水道企業団および京筑地区水道企業団への上水道用水の供給を目的とする予定です。
 
伊良原ダムは国道496号線沿いに建設されており、みやこ町から国道496号を南下するとダム建設現場に到着します。
ダム左岸上流に展望デッキが設けられ建設作業を見ることができます。
 
本体のコンクリート打設が終了し、すでに型枠が外されています。
 
いよいよ竣工に向けてカウントダウンというところでしょうか?
 
 
 
ダム建設現場下流(北側)の建設事務所でダムカードをもらうことができます。
 
建設工事もいよいよ大詰めを迎え、これからは試験湛水へと向かうことになります。
 
追記
伊良原ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2441 伊良原ダム(1023)
福岡県京都郡みやこ町犀川下伊良原
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
祓川水系祓川
FNW
 
81.3メートル
339メートル
 
福岡県県土整備部
2017年
◎治水協定が締結されたダム

本庄池副堤2号

2017-06-22 13:55:21 | 福岡県
2017年6月16日 本庄池副堤2号
 
本庄池は福岡県京都郡みやこ町にある灌漑用アースダムで、本堤および2基の副堤によって形成され周辺約420ヘクタールの水田の灌漑用水源となっています。
副堤2号は池の南西に位置し1948年(昭和23年)に竣工しました。
本庄池一帯は県の水環境整備事業により『犀川公園(本庄池公園)』として整備され、貯水池を巡る約3.5キロの遊歩道や親水公園、浮き桟橋、野鳥観察小屋などが設置され、釣りやバードウォッチングのスポットとしても知られています。
 
平成筑豊鉄道田川線犀川駅から県道239号を南下、上本庄交差点を右折すると左手に犀川公園入口が現れます。
地図の赤線が本堤、茶色線が副堤1号、緑線が副堤2号となっています。
 
犀川公園入口すぐを右折、湖畔に沿って反時計回りに進み、副堤1号からそのまま南下すると副堤2号に到着します。
天端は車道で車両通行可能ですが、車道は対岸で終わりその先は遊歩道となっています。
 
副堤2号から見た本庄池。
 
天端からの眺め
ちょうど西向きとなります。
 
下流面
コンクリートで補強されています。
 
湖畔から見た上流面。
 
何かと思ったら野鳥観察小屋でした。
 
副堤左岸に斜樋があります。
ここで取水された水は本庄池西側の水田に送られます。
 
 
本庄池西側から見た副堤2号の堤体。
 
2399 本庄池副堤2号(1022)
福岡県京都郡みやこ町犀川本庄
今川水系喜多良川
16.7メートル
91メートル
みやこ町 
1946年

本庄池副堤1号

2017-06-22 13:00:38 | 福岡県
2017年6月16日 本庄池副堤1号
 
本庄池は福岡県京都郡みやこ町にある灌漑用アースダムで本堤および2基の副堤によって形成され周辺約420ヘクタールの水田の灌漑用水源となっています。
副堤1号は池の北西に位置し、1946年(昭和21年)に竣工しました。
本庄池一帯は県の水環境整備事業により『犀川公園(本庄池公園)』として整備され、貯水池を巡る約3.5キロの遊歩道や親水公園、浮き桟橋、野鳥観察小屋などが設置され、釣りやバードウォッチングのスポットとしても知られています。
 
平成筑豊鉄道田川線犀川駅から県道239号を南下、上本庄交差点を右折すると左手に犀川公園入口が現れます。
地図の赤線が本堤、茶色線が副堤1号、緑線が副堤2号となっています。
 
本堤から見た副堤1号
ほぼ西向きの方角となります。
 
ズームアップ
アンテナの立つ奥の山は飯岳山で、山の向こう側に本庄池の前に訪問した呉ダムがあります。
 
さらにズームアップ。
 
本堤から反時計回りに池の北西に向かうと副堤1号に到着します。
天端は道路で車両通行可能。
 
上流面。
 
天端からの眺め
直下に小さな畑があります。
 
副堤1号からの本庄池
奥に本堤が見えます。
 
下流面。
 
2398 本庄池副堤1号(1021)
福岡県京都郡みやこ町犀川本庄
今川水系喜多良川
16.2メートル
89メートル
みやこ町 
1948年

本庄池本堤

2017-06-22 11:24:50 | 福岡県
2017年6月16日 本庄池本堤
 
本庄池は福岡県京都郡みやこ町にある灌漑用アースダムで戦争を挟んで建設工事が続き終戦直後の1946年(昭和21年)に竣工しました。
本庄池は本堤および2基の副堤によって形成され周辺約420ヘクタールの水田の灌漑用水源となっています。
本庄池一帯は県の水環境整備事業により『犀川公園(本庄池公園)』として整備され、貯水池を巡る約3.5キロの遊歩道や親水公園、浮き桟橋、野鳥観察小屋などが設置され、釣りやバードウォッチングのスポットとしても知られています。
 
平成筑豊鉄道田川線犀川駅から県道239号を南下、上本庄交差点を右折すると左手に犀川公園入口が現れます。
地図の赤線が本堤、茶色線が副堤1号、緑線が副堤2号となっています。
 
公園入口にある案内板。
 
まずは本堤から見学をしてみます
左岸にある竣工記念碑。
 
竣工記念碑のそばには斜樋があります。
本庄池には取水設備が複数あり、ここで取水された水は本庄池東部に広がる水田に供給されます。
 
本庄池は総貯水容量160万立米と溜池としては大規模な部類です。
 
天端からの眺め
ちょうど東向きになります。
 
天端は車両通行可能。
 
本堤は堤頂長429メートルとかなり長く、中央で屈曲して『L』字型になっています
上流面はコンクリートで補強、左奥に見えるのが副堤1号です。
 
副堤1号をズームアップ。
 
左岸から上流面
ここから見ると『L』字になっているのがよくわかります。
 
最後に下流面。
 
そういえば本庄池には洪水吐が見当たりませんでした。
 
2397 本庄池本堤(1020)
福岡県京都郡みやこ町犀川本庄
今川水系喜多良川
19.2メートル
429メートル
みやこ町 
1946年

呉ダム

2017-06-21 15:44:15 | 福岡県
2017年6月16日 呉ダム
 
呉ダムは福岡県田川郡香春町にある灌漑用アースダムで、福岡県の事業により1970年(昭和44年)に竣工しました。現在は香春町産業振興課が管理を行っています。
 
行橋から国道201号線を西進し、新仲哀トンネルを抜けるとすぐに左折、そのまま町道を南下すると正面に呉ダムの堤体が見えてきます。
ダム手前の建物は鯉の養殖場です。
 
そのまま町道を進むとダム左岸に到着します。
洪水吐とコンクリートで補強された上流面。
 
洪水吐。
 
 
総貯水容量41万4000立米の貯水池
ダム湖上流には呉ダム渓流公園が整備されています。
 
天端からの眺め
右手に鯉の養殖場があります。
 
右岸の取水設備。
 
天端。
 
右岸から上流面。
 
右岸にある竣工記念碑
よく見ると揮毫部分は金箔?仕様。
 
予習不足で、上流の渓流公園はスルーしてダムを立ち去ってしまいました。
 
追記
呉ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
2418 呉ダム(1019)
福岡県田川郡香春町鏡山
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
遠賀川水系金辺川
24.5メートル
154.9メートル
千㎥/千㎥
香春町産業振興課 
1970年
◎治水協定が締結されたダム

御清水池

2017-06-21 14:26:38 | 福岡県
2017年6月16日 御清水池
 
御清水池で『おしょうずいけ』と読みます。
御清水池は福岡県行橋市入覚にある灌漑用アースダムで、福岡県の灌漑排水事業により1969年(昭和44年)に竣工しました。その後2001年(平成13年)に大規模な改修が行われ現在に至っています。
御清水池の受益者は行橋市、みやこ町、苅田町に跨りまたがり現在は行橋市御清水池土地改良区が管理を行っています。
 
御清水池は県道250号線沿いにありアプローチは簡単ですが、近くに駐車スペースがないので苦労しました。
県道沿いに建つ立派な竣工記念碑。
 
堤体左岸側に東屋があり改修記念碑があります。
 
上流面はコンクリートブロックで補強されています。
 
左岸の斜樋
こちらで取水された水は御清水池南側のみやこ町の農地に送られます。
 
堤体直下の放流設備。
 
天端は九州自然歩道になっています。
 
池の総貯水容量は71万2000立米。
池の三方がコンクリートで補強されています。
 
上流面。
 
堤体直下には太陽光パネルが並びます。
パネルのすぐ先からみやこ町となります。
 
対岸(貯水池北岸)にも大きな斜樋があります。
ここで取水された水は行橋市と苅田町の農家に供給されます。
 
ひと通り見たところこの池には洪水吐が見当たりません。
見落としたのか?それとも取水設備が洪水吐を兼ねているのか?
 
2417 御清水池(1018)
福岡県行橋市入覚
長峡川水系内蔵川
19.2メートル
167.5メートル
行橋市御清水池土地改良区 
1969年

山口ダム

2017-06-21 13:24:56 | 福岡県
2017年6月16日 山口ダム
 
山口ダムは福岡県京都郡苅田町にある灌漑用アースダムで福岡県の事業で1996年(平成8年)に整備され、苅田町土地改良区が管理を行っています。
 
苅田町中心部から県道64号を西進、殿川ダムを過ぎ京都トンネルを抜けると眼下に山口ダムが見えてきます。
 
左岸路肩に車を止めてダムを見学します。
堤頂長は475メートルとかなり長く、堤体は2か所で『へ』の字型に屈曲しています。
上流面はコンクリートブロックで補強されています。
 
ダム下流は扇状地になっており水田が延々と続きます。
 
総貯水容量は80万立米
山の向こう側は石灰岩の採石場です。
 
貯水池北岸にある取水設備。
 
堤頂を歩き右岸までやってきました
洪水吐が見えます。
 
右岸から見た上流面。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐。
 
堤体直下から
向かって左手は洪水吐、建物は利水放流設備のようです。
 
堤頂長475メートルと灌漑用アースダムとしてはかなり長い堤頂のダムです。
かつてはバス釣りスポットとして有名だったようですが、今は釣り禁止となっています。
 
追記
山口ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2435 山口ダム(1017)
福岡県京都郡苅田町山口
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
長峡川水系箕田川
24メートル
475メートル
 
苅田町土地改良区
1996年
◎治水協定が締結されたダム

殿川ダム

2017-06-21 11:30:20 | 福岡県
2017年6月16日 殿川ダム
 
殿川ダムは福岡県京都郡苅田町にある工業用水目的のアースダムです。
苅田町は日本有数の石灰岩資源を有するカルスト台地平尾台を控え戦前からセメント産業が盛んでした。戦後臨海部の長浜地区を埋め立て新たな工業団地を造成するにあたり、その工業用水の水源として1966年(昭和41年)に福岡県企業局によって建設されたのが殿川ダムです。
 
門司方面から国道10号線を南下し京町1丁目交差点を右折、県道64号を西進すると殿川ダムに到着します。
右岸から下流面
通常この時期のアースダムは草が伸びていることが多いんですが、さすが県管理のダム、奇麗に刈り払われています。 
 
天端は奥にある寺院参詣者以外車両進入禁止。 
 
左岸の洪水吐と斜樋。
 
ダム湖は総貯水容量125万立米。
奥に宇部興産の石灰岩採石場が見えます。
 
天端からは長浜地区の工場群と海が見えます。
 
ダム湖右岸奥には相円寺というお寺と鍾乳洞があります。
 
左岸洪水吐導流部
この時期は葉が茂りだめですね。
 
洪水吐、奥はトイレですが、汚れていて使う気にはなれません。
 
洪水吐と上流面。
 
斜樋。
 
てっきり灌漑用アースダムだと思いこんでいた殿川ダム。
帰宅後改めてダム便覧を見たら目的は『I』でした。
でもおかげで苅田町臨海部に広がる工業団地についても知識を得ることができました。
 
2415 殿川ダム(1016)
福岡県京都郡苅田町南原
殿川水系殿川
37メートル
210メートル
福岡県企業局
1966年
◎海が見えるダム

昭和池

2017-06-20 22:21:58 | 福岡県
2017年6月16日 昭和池
 
昭和池は福岡県北九州市小倉南区にある灌漑用アースダムで県の事業で終戦間際の1944年に(昭和19年)に建設されました。その後1983年(昭和58年)にかけて大規模な改修工事が行われ現在は曽根中央土地改良区が管理を行っています。
左岸に竣工当時の練石積み余水吐と石製トンネルが保存されており、Cランクの近代土木遺産に指定されています。
 
門司方面から国道10号線を南下し朽網交差点を右折、日豊線の踏切を抜け東九州道の高架橋を潜れば昭和池に到着します。
今回は左岸から見学スタート。
ダム下は桜の公園、下流面にはツツジが植えられています。
 
竣工当時からある左岸の洪水吐の説明板
戦時中に建設されたため物資不足から御影石を使って建設されました。
 
しかし肝心の洪水吐はフェンスが邪魔してよく見えません・・・・。
奥に斜樋があります。
 
こちらは右岸の洪水吐
1983年(昭和58年)の改修で新設されたものです。
これにより放流量が大幅にアップしました。
 
総貯水容量は76万立米
湖畔を一周する道路では周辺住民の皆さんが多数朝の散歩を楽しんでいました。
 
右岸高台に駐車場がありダムを俯瞰できます。
 
下流面。
 
左岸洪水吐と斜樋
洪水吐と上流面は戦時中の物資不足を受け、近くで産出される御影石を使って建設されました。
現在も一部が当時のまま残っています。
 
昭和池の案内板。
 
記念碑。
 
御影石の洪水吐がポイントのようですがフェンスに邪魔されてよく見えないのが残念。
ダム下は桜、下流面はツツジが植えられており、それぞれ満開のころは見物客も結構集まるそうです。
なおダム便覧では全国で9基の昭和池がダムとして掲載されていますが、今回でそのうちの6基を訪問、残りは京都府、淡路島、山口県の3基となりました。
 
2394 昭和池(1015)
福岡県北九州市小倉南区朽網
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
朽網川水系朽網川
19.1メートル
100メートル
㎥/㎥
曽根中央土地改良区
1944年

松ヶ江ダム

2017-06-20 16:34:22 | 福岡県
2017年6月16日 松ヶ江ダム
 
松ヶ江ダムは福岡県北九州市門司区畑の谷川水系谷川にある北九州市上下水道局が管理する上水目的の重力式コンクリートダムです。
旧門司市では1911年(明治44年)に近代水道事業が開始され、受水量の増加に合わせて数次にわたる拡張事業が実施されました。
松ヶ江ダムは高度成長を真っただ中の1960年(昭和35年)に門司市水道局によって建設され、その後の合併により現在は北九州市上下水道局が管理しています。
現地のプレートには『松ヶ江貯水池』と記載されていますが、ダム所在地の地名から現地では『畑貯水池』の呼び名が一般的で、国土地理院地形図でも『畑貯水池』と記されています。
 
ダム下流に小さな溜池がありそこからダムを遠望できます。
洪水吐はクレスト自由越流頂4門だけ、昭和30年代らしくゲート上部だけ高くなっています。
登り始めた朝日を受けて堤体が赤く染まります。


ダムの手前に橘曼陀羅寺というお寺があり、寺の山門前の車止めを抜け200メートルほど歩くと右岸ダムサイトに到着します。
特に立ち入り規制はありません。


親柱に嵌め込まれたプレート
門司市水道局松ヶ江貯水池と記されています。


上流面
水位は低め
戦前の石積み堰堤でよく見られる円形の取水設備。


ここだけ切り取ると戦前のダムのようです。


天端はゲート部分だけ高くなっています。
高欄にも簡単ながら装飾が施されています。




減勢工
ダムの直下には溜池があり、足元の水たまりもその一端。


こちらは放流設備で、浄水場には専用管で送られる一方河川維持放流が行われています。


天端からは朝日に輝く周防灘が見えます。


総貯水容量は157万9000立米
ダム湖周辺は鬱蒼とした自然林で囲まれています。


2408 松ヶ江ダム(1014)
福岡県北九州市門司区畑
谷川水系谷川
47メートル
205メートル
1579㎥/1500㎥
北九州市上下水道局
1960年