とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』を見ました。

2024-07-25 15:33:30 | 映画
映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』を見ました。軽みのある、しかし心にしみる映画です。私の好みの映画でした。

定年退職し妻モーリーンと平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライのもとに、思いがけない手紙が届きます。差出人はかつて一緒に働いていた同僚クイーニーです。北の街のホスピスに入院中なのですが、彼女の命はもうすぐ尽きようとしているという内容です。ハロルドは励ましの返事を書き、それを出そうと家を出るのですが、ガソリンスタンドの店員に言われた言葉に促され、800キロ離れた場所にいるクイーニーのもとを目指してそのまま手ぶらで歩き始めるのです。そこまですることに最初は違和感を覚えるのですが、次第にその理由が分かってきます。

道中、ハロルドの行動はニュースに紹介され、巡礼の旅として注目されます。しかしそれはハロルドの望んだものではありません。ハロルドは自分の事情にもう一度立ち戻り、自分を取り戻し、クイーニーに出会うのです。

人間には後悔しても後悔しきれないことがあります。しかしそれはしょうがないことです。それを抱えて自分の人生を意味のないものにしてはいけないのです。自分勝手かもしれませんが、なんとか折り合いをつけて前を向かなければならないのです。

生きててつらいと感じる人に寄り添ったいい映画でした。
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映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」を見ました。

2024-07-19 06:46:14 | 映画
坂本龍一さんの最後のピアノソロ演奏を記録した映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」を見ました。音楽に身をゆだねる時間のすばらしさを実感できました。

知っている曲が6割ほど。初めて聞く曲もあります。知っている曲はそれを聞いていたころの思い出や、そこから生まれて来るさまざまな感慨が浮かんできます。心地のいい時間が過ぎていきます。初めて聞く曲は曲に集中していきます。次に来る音を想像し、想像を裏切る展開に喜びを見つけ、緊張感を味わいながら聞いていきます。生きている時間の貴重さが心に沁み込んでいきます。

昔、仙台で大貫妙子さんが坂本龍一さんのピアノだけで歌うコンサートがあり、それを聞きに行きました。12月で仙台市の夜はは有名な「光のページェント」で輝いてゐます。その光のページェントについて坂本さんは、「やめればいいのに」と言って大貫さんに「コラコラ」とたしなめられていました。余計なエネルギーを使うなという意図だったのですが、それがとても印象に残っています。

未来に何を残すべきか。帰り道そのことを考えていました。

坂本さんは亡くなりましたが、坂本さんの音楽は残り続けます。
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映画『スクラッパー』を見ました。

2024-07-08 16:36:02 | 映画
ぎこちない父娘を描くイギリス映画『スクラッパー』を見ました。不器用な親子の不器用な生き方がいとおしくなる映画です。

母を亡くし、アパートにひとりぼっちで暮らす少女ジョージーは自転車を盗んで、それを売ってなんとか生活しています。日々の生活はトラブルがたえません。そんなジョージーのもとに、ずっと行方がわからなかった父ジェイソンが突然訪ねてきます。ジャージーは父親が許せず、絶対に気をゆるしません。しかしぶつかり合いながらも、お互いがお互いを必要としていることに気付いていきます。

ジャージーにとっては母の死を受け入れるためには父が必要だったのです。そしてそれが出来た時、ジャージーは大人になります。同時にジェイソンも親としての自覚が生まれます。やっと本当の父として娘と向き合うことができるようになったのです。

ふたりの関係は不器用ですが、それこそ本当の家族の関係のように感じられました。生の人間を感じる佳作です。
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映画『あんのこと』を見ました。

2024-07-06 13:43:54 | 映画


映画『あんのこと』を見ました。家族に恵まれず、そして周囲の偽善に翻弄される純粋な子どもの悲劇を描いた映画です。現実のいやらしさを直面させられる映画でした。

主人公あんの母親は、暴力であんを自分の思うようにしてしまう女だった。あんは小さいころから売春を強要され、薬物にも手を出すことになる。そんなあんをある刑事が構成させようとする。刑事は薬物依存の人たちの更生を支援する団体を主宰し、定期的に集まり、優しく前を向かせようとする。あんは刑事やその他の支援者の助けもあり、家を出ることに成功し、仕事に就くことができ、夜間中学にも通うことができる。あんは前を向き生き始める。ある日あんの部屋に見知らぬ女が来て、しばらく預かってくれと言って、小さい子供を置いてアパートを出て行く。一瞬の出来事にあんは母親を追うことに失敗し、しかたなく子どもを育てることになる。あんはなんとか子どもを育てる。いつしか母性が目覚め、子どもを話せなくなる。その時、あんの母親があんを見つける。あんに再び売春を強要する。あんが戻ったとき、すでにこどもはいなくなっていた。あんが売春をしている間に、母親は子ども鳴き声がうるさいと、子どもを児童相談所に引き取らせていたのだ。

この映画に出て来る大人たちは結局打算的にしか生きていなません。自分勝手なのです。その大人たちの汚れた心になんども翻弄されながらも、あんは自分の純粋な心をなんども取り戻ます。その姿が感動的です。

刑事も新聞記者も結局は自分のためにだけしか生きていません。悲しいことに子どもの純粋な心は大人はもう失っているのです。だからこの国は不正が絶えないのだと思います。子どもが大人になってもきれいな心を持っていられること、それが大切なことだし、そういう風に育てることが教育の使命だと思います。


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映画『あんのこと』を見ました。

2024-07-06 13:43:54 | 映画
映画『あんのこと』を見ました。家族に恵まれず、そして周囲の偽善に翻弄される純粋な子どもの悲劇を描いた映画です。現実のいやらしさに直面させられる映画でした。

主人公は「あん」という少女である。あんの母親は、暴力であんを自分の思うようにしてしまう女だった。あんは小さいころから売春を強要され、薬物にも手を出すことになる。そんなあんをある刑事が更生させようと奮闘する。刑事は薬物依存の人たちの更生を支援する団体を主宰し、定期的に集まり、優しく前を向かせようとする。あんは刑事やその他の支援者の助けもあり、家を出ることに成功し、仕事に就くことができ、夜間中学にも通うことができる。あんは前を向き生き始める。ある日あんの部屋に見知らぬ女が来て、しばらく預かってくれと言って、小さい子供を置いてアパートを出て行く。一瞬の出来事にあんは母親を追うことに失敗し、しかたなく子どもを育てることになる。あんはなんとか子どもを育てる。いつしか母性が目覚め、子どもを放せなくなる。その時、あんの母親があんを見つける。あんに再び売春を強要する。あんが戻ったとき、すでにこどもはいなくなっていた。あんが売春をしている間に、母親は子ども鳴き声がうるさいと、子どもを児童相談所に引き取らせていたのだ。

この映画に出て来る大人たちは結局打算的にしか生きていなません。自分勝手なのです。その大人たちの汚れた心になんども翻弄されながらも、あんは自分の純粋な心をなんども取り戻ます。その姿が感動的です。

刑事も新聞記者も結局は自分のためにだけしか生きていません。悲しいことに子どもの純粋な心は大人はもう失っているのです。だからこの国は不正が絶えないのだと思います。子どもが大人になってもきれいな心を持っていられること、それが大切なことだし、そういう人間に育てることが教育の使命だと思います。

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