ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

極楽寺池

2017-04-20 21:52:41 | 岡山県
2017年4月12日 極楽寺池
 
岡山県苫田郡鏡野町の苫田ダムの東には堤高15メートル以上の灌漑用アースダムが東西に3基並びますが、そのうち一番東にあるのが極楽寺池です。ダム便覧によれば1943年(昭和18年)に上森原地区によって建設され、1990年(平成2年)に岡山県のため池等整備事業で大規模な改修が行われました。
現在は極楽寺池用水管理組合が管理を行っています。
 
院庄から国道179号を北上し鏡野町上森原で極楽寺の標識に従って右折すると極楽寺池に到着します。
堤体下は小さな公園のようになっておりソメイヨシノが一株満開の花を咲かせています。
 
左岸の洪水吐 奇麗な鱗紋を見せながら越流しています。
 
堤体下部に取水設備からの底樋吐口があります。
 
洪水吐はそのまま森原川となり川の右手に灌漑用水路が伸びています。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
 
天端からの眺め。
 
貯水容量は12万1000立米
貯水池上流には溜池の名前の由来となった極楽寺があります。
 
天端はアスファルト、でも対岸で行きどまり。
 
左岸洪水吐。
 
右岸道路わきに建つ改築記念碑。
 
帰宅後気がつきましたが取水設備の確認を忘れてしまいました。
 
1864 極楽寺池(0954)
ため池コード
岡山県苫田郡鏡野町上森原
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系森原川
19メートル
72メートル
千㎥/千㎥
極楽寺池用水管理組合
1943年


津川ダム

2017-04-20 17:52:40 | 岡山県
2017年4月12日 津川ダム
 
津川ダムは岡山県津山市の吉井川水系加茂川左支流津川川にある岡山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
鳥取県境に源を発し津山市を南北に縦断して吉井川にそそぐ加茂川は豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらす一方、少雨の際にはすかさず渇水となり干ばつ被害も頻発していました。
これらの諸課題に対処するため岡山県は加茂川総合開発事業を策定、1966年(昭和41年)に加茂川右支流の倉見川に黒木ダムを建設、さらに1995年(平成7年)に加茂川左支流の津川川に建設されたのが津川ダムです。
津川ダムは津川川および加茂川の洪水調節、既得取水権への補給と河川流量の維持、岡山県水道事業団および津山市への上水道用水の供給を目的とするほか岡山県企業局津川発電所で最大360キロワットの発電を行っています。
 
県道6号から『ラビンの里』の標識に従って県道450号を東進、津川川沿いに進むと津川ダムに到着します。
左岸から下流面
6門の自由越流式洪水吐のクレストとオリフィスゲートがあります。
 
管理事務所やエレベーター棟、取水設備機械室は水色の屋根で統一されています。
 
天端は車両通行可。
 
減勢工
副ダム左側が発電所です。
 
ダム下は公園になっています
また『ラビンの里』として宿泊施設やキャンプ場が設置されています。
 
総貯水容量599万立米のダム湖は特に名前はありません。
 
右岸のインクラインと艇庫
隣の滝は支流からの流路です。
 
ダム湖上流から
余計な施設がなくすっきりとした堤体です。
 
下流から。
 
ダムの各所には津川ダム周辺の風景をモチーフにした装飾や陶板が設置されています。
 
 
 
追記
津川ダムには350万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに135万3000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1907 津川ダム(0953)
岡山県津山市奥津川
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系津川川
FAWP
76メートル
228メートル
千㎥/千㎥
岡山県土木部
1995年
◎治水協定が締結されたダム


黒木ダム

2017-04-20 16:03:51 | 岡山県
2017年4月12日 黒木ダム

黒木ダムは岡山県津山市の吉井川水系加茂川右支流倉見川にある岡山県農林水産部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
鳥取県境に源を発し津山市を南北に縦断して吉井川にそそぐ加茂川は河床勾配がきつく大雨の際には急激に水量が増加し流域に大きな洪水被害をもたらしました。
一方で少雨の際にはすかさず渇水となり干ばつ被害も頻発していました。
これらの諸課題に対処するため岡山県は加茂川総合開発事業を策定、1966年(昭和41年)に加茂川右支流に建設されたのが黒木ダムです。
黒木ダムは加茂川の洪水調節、加茂川流域の農耕地へのかんがい用水の供給、津山市への上水道用水の供給を目的とするほか4240メートルの導水路で岡山県企業局加茂発電所に送水され最大1万4000キロワットの発電を行っています。さらに1979年(昭和54年)には岡山県企業局黒木堰堤発電所が増設され河川維持放流を利用して最大100キロワットの小水力発電を行っています。
 
津山市加茂から倉見川沿いに県道を北上すると黒木ダムに到着します。
県道わきから堤体下流が見えますが立ち入り禁止のためせっかくの放流も見えそうで見えない状態です。
 
県道を進むとそのまま天端が県道になっています。
左岸の竣工記念碑。
 
1966年(昭和41年)竣工ということでコンクリートには時代感が溢れています。
 
親柱の黒木堰堤の銘板もシック。
 
天端は県道が走っています
右手は取水設備機械室。
 
 
減勢工
オリフィスゲートから放流しています。
 
 
右岸から
対岸に管理事務所と艇庫があります。
 
上流から
左手は取水設備
クレストにラジアルゲートが3門あります。
 
(追記)
黒木ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1876 黒木ダム(0952)
岡山県津山市加茂町黒木
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系倉見川
FAWP
53メートル
193メートル
千㎥/千㎥
岡山県農林水産部
1966年
◎治水協定が締結されたダム


鎮守池

2017-04-20 14:49:01 | 岡山県
2017年4月12日 鎮守池
 
岡山県津山市から奈義町に至る津山盆地東部は県内有数の溜池密集地帯となっており、その中で堤高15メートルを超える5基のアースダムがダム便覧に掲載されています。
鎮守池も5基のうちのひとつで津山市新野山形地区にあり、ダム便覧によれば1926年(大正15年)に建設されました。
現地の標識によれば勝北地域活動組織が管理を行っています。
 
前日訪問した権兵衛池から市道を北上、道路に設置された害獣防護ゲートを抜けた先のヘアピンカーブからダートの道路を100メートルほど進むと鎮守池に到着します。
天端の先、左手に山形八幡宮の鎮守の森がありこれが鎮守池の由来になっているようです。
 
左下が洪水吐、桟橋のような構造物の先に池栓があります。
 
 
洪水吐導流部。
 
天端からの眺め
眼下には津山盆地と多くの溜池が見えます。
 
下流面。
 
貯水容量6万立米の小さな溜池です。
 
1846 鎮守池(0951)
ため池コード
岡山県津山新野山形
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系山形川
39メートル
105メートル
千㎥/千㎥
管理者未確認
1926年


塩手池

2017-04-20 13:08:22 | 岡山県
2017年4月12日 塩手池
 
塩手池は岡山県津山市の東端、旧勝北町にある灌漑用アースダムです。
塩手池の歴史は古く江戸時代前期に津山藩2代藩主の森長継によって築造されたといわれています。その後大正末期から昭和にかけて大規模な改修が行われ、ダム便覧の竣工年度はこの改修が終わる1929年(昭和4年)となっています。その後1995年(平成7年)にも岡山県のかんがい排水事業により改修が行われ現在に至っています。
塩手池の管理は周辺の多数の溜池ともども塩手池土地改良区が行っています。
塩田池の総貯水容量は145万5000立米と溜池王国岡山県の中でも最大規模を誇り、貯水池周辺は塩手池公園として親水公園やサイクリングコース、パターゴルフ場などが整備されています。
 
塩手池の天端を県道450号線が通っておりアプローチは簡単です。
堤体下流面を市道が斜行しており右手に機場があります。
堤体にはひらがなで『しおていけ』と植栽されていますが、この位置からではよく見えません。
 
アングルを変えて。
 
左岸の洪水吐
池のサイズに比べると規模の小さい洪水吐です。
 
特徴ある斜樋の操作室。
 
斜樋の右手が洪水吐に続きます。
 
上流面と天端
天端を県道450号が通っています。
 
湖畔の桜が満開です
天端は公園になっており上流面から下流面はかなりの幅があります。
 
灌漑用溜池としては岡山県最大規模を誇る貯水池
対岸の建物は老人ホームです。
 
右岸から上流面。
 
湖畔の親水公園。
 
歴史、規模ともに岡山県を代表する灌漑用ため池です。
本当なら天気のいい日にお弁当でも持参して一日のんびり過ごしたい、そんな塩手池です。
一昨年10月から始めたダム巡りですが、この塩手池が950基目のダムとなりました。
 
1854 塩手池(0950)
ため池コード
岡山県津山市市場
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系広戸川
22.1メートル
200メートル
千㎥/千㎥
塩手池土地改良区
1929年


那岐池

2017-04-20 02:38:08 | 岡山県
2017年4月12日 那岐池
 
岡山県津山市から奈義町にかけての津山盆地東部は県内有数の溜池密集地となっており、うち堤高15メートル以上の溜池が5基ダム便覧に掲載されています。
那岐池は5基のうち最東端の勝田郡奈義町の滝川に位置する灌漑用アースダムで、1942年(昭和17年)に岡山県の事業で建設されました。
那岐池の北側は陸上自衛隊の演習場になっており砲撃訓練の影響で保水力が落ち那岐池の堤体や取水設備にも影響を及ぼしました。そこで1987年(昭和62年)から防衛施設庁による障害防止対策事業として『那岐池改修事業』が策定され、防衛施設省の補助を受けた県の事業として大規模な改修工事が行われ1994年(平成6年)に竣工しました。
現在は那岐池土地改良区が管理を行っています。
 
国道53号線滝本交差点に那岐池を示す標識がありこれに従って北に進むと那岐池が見えてきます。
堤体は『ヘ』の字型に折れ曲がっています。
 
左岸に洪水吐があり右岸の取水設備からの水路が合流しています。
 
左岸の洪水吐
越流堤に切れ込みが入り越流面が2段になっています。
 
アングルを変えて。
 
貯水容量74万8000立米と比較的大規模な溜池
手前に中の島があります。
 
堤体は『へ』の字に屈曲、上流面はコンクリートで補強されています。
 
堤体下の桜も満開
下流には区画整理された農耕地が続きます。
 
右岸の取水塔 赤い橋梁と屋根が目立ちます
貯水池の背後には陸上自衛隊日本原演習場が続いています。
 
左岸ダムサイトにある立派な石碑。
1994年(平成6年)の改修で建てられたものです。
 
右岸から下流面
犬走りを挟んだ3段構成 奇麗に刈り払われています。
 
3471 那岐池(0949)
ため池コード
岡山県勝田郡奈義町滝本
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系滝川
29メートル
349メートル
千㎥/千㎥
那岐池土地改良区
1942年


西原ダム

2017-04-20 01:34:52 | 岡山県
2017年4月12日 西原ダム
 
西原ダムは岡山県勝田郡奈義町の吉井川水系淀川左支流長谷川にあるロックフィルダムで、農水省の農地開発事業勝英地区の中核施設として1976年(昭和51年)に建設されました。
勝英土地改良区管内の525ヘクタールの農耕地に灌漑用水を供給するほか隣接する西原浄水場を経て上水道用水と工業用水の供給を行っています。
ダムは勝英土地改良区が受託管理を行っています。
 
国道53号線の行方郵便局から県道356号を南下し、最初の分岐を左折します。
段丘に上る途中で西原ダムの洪水吐導流部を跨ぎます。
 
右岸ダムサイトに大きな駐車場があり竣工記念碑が立っています。
隣には『名勝 西原ダム』の標柱  観光名所なんでしょうか?
 
駐車場の脇の管理事務所。
 
右岸の洪水吐
といっても洪水吐は堤体とは離れた場所にあります。
 
アングルを変えて
洪水吐脇の桜は満開。
 
洪水吐導流部
下の道から撮ったのが一番上の写真です。
 
上流面。
 
昨年の鳥取県中部地震で堤体にひび割れが発生したため補修工事がおこなわれており天端は立入禁止。
 
下流面。
 
ダムに隣接する西原浄水場
ここから上水道用水と工業用水が供給されています。
 
名勝の碑があるように湖面越しの大別当山の眺めはなかなかのもののようです。
現在は補修工事のため天端への立ち入りは制限されていますが、幸い漏水等の被害はないようです。
いち早い復旧が望まれるところです。
 
(追記)
西原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1884 西原ダム(0948)
岡山県勝田郡奈義町西原
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
吉井川水系長谷川
AWI
46.1メートル
192.3メートル
千㎥/千㎥
勝英土地改良区
1976年
◎治水協定が締結されたダム