ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

小牧ダム

2016-09-30 13:11:57 | 富山県
2016年9月21日 小牧ダム
 
小牧ダムは富山県砺波市庄川町の庄川本流にある関西電力の発電用重力式コンクリートダムです。
富山県出身で日本セメント(現太平洋セメント)の創始者となる浅野総一郎が設立した庄川水力電気により1925年(大正14年)に小牧ダムは着工されます。その後庄川水力電気の親会社となる当時の5大電力の一つ日本電気主導で事業が進められ、途中筏により木材の運搬を行っていた木材業界との『庄川流木争議』などの障害を乗り越え、1930年(昭和5年)に無事小牧ダムと小牧発電所が完成しました。
竣工当時には木材業者を保護する観点から木材運搬用設備や当時としては画期的なエレベーター式魚道を備えていました。
小牧ダムを含めた庄川流域の電力事業は、戦中戦後の日本発送電時代を経て関西電力が継承、現在は小牧発電所で最大8万2200キロワットの発電を行っています。
小牧ダムはその歴史的な価値から登録有形文化財に指定されるとともに近代土木遺産に選定されています。
また小牧ダムによって誕生したダム湖は『庄川峡』として富山県を代表する観光スポットの一つとなっています。
 
砺波から国道156号を南下、庄川温泉を過ぎ国道471号を分けると小牧ダム左岸ダムサイトに到着します。
左岸から
堤体から桟橋の様にダム湖に伸びる設備はかつての筏運搬設備の遺構のようです。
 
クレストにずらっと並ぶ17門のラジアルゲートは圧巻の一言です。
79.2メートルの堤高は当時としては比類の高さを誇るダムでした。
 
 
天端は開放され歩行での通行ができます。
 
減勢工。
いかにも大正末期から昭和初期といった形状です。
 
堤体に開いた穴は建設時に使用した横抗の遺構です。
 
ダム直下右岸に温泉があります。
 
右岸から
手前に見える導流壁がエレベーター式魚道の遺構。
 
上流面。
 
左岸下流から。
 
下流の日帰り入浴施設から。
 
0816 小牧ダム(0594)
富山県砺波市庄川町小牧
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
庄川水系庄川
79.2メートル
300.8メートル
㎥/㎥
関西電力(株)
1930年
◎治水協定が締結されたダム


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