シニアー個人旅行のかわら版

国内・海外旅行の話題を中心に、アップデートな情報とともに、シニアーのための手作り旅行を発信する。

電車で行く奥久慈・男体山への日帰りハイキング

2010-05-01 09:17:57 | Weblog
 奥久慈といえば、袋田の滝が有名ですが、もう一つの景勝地男体山があります。
 黄門様こと水戸光圀公も参詣登山をしたという茨城県では由緒ある山です。
 標高は653メートルと決して高い山ではありませんが、山頂に男体権現を祀り、奇岩・怪石・断崖からなる山容は古くから信仰を集めていました。明治・大正時代に日本各地を旅行し、数々の紀行文を残した大町桂月は「久慈の奥男体山を仰ぎ見て画を学ばんとおもいけるかな」と書き残しています。

 初夏の新緑、秋の紅葉がベストシーズン、男体山を麓の集落古屋敷から仰ぎ見たときの初めての感動は忘れがたいものとなるでしょう。しかしながら、数年前の山火事の影響で、山の岩肌がところどころ露出し、以前の美しさは写真に残るのみとなってしましました。元の男体山の姿を取りも戻すのにままだまだ年月を要すでしょう。

                   男体山写真のサイト

行程
上野駅発  8:00  JR特急スーパーひたち7号 4,950円(上野―西金)
水戸駅着   9:19
水戸駅発  9:23 JR水郡線
西金(さいがね)駅着
        10:21  
 男体山ハイキング
  西金駅⇒大円地集落⇒大円地越え⇒男体山 約3時間
  男体山⇒男体神社⇒滝倉東集会所⇒滝倉入口⇒上小川駅 約2時間30分


               ハイキングコース地図のサイト

上小川駅発 15:48 JR水郡線 4,950円(上小川―上野)
水戸駅着  16:55
水戸駅発  17:27  JR特急スーパーひたち50号
上野駅着  18:35  

注:大円地集落までタクシー利用の場合は手前の山方宿駅からのタクシー利用がお勧め。前日に連絡すれば駅で待機してくれる。一台4,000円位,山方ハイヤー℡0295-57-2404
ハイキング途中からの携帯の電波状態が良くないので、待ち合わせ場所とおおよその時間を決めて迎えに来てもらうのがよい。

 ハイキングコース
 駅からのハイキングコースは所要時間4時間50分の健脚コース。50分短縮するために、大円地の登山道入口までタクシーを利用するハイキングコースを紹介します

西金駅から大円地へ:
 西金駅から国道118号を水戸方向へ戻り、橋の手前を左折、湯沢川に沿って進みます。急峻な崖に沿って切り開かれた道で、ようやくすれ違い出来るような細い道が続きます。まもなく湯沢温泉が右側に、かつて温泉旅館が2軒ありました。
 狭い道路に沿うようにところどころ民家が点在、途中、二箇所ほどわき道があるが直進すると、やがて左の急坂を登り古分屋敷集落を通ると、高台に茶屋と小さな駐車場があり、ここが展望台、正面に忽然と男体山が聳えています。
ここの坂を下ると、10数台を停めることができる駐車場があり、やがて数軒からなる大円地集落が見えてきます。

登山道を大円地越へ:

 正面に男体山を望む、茶畑の間のあぜ道を登ります。ここは茶の栽培の北限地、久慈茶として知られています。地元の方の話によると、この道は古くは奥州街道の一つであり、これから登る大円地越は山の鞍部であり、水場もあることから関所が置かれ、男体山頂上の見張り台から、麓から登る旅人の監視をしていたと伝わっているとのことでした。
 直ぐに標識があり、左手が健脚コースで、鎖場のある急峻な道ですが、変化に富んでおり頂上へ距離が短いため、こちらを選ぶハイカーも多いようです。一般道はここから杉林の中に・・・砂岩の巨石があちらこちらに露出している間を縫うように登る道は道幅も十分ですが、日差しは杉にさえぎられ、昼でも暗い道です。しかし、初夏には二輪草などの草花、山つつじの花がところどころに咲き、目を楽しませてくれます。

杉林を抜け、クヌギやもみじの木が目立つようになると、大円地越はもう直ぐ、山の鞍部で広場になっており、東屋が立っています。男体山は左の道へ、直進すると持方集落に至ります。この辺りから男体山頂上までは数年前に山火事があったところですが、その影響も年々薄らいでいるとのことです。

大円地から男体山へ:

 男体山頂上へは尾根道の明るい道で、坂もきつくなく、快適な道ですが、左側には数百メートルの断崖絶壁が続いていることを忘れないように・・・特に頂上直下の登りに注意!1996年10月にロッククライミング中の登山者の滑落死亡事故が起きています。
頂上はちょっとした広場になっており、男体権現からの眺望がこのコースのハイライトです。ここで昼食休憩を取ると良いでしょう。電波中継塔が少々風情を壊しますが・・・

男体山から男体神社・滝倉・上小川駅へ:
頂上からは北へ月居山(つきおれさん)を経て、袋田の滝までの縦走路を伸びています。間もなく左手から大円地からの健脚コースが合流、ここを過ぎると右手に持方への道があります。やがて左手に滝倉へ降りる道があるので、ここへ入り、潅木の中の明るい急斜面の道をジグザクに降りていきます。
頂上から30分で男体神社に到着、ここから平坦な村道を行くだけです。滝倉東集会所を経て、1時間30分で国道118号滝倉入口に到着、国道を北へ向い、大きく蛇行する久慈川を二度渡ると15分で上小川駅に到着です。
                    
 ポイントごとの説明と写真のサイト      

ローカル線水郡線の旅
春夏秋冬を問わず、風景がたいへん美しい路線です。久慈川沿いを走る単線路線で、西金近くになると渓谷となります。無人駅が多く、乗客も少なく、静かな旅を楽しめます。いばらきネットテレビの製作の水郡線紹介番組をご覧ください。  

「水郡線の車窓から」

茨城の山々
 茨城県には高い山がありませんが、福島県白河付近から筑波山まで八溝山地、久慈山地が延びています。最高峰が福島県との県境にある八溝山(1,022m)です。
砂岩を中心とする古い地層の山が多く、巨岩、奇岩、奇峰が連なり、八溝山近くの袋田の滝から男体山に至る西側は断崖絶壁が連なり、東側は平坦な山地が広がるという独特の景観を見せています。

盲帖の里:安寺・持方
 今回のハイキングコースの大円地越の東側に持方(もちかた)そして安寺(あでら)の二つの集落があります。ここは江戸時代初期に遡る歴史を持つ集落で、200年前、ここを訪れた水戸藩士岡野逢原が「阿(安)寺持方の記」を著し、文字でなく符号で年貢の台帳を記した盲帖(めくらちょう)の存在に触れています。昭和30年代にようやく電気が通じたという僻地ですが、旧家には古文書も多く保存され、南に開けた谷間の斜面に田畑を開き、200年前とほぼ同じ戸数の10数軒の農家が生活しています。
 持方集落までは男体山から30分で行けますので、男体山からの復路に組み込み、昔ながらの静かな佇まいを見せる持方集落を訪れるのも良いでしょう。この場合、大円地越で西金へ戻ります。

五月の登山報告、「晴れ、雨、雷、そして晴れ
をお読みください。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 農家を借りて、自然と向き合う | トップ | 初めての中国個人旅行―12日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事