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安全な雪道ドライブのために・・・豪雪の南会津を走る

2011-12-06 09:07:12 | Weblog


12月、スタッドレスに履き替えました。
雪のほとんど降ることがない首都圏に住んでいますが、年末年始を豪雪地帯である南会津湯の花温泉で過ごすようになってから三十年、我が家の恒例行事となっています。

那須塩原で高速を降りてから湯の花温泉までのドライブを紹介しながら、安全に雪道を運転する私の心構えを紹介いたします。

 
草津温泉・観光協会のサイトから
 海抜1200メートルの高地にある草津温泉の観光協会サイト「雪道ちょっとアドバイス」に車の駆動とタイヤの組み合わせから、雪道に強い順位を紹介しています。

1番目 4WD+スタッドレス (雪国住人は殆どがコレです
2番目 4WD+ノーマルタイヤ+チェーン
3番目 FF+スタッドレス+チェーン
4番目 FF+スタッドレス
5番目 FF+ノーマルタイヤ+チェーン
6番目 FR+スタッドレス+チェーン
7番目 FR+スタッドレス
8番目 FR+ノーマルタイヤ+チェーン

 四輪駆動車を購入した時のことです。ノーマルタイヤでしたので雪道になってから、前輪にチェーンを巻きました。スキー場への登りは実に快調、四輪駆動の優秀さに満足していました。ところがです・・・帰路、下り坂のカーブで大きくスピン・・・本当に怖い思いをしました。
 帰宅して、メーカーに問い合わせたところ「四輪、全部にチェーンを巻かなければ、安全とはいえません」とのことでした。2輪にチェーンを巻くだけでも手間がかかります。4輪に巻くのはとても・・・というわけでスタッドレスに替えたのです。

 後日、白石スキー場でのことです。雪上訓練に来ている自衛隊に出会いましたが、隊員運搬車両はすべて、4輪にチェーンが巻いてありました。

こんな事故がありました

 毎年出かける福島県南会津町、5年前の12月22日午前7時半ごろのことです。国道352号線新田原(しんでんばら)で乗用車と30名が乗る舘岩小学校・中学校のスクールバス正面衝突事故を起こし、全員が町内外の病院に運ばれました。幸い、軽傷だったということですが、事故原因はどこにあったのでしょうか。大晦日に同じ場所を通りますので、人ごとではありません。

 6年前の11月22日にもほぼ同じ場所で正面衝突事故があり、重傷者がでています。この時は早い降雪があり、県外の夏タイヤのワンボックスカーがスリップしたのが原因でしたが、今回は事情が異なります。
 雪のない、ほぼ直線道路で、スタッドレスを装着した、地元の運転手の乗用車が中央線をはみ出したことが原因です。路面凍結でスリップしたようですが、恐らく通勤時間帯、通いなれた道ということでスピードを出していたのではないでしょうか。

西那須野塩原I.C.から南会津町・湯の花温泉まで
平成29年1月現在の最新状況も書き加えました

 

 東北自動車道「西那須野塩原I.C.で降り、国道400号を塩原温泉へ進みます。道の駅を越えてから昔の街道に登っていきます。箒川の渓谷沿いの400号は改修工事を重ね、1.5キロのトンネルが開通、山肌に沿って曲がりくねり、狭いトンネルを抜けて行く負担が軽くなりました。ただ、トンネル出口は急カーブ・・・快適なトンネル内のドライブでスピードにのったまま突入すれば箒川に転落ということになりかねません。現在、第二トンネルの工事も開始されました。

 温泉街に入る直前の信号を左折すれば山側のバイパスへ、直進すれば旅館やみやげ物店が軒を連ね、観光客や温泉客が行き来する塩原温泉街を通り抜ける旧来の道です。二つの道路は温泉街を超えた地点で合流・・・尾頭峠に進みます。
 尾頭トンネルを越えて、鬼怒川から会津方面に向かう121号線に合流、田島方面に北上し山王トンネルを越え、野岩鉄道(やがん)のガードの早坂信号を左折、352号線で中山トンネルを通り南会津町に向かうという70キロ、約90分のドライブです。

 夏場なら快適な山間ドライブを楽しめますが、冬期にはドライブ事情が一変、アイスバーンの坂あり、除雪のために狭くなった道路の幅員、曲がりくねる山道あり・・・神経を使う雪道ドライブとなります。
 
この中で特に注意しなければならない三つの峠と、地吹雪になりやすい熨斗戸(のしと)付近の情報を記します。

尾頭峠(海抜820m)



塩原温泉街を抜けると峠に向かいます。上り坂になり、徐々に積雪が見られるようになりますが、道路は十分な幅員があり、ヘアピンカーブも大きなカーブを描いていますので、安心してドライブできます。海抜800mの尾頭トンネルを抜けると途端、「トンネルと抜けると雪国だった」という積雪のある風景に変わります。

 ここからの下りは、幅員が狭く、カーブの連続、急坂、そして凍結する路面での下りのドライブが15分ほど続きます。エンジンブレーキを使い、スピードを落としての細心のドライブが要求されます。

 坂を降りきると直線の道路になり、左からの121号に合流、ここからは5キロほどのドライブは林間の道路で、側溝に落輪しないように、またアイスバーンに車輪を取られないようスピードはあくまで控えめにします。やがて林間を抜けると山王峠までは改修された緩やかな坂道の運転しやすい道路に変わります。

山王峠(海抜850m)



 かつては、会津へ向かう旅人の最大の難所だったこの峠も山王トンネルの開通とそれに続く道路の改修工事の結果、冬期でも比較的安心して通行できるようになりました。
 山王トンネルを抜けると、幅員が十分な、ほぼ直線の下りになります。10分ほど下ると左手に道の駅があり、ここが唯一のトイレ休憩の場所です。

 道の駅から更に下ると野岩鉄道のガードがあり、早坂の信号で352号線と出会います。山王トンネルから下ってきた車がここで必ず止まるため、アイスバーンになりやすく、毎年事故が多発する箇所でしたが、。道路表面から地下水が常時噴き出すように改修されてから比較的安全にはなりました。

 右折すると田島へ、左折して高杖スキー場、湯の花温泉に向かいます。直線道路を5分ほど走ると、左手に会津高原尾瀬口駅が見えます。滝の原温泉を抜けた辺りから登りになります。

中山峠(海抜1100m)

 尾頭トンネル、山王トンネルはトンネルを抜けてからの下り坂のドライブに注意が必要ですが、中山トンネルはその逆で、トンネルまでの上り坂は深い谷沿いの山の斜面を切り開いた道で、狭い幅員、曲がりくねった道路、落石危険地帯です

 五年前でしたか、ここが雪崩で通行止めになり、高畑スキー場から田島回りで帰ったことがありました。毎年通るたびに工事が行われていますが、目立った変化は見られません。



 最大の難所は、金竜橋です。深い渓谷を渡る金竜橋は、橋への取り付け口が両方とも急カーブ・・・初夏の新緑、秋の紅葉の頃は最も景色の良いところですが、冬場はスリップして欄干を突き破ったら・・・と渡るたびに対向車がいないことを祈っていましたが、ようやく新しい橋が完成しました。



 中山トンネルは改修工事も終了、安全に通行できるようになりました。トンネルを抜けると道路がぐっと良くなります。中山峠が東西の分水嶺となり、ここから流れ出る川は、全て日本海に注ぎます。緩やかな下り坂を下っていけば八総(やそう)の集落まで10分くらいのドライブです。ここで右折すれば、たかつえスキー場です。

熨斗戸付近の地吹雪



 八総から平坦なまっすぐな道が数キロ続きますが、ここは風雪をさえぎる樹木がない畑の中の直線道路で、地吹雪が発生しやすい地形です。一度、猛烈な地吹雪に会い、ホワイトアウト現象を体験、前後左右の感覚だけでなく、天地の識別もできない状況に陥りました。車を停めれば、追突される恐れがあります。歩くようなスピードでの運転です。幸い、ハザードランプを点滅して走るトラックの後ろにつくことができ、このときほどトラックの後ろについて走ることを感謝したことはありません。

除雪する住民の方々へ配慮しながらの運転を

 夕方のドライブは注意が必要です。特に雪が降り続く中の雪道の運転は、一種のホワイトアウト現象で、カーブでは直進するのか曲がるのか一瞬判断がつかない現象が起きます。側溝を示すポールを丹念に探しながらの運転が必要です。
また、集落に入ると、夕方近くは住民の方が戸口から道路までの除雪に精を出す時間帯・・・集落を抜けるときには、直線の道路であっても、人の動きに細心の注意を払ってあくまでもスピードを控え目に運転しましょう。

 
私の雪道安全ドライブ術

 ドライブ歴35年ですが、雪道は毎年数回しか走らない初心者です。その私が心がけている雪道ドライブ術です。
○ 40キロ以上は絶対に出しません。一度、桧枝岐のスキー場から戻る際、トンネル出口のカーブでスピンしかかったことがあります。40キロを越えていました。
○ 後ろに付かれたら、安全を確認して路肩に止まり、道を譲ります
○ エンジンブレーキで減速、ブレーキは必要最小限に
○ 牽引用ロープを携帯。助けられたり、助けたり・・・
○ 高出力の黄色フォッグランプを装着
○ 四輪駆動車(パートタイプ)、スタッドレス装着です

帰路の渋滞情報です

 渋滞に巻き込まれることを避けるために、午前中には塩原を抜けるようにしています。午後になると、南会津方面から帰る車と日塩道路沿いのスキー場から帰る車が塩原市内で合流、渋滞が起きやすいのです。この数年、スキー客減少で渋滞は見られなくなりましたが・・・

 事故渋滞の場合は逃げ道がありません。甲子道路が開通、下郷から白河I.C.に出られますが、大回りになります。東京方面へは塩原を通るか、121号を直進して鬼怒川経由の二つしかありません。そこに至る途中で事故があれば、121号線全体に渋滞が広がります。その場合は、同乗者に野岩鉄道で先に帰ってもらうのが得策です。10年前、事故渋滞に巻き込まれ、東京に戻るまで12時間も掛かったことがありました。

 もう一つの渋滞があります。関東地方に雪が降った場合です。会津地方では、どんなに雪が降ろうとも一晩中除雪作業が行われ、次の日は通れるようになりますが、塩原から東京に至る道路はわずかな雪でも動きが取れなくなります。高速道路は最初に通行止め、一般道をのろのろと帰ることになります。以前、この渋滞に会い、同乗者には矢板駅からJR東北本線で帰ってもらいました。

曲がり家が点在する村が待っています



 こんな苦労をしてまでも冬の南会津を訪れるのは、今日でも茅葺の曲がり家が点在する雪深い会津の村々の佇まい、迎えてくれる人々の暖かさ、伝統的で素朴な会津地方の料理の味、地元産の蕎麦を天然水で打った天下一品のソバ、囲炉裏で何時間もかけて焼き枯らした岩魚の骨酒豊富な温泉、その上、スキーも楽しめる自然環境・・・遠い昔に置いてきてしまった郷愁に浸ることができる旅があるからです



南会津への旅 


ぜひ、一度、冬の南会津にお越しください・・・安全運転で・・・



 
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2 コメント

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教えて下さい!! (雪道怖い…)
2016-01-16 14:57:17
こんにちは。 たかつえスキー場の雪道について調べていたらこちらのブログを発見しすごく勉強になりました!! 埼玉県民で雪道はほとんど経験していないので感心しきりです。
そこで質問なんですが西那須野ICからたかつえスキー場の道で当方FF+スタッドレスでチェーンは持ってませんが危険すぎますか??
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チェーンを持参ください (39er)
2016-01-17 10:02:53
安全を担保するならチェーンは必携です。通常の走行では問題なくても、雪道で坂道発進をしなければならない場合、FF+スタッドレスでも車輪が空転して登れなくなる場合があります。渋滞している中山トンネル手前で苦労しているFF車(タイヤは分かりません)を見たことがあります。また、たかつえスキー場への取り付け道路で立ち往生している四輪駆動車を牽引してあげたこともあります。タイヤはノーマルでした。
なお、各トンネル前後にチェーン着脱場があります。

次のエリアマップでリアルタイムの道路の積雪状況を見ることができます。
http://www.fukushima-road.net/maizu/

たかつえスキー場へ行く場合は「田島道の駅」と「八総」を参考にします。17日現在、雪が非常に少ないですが、今年が例外であることを留意ください。


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