シニアー個人旅行のかわら版

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美作三湯・奥津温泉と鳥取市へ・・・東京からの旅

2016-12-28 13:53:18 | Weblog

 美作三湯(みまさかさんとう)・・・響きのよい、魅力的なネーミングの温泉地です。
湯郷温泉、湯原温泉、奥津温泉といういい湯があるんだと岡山出身の知人から聞かされていましたが、首都圏に住む者には、岡山県北部、中国山地近くにある美作三湯は、いかんせん遠かったのです。

 今回、思い切って出かけることにしました。

 東京から新幹線で岡山へ、JR津山線で津山へ、路線バスに乗り換えれば行けるよ・・・とのことでしたが、調べてみると、路線バスはJR津山線との連絡は配慮されておらず、どうやら昔の記憶で話してくれたようです。

ずいぶん以前に読んだ小説「秋津温泉」が奥津温泉のモデルと知り、美作三湯のうち奥津温泉を訪れことにしました。
せっかく歴史で習った「美作の国」に足を踏み入れるのですから、津山駅と鳥取駅を結ぶ因美線に乗り、「因幡の国」も訪れるプランです。

 出かける時期は11月下旬から12月中、狩猟解禁(11月中旬)で奥津温泉ではイノシシ料理が、ズワイガニの親ガニ解禁(11月・12月)でセコガニが鳥取で食べられます。

 山海の珍味を味わうというぜいたくな旅にも惹かれました。

首都圏から奥津温泉までのアクセスです



 中国道の開通で、津山までは京阪神からの高速バス利用が選択肢に加わりました。しかし、津山から奥津温泉へのローカル路線バスの連絡に難があります。そこで、津山で乗り換えることなく、奥津温泉近くを通る高速バスを探したところ、日本交通が運行する「倉吉ー神戸・大阪線」を知りました。
 しかし首都圏からの旅で実質利用できるのは次の3便だけです。

 〇阪急高速バス新大阪ターミナル9時20分→かみさいばら温泉12時30分
 〇阪急高速バス新大阪ターミナル14時20分→かみさいばら温泉17時30分
 〇なんばOCAT(大阪シテイエアターミナル)10時30分→奥津温泉口13時18分

注1.かみさいばら温泉は奥津温泉と同じ鏡野町にありますが、約5キロ中国山地寄りです。旅館から迎えの車が必須となります。

注2.高速バスは予約制の乗合バスです。利用前日までに電話・メールで予約、当日、ターミナルの窓口で乗車券を購入します。

注3.東京からの推奨列車です。
 〇東京(のぞみ3号)6:16→8:43新大阪→阪急高速バス新大阪ターミナル
 〇東京(のぞみ201号)6:43→9:13新大阪(大阪市営御堂筋線)9:28→
  9:44なんば→30出口OCAT連絡口→OCAT

奥津温泉・津山から鳥取までのアクセスです



 奥津温泉から津山駅まで路線バス、津山駅から因美線で智頭駅へ、乗り換えて鳥取駅へという経路です。津山から姫新線・佐用町経由でも行けますが、料金が2倍以上となり、所要時間のメリットもありません。

 日本交通運行「倉吉ー神戸・大阪線」の「かみさいばら温泉」、「奥津温泉口」停留所は降車専用で、倉吉方面へは利用できません。「鳥取ー津山・岡山線」の高速バスがありましたが、平成26年に廃止されました。

 津山周辺の路線バスも鉄道も住民の通学・通勤・通院のための路線です。奥津温泉からの路線バスは昼間時は1時間に1便です。JR因美線にいたっては、6時42分から11時35分まで一本も走っていません。
 奥津温泉9:08→10:14津山駅11:35→12:43智頭駅12:56→13:43鳥取駅
という経路しかないことになります。

鳥取市から東京へのアクセスです



 空の便、鉄道、高速バスが利用できますが、鳥取市内でカニ料理を味わい東京へ帰るとなると、ANAもJRも18時40分が最終便、ゆっくりと夕食を楽しめません。
 そこで選んだのが20時50分発の高速バスのキャメル号です。東京・浜松町に翌朝6時35分着とラッシュアワーが始まる前に都内に入ることができ、料金が10,500円と割安なのも魅力的です。
 キャメル号を利用する場合は・・・

 〇鳥取県民の人気路線です。満席となる可能性があります。首都圏在住なら、共同運航会社の京浜急行で予約状況確認、切符購入します。

 〇鳥取駅前のバスターミナルはキャメル号出発の20時50分までは営業、暖房された待合室で待機できます。

 〇途中SAに午後10時、早朝4時の2回15分の休憩、車内トイレを使用しないですみます。

キャメル号は令和3年3月15日をもって運行廃止となりました

グルメ情報です

〇 奥津温泉のほとんでの旅館では11月中旬の狩猟解禁に合わせて、新鮮なイノシシ料理を提供しています。宿泊先に問い合わせを・・・
 http://www.mto.ne.jp/okutsuonsenkk/oyado.html

〇 11月上旬に日本海で解禁となるがズワイガニ漁です。地元では「高価な松葉ガニ(オス)は売るためのカニ、安いセコガニ(親カニ)は家庭で楽しむカニ」と区別しているとか・・・。セコガニは一匹700円前後ですが、内子(卵巣)と外子(受精卵)が珍味とされます。
 なお、資源保護のため親ガニの漁期は11月、12月のみ。この時期、予約が殺到する「味暦あんべ」へ。セコガニ(親ガニ)を専門とする料理店です。

観光案内です

〇 因美線への待ち時間が1時間10分、駅隣の「津山まなびの鉄道館(旧津山扇形機関車庫)」を訪れたかったのですが、月曜日で休館でした。蒸気機関車全盛期には津山は鉄道の町でした。現存する扇形機関車庫では全国2位の規模を誇ります。

〇 代わりに津山城を訪れました。往きはタクシー、帰りは徒歩で、見学時間は40分ありました。津山城は戦国時代が終わり、領主が権威を示すかのように鶴山に築いた平山城です。堀はなく、本丸、二の丸、三の丸が階段状に結ばれ、「一二三段」(ひふみ段)と呼ばれる城構えは広大で、桜やモミジの樹木の手入れもよくされており、石垣が見事で、幅の広い石段も補修され、建設当時の姿をよく伝える美しい城です。「鶴山公園」として管理、入場料300円です。


〇 因美線は観光鉄道のような趣でした。一両だけの気動車は山際にへばりつくように敷設された単線の線路を中国山地に向かってゆっくりと登っていきます。レールが短く、継ぎ目の数が多いのか、よく揺れます。津山方面に流れる加茂川に沿って、趣のある無人駅を結んで進みます。
 中国山地を抜ける長さ3キロの物見トンネルが最高地点、トンネル途中からスピードアップ、智頭駅へと下っていきます。






〇 鳥取駅からタクシーで鳥取城に向かいました。「正面に見える久松山が鳥取城・・・城門も櫓もなく、石垣が残るだけ。見学するなら明治に建てられた洋風建築の仁風閣でしょう」との運転手の言でした。

 山下の丸と呼ばれた場所には県立博物館、軍馬の訓練をした馬場には仁風閣、三の丸には県立鳥取西高校・・・公園となって鳥取市内を望む二の丸と鳥取地震で崩落した城壁がそのままの天球丸が江戸時代の鳥取城の面影を残しています。戦国時代の遺構が残る頂上の天守閣跡と山上の丸への登り口には「熊注意」の札が・・・ちょうど下山してきた二人ずれの女性は登山姿のフル装備でした。

 鳥取城ではなく鳥取城址と言われる所以がわかりましたが、戦国時代から江戸時代末までの遺構を伝え、「城郭の博物館」と評価されている鳥取城・・・鳥取砂丘が見えるという山頂への道の整備も含めて復活することを望みます。

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