シニアー個人旅行のかわら版

国内・海外旅行の話題を中心に、アップデートな情報とともに、シニアーのための手作り旅行を発信する。

あなたなら買いますか・・・湯沢の中古リゾートマンション

2008-06-19 18:25:32 | Weblog
 海抜1,500メートルの蓼科高原で蕗採りを楽しみました。
親戚の別荘に招待され、梅雨の合間の快晴の高原で、自然を思う存分楽しみました。
夜は、東京で見ることができない星空を見上げ、太い薪が燃える暖炉を囲んで、都会の喧騒を忘れました。
早朝の散策を楽しみましたが、あちらこちらで雨戸を開ける音が、小鳥のさえずり声の中に聞こえました。
売家の看板を掲げた別荘もありましたので、何気なく管理センターをのぞいてみると、2,000万から3,000万円・・・高嶺の花です。

6月7日(土曜日)の朝日新聞夕刊の社会面トップ記事は「バブル遺産で団塊ライフ」でした。バブル期から10分の1の価格になった新潟県湯沢町のリゾートマンションを290万円で購入、スキーや山菜採りを楽しむ方が紹介されていました。
温泉やプール付きで、軽井沢や箱根に比べて低価格なマンション、東京からの利便性もよく、苗場などのスキー場が豊富なのが魅力的」「再び光が当たりつつある」と湯沢町のリゾートマンションを紹介する魅力的な文面が並んでいました。

 一昨年、私もその安さに惹かれ、購入を真剣に考えて、湯沢に2度出かけました。

 2月、スキーシーズンに、苗場のスキー場のホテルのレストランで夕食をとりながらから周辺の林立するマンション群を眺めましたが、平日の夜であったことを差し引いても、灯りが付いている部屋は僅か・・・黒々と建っているマンションに異様な印象を受けました。

 6月、新緑の三国峠を越えて下った苗場スキー場周辺は閑散としています。数少ない店も休業、ゴーストタウンのような静かさです。その先の田代ロープウエイの駐車場は三分の一くらい、車が駐車していました。上にのぼり苗場山の残雪の風景を楽しむのでしょう。
 湯沢の不動産会社で尋ねると、夏場のリゾートマンションは冷房の施設に難点があるとのことでした。

 そんな時、湯沢町の広報誌に差し押さえ物件の競売公告を目にしました。僅か35万円です。しかしよく読んでみると、固定資産税の滞納が200万円あり、それを立替えなければなりません。税金を滞納するくらいですから、積立金、管理費などは当然未納であったでしょう。購入した方には管理組合から思わぬ請求があったかもしれません。

 朝日新聞の記事でも「13億円に上る固定資産税の滞納が湯沢町の悩み」とのこと・・・使わなくなったマンションを持て余している実態が透けて見えます。割高といわれる管理費の未納も膨大になれば、居住者の快適なマンション生活が設備面で保障されなくなる恐れもあります。また、管理費に比べて、抑え気味に設定されている積立金の少なさは、将来の修繕、建て替えに暗い影を落としています。
 
 購入を考えて2年前にリストアップした10の物件の内、ネット上から削除されたのは2件のみ、売り物件ばかりで買い手がほとんどいないという状況が大きく変わったようには思われません。国土交通省の「2地域居住者」という言葉にのせられて、購入したけれども、やがて使わなくなったからといって処分しようにも、売るに売れない状況が続き、固定資産税と管理費・積立金だけが積みあがるということにもなりかねません。

 もう一つの問題があります。遺産相続時に、「リゾートマンションだけは要らない」と子供が考えても、リゾートマンションだけを相続放棄できないのです。他に相続する財産がなければ別ですが、リゾートマンションを所有するくらいの余裕のあるご家庭では、少なからずの資産があるはずです。
 法人なら、会社清算時に一括処理できますが、個人ではそうはいきません。まさに’ババを引く’ことがないように熟慮したいものです。

 3,000戸足らずの町に15,000戸のリゾートマンション群・・・町の将来のビジョンを描くことなく、営利だけを追求したバブル期の負の遺産が現在の姿ではないでしょうか。
 北海道のニセコや長野の白馬のように、海外からのスキー客がどっと押し寄せて来て、以前の賑わいをリゾートマンションが取り戻してくれることを祈るばかりです。


関連ブログ

「北越雪譜」を読んで苗場山に登る
「秘境秋山郷と草津温泉を結ぶドライブルート


 
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フランス道路地図を読み解く

2008-06-07 13:40:53 | Weblog
 本ブログ「フランス道路地図を読み解く」をご覧になる方が多くなっています。昨年書いたもので、リンクをつけたサイトも改定されており、より最新の情報をということで、書き直しました。2009年度版をご覧下さい。

ブログ「プロバンスの七日間」で、ファーブル昆虫記の作者Jean Henri Fabreジャン・アンリ・ファーブルが教師をしていたことで知られるCarpentrasカルパントラ付近に滞在しながらプロバンス地方を回るドライブ旅行を提案しました。
Lyonリヨンのフランス高速鉄道TGVのLa Part Dieuパル・デユー駅からレンタカーでCarpentrasカルパントラまでのドライブを例に挙げて、道路地図の読み方・活用の仕方について紹介します。

 


プロバンスの道路地図が必要です
 手元に置きたいのが、ミッシュランの道路地図―MICHELIN Provence Camargue 113 ZOOMです。正確で、信頼でき、見やすく、フランスドライブでは必携の地図です。海外書籍を扱う店なら購入できると思います。(過日、紀伊国屋書店新宿本店の地図売り場を訪れましたら、在庫がありました。1,680円です。TEL03-3354-0131 FAX03-3354-0275)

この道路地図の優れている点は、カラー表示で都市か農村か山岳地帯なのか分かりますし、濃淡で高度差も読み取ることができます。湿地帯Camargueカマルグの表示も、よく描けています。また、ドライブに必要な道路のカーブの情報も正確に読み取ることができ、ビューポイントも示されていますから、景観を楽しむドライブルートプラニングにも便利です。
AvignonアビニオンArlesアルルの都市地図も付いています。小さなものですが、ドライブ旅行に不可欠なインフォメーションセンターとパーキングの位置も示されるなど、細部に亘って手を抜いていないことに感心します。

フランスに到着してから購入してもよいでしょう。どんな短いドライブでも出発前にこの地図を開いてルートを眺めておき、頭に入れておきます。それが安全なフランスドライブにつながります。この優れた地図を友人へのお土産としても喜ばれるでしょう。

サイト上でのルートプラニング
ルートプラニングのサイトの中では、使いやすい英国Mappy社の道路地図を利用します。
 サイトを開きます。都市や町の地図を調べる{map}が左上に、行程を調べる{Itinerary}がその下に表示されています。サイトを開いた時点でUnited Kingdom(
英国)が自動的に表示されている場合は、{country}をFranceに切り替え、{place}に
Lyonを書き込みます。なお、ヨーロッパ以外の国の地図を表示する場合は{other continents}をクリック、当該国がある大陸名を選びます
リオンの市内地図を見る
map欄の{place}にLyonを打ち込み、{ok}をクリック、リオン市内地図が表示、la Part Dieuパル・デユー駅が列車のアイコンとともに、ほぼ中央に見えています。
この縮尺ではローヌ川にかかる橋名が表示されていませんので、{+}を2回クリック、ズームインします。レンタカーを借り出すパル・デユ―駅から、地図をスクロールしながらルートを確認します。
基本的には西に進み、ローヌ川を渡り、すぐ左折して川沿いにA6を南下すれば、そのままA7に入ります。

レンタカー各社はSNCFフランス国鉄駅la Part Dieuの東側(地図では駅の右側)の線路沿いにあります。
{Rue…}「・・・通り」、{Pont…}「・・・橋」です。三つの通りをほぼまっすぐ進み、ローヌ川に架かるPont Wilsonウイルソン橋を渡り、すぐ左折します。
 ローヌ川には旧市街と新市街を結ぶいくつかの橋が架かりますが、ほとんどが一方通行、ローヌ川左岸が旧市街、パル・デユ―駅のある右岸が新市街です。
 {Quai…}「・・・河岸通り」の名前どおりローヌ川に沿って南下します。この通りが国道N6です。Speed camera設置の場所が行程表に表示され警告していますが、ほとんどの車が100キロ近いスピードで走っています。
 フランスの制限速度は街中では時速50キロ、主要道90キロ、上下線分離道路110キロ、高速道130キロです。
国道N6はそのまま高速道A7に入ります。

行程表を読み取る
 道路名や地名が縦にずらりと並ぶ行程表は一見複雑そうですが、慣れれば便利に使えます。この行程表を地図と見比べながら読めるようになると、ルートがはっきりと頭に入ります。
ここでroad mapを最初に戻し、{Itinerary}行程でルートを確認します。{Departure} 出発地Lyon, {Arrival} 到着地Carpentrasを打ち込み、{0k}をクリックし、地図、行程が開きます。地図と照合しながら行程を追っていきます。

高速道路に入るにはまず料金所を通る・・・というのがわが国の方式ですが、フランスでは料金所は一般道がそのまま高速道に替わり、しばらく走った先に料金所があるということが多くあり、A7では20キロ先になります。
高速通行券を受け取り、あとはMarseilleマルセイユ方面へ進むだけです。出発してから200キロ、二時間ほど走ったところが{Exit 22}(出口22)Orange-sudオランジュ南で降ります。なお、Exit 22は{Sortie 22}とフランス語で表示されています。
A7を降りるとすぐ、パル・デユ―を出発して初めて体験するroundaboutラウンドアバウト交差点、フランス語rond-pointロン・ポワ-があります。二番目の出口をカルパントラ方面にN7を1.8キロ進みます。
県道D950に左折、晴れていればヴァントー山が進行方向に見えますので、その方向へ進むと、16キロでCarpentrasカルパントラです。


地元の人が選ぶ道を調べる
 全ての人が、リオンからカルパントラまでを、この通常のルートプランニングに従うとは限りません。地元の方は、大型車の通行が少なく、渋滞が起きることがない、しかも快適で、静かなドライブルートを楽しむ方も多いのです。そんなルートを紹介しましょう。
 このルートはオランジュOrangeまで行かずに、A7の{Sortie19}のBolleneボジェーンで降り、そこからCarpentrasカルパントラへ向かうルートです。二つの地図で見比べてみましょう。
 
最初の手書きの地図を開いてください。これはワイン生産地の一つGigondasジゴンダで民宿を経営するGitesジトの経営者の手書きルート略図です。BolleneボジェーンRochegudeロシュクグドSte.Cecile(Sainte-Cecile-les-Vignes)セント・セシルCairanneセラーヌGigondasジゴンダスVacqueyrasバケラスCarpentrasカルパントラに至る道を直線で表示しています。しかし、気をつけてください!これは経由する町の名前をただ線で結んだまったくの略図です。

今度はMappy社の地図で調べます。Mappy社のインターネット地図を開きます。出発地をBollene,到着地Carpentrasを入れ、検索→高速道路利用の通常ルートが地図と校訂が表示されます→地図の下の{Enlarge the map}をクリック、地図を拡大します。→地図だけが大きく表示されますので、{+}をクリック、ズームインして、地図を出発地Bolleneが左上に、Rochegudeがほぼ中央に来るようにして、この縮尺でスクロールしながら先ほどの民宿の手書きのルートを検証します。手書きの地図では、南下する一本の線で示されていたRochegudeSte.Cecile (Sainte-Cecile-les-Vignes)Cairanne は、実際は西から東にほぼ平行に走っており、Cairanneから南下し、さらに二つの町を通って、Gigondas,Vacqueyras,Carpentrasに至ることが分かります。

 正確なMappyの道路地図だけでは、地元の人がよく使うルートなどは見当もつきません。経由する町の名前を載せていた最初の手書き地図があったからこそ、ルートがはっきりするのです。

 関連ブログ南フランス旅行のプラニング・・・安全なフランス・ドライブを楽しむには・・・
城塞都市と美しい漁村・・・リュベロンへのドライブ

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