シニアー個人旅行のかわら版

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農家を借りて、自然と向き合う

2010-04-25 20:29:37 | Weblog
スキーサークルの仲間と一緒に竹の子狩りに出かけました。
写真の森の中に竹林があります。
ここは都心から80キロ・・・
江戸時代、元禄の頃から続く旧家にメンバーであるHさんが案内してくださったのです。


Hさんは友人たちと共同で借りています
定年を控えた頃、大学時代に活動したサークルの同窓の友人たちと農家を借りて畑作りをしようと計画を立てていましたが、なかなか適当な物件が見つかりません。そんな時、Hさんの奥さんの友人が、今は住む人がいないままになっていた実家の提供を申し出てくれたのです。

母屋は明治時代の地主の住まいです
元禄時代から続いている旧家は、築70年の母屋、樹齢百年以上はあると思われる屋敷林、300坪の自家畑、少し離れた場所に竹林、農作業に必要な器具がそのままの小屋・・・全部が3,000坪に達する敷地の中にあります。



母屋に入りました。土間の下足入れには10足ほどの長靴が整然と並び、「汚れた軍手は洗いますので、ここに置いて下さい」という張り紙の下に、たくさんの軍手があります。整然と管理されている様子が伝わってきます。

部屋に上がりました。回り廊下が部屋の南側と西側に配置され、普段は使われることのない正面玄関口には、歴史を感じさせる二つの石像が家を守るように置かれています。
部屋を結ぶ欄間は、全て手彫りの透かし彫りの一枚板・・・明治時代の旧家に相応しい品格のある彫刻が欄間を彩っています。

台所は、最近になって改築されたのでしょう、20畳の広さがあり、バーベキューの食材を調理するメンバー三人が並んでも、余裕のある広さの洗い場です。テーブル、食器入れ、冷蔵庫など、すべて完備しています。トイレはウォシュレット、風呂も新しいものです。

畑仕事が主体、泊まることはめったにありません
 自家畑での農作業を楽しむことがメンバーの方々の生甲斐です。住まいがある首都圏から、車での日帰りでやってきます。そういえば、母屋の床の間に農作業の年間行程表が張ってありましたが、これならブラリと訪れても、やるべき仕事の内容が一目瞭然です。
 バーベキューが終わってから、物置への機材の収納を手伝いました。炉、鉄網、鉄板、椅子、テーブル、一輪車、リアカーなど所定の位置にHさんはキチンと収納しました。メンバーの誰かがいつ来ても、作業に直ぐに取り掛かれるよう徹底した物品管理です。
 バーベキューセットの鉄板には驚かされました。Hさんが現役時代に取引のあった洋食器や金物で有名な新潟県三条燕の業者に設計図を送り注文したという本格的なものです。

 Hさんは退職後、自家用車をハイブリッド車に乗り替えました。自宅から週に数回は畑仕事に出かけるため、走行距離が長くなり、ガソリン代の節約を考えてのことです。購入直後のガソリンの急騰にも対応できました。先見の明があったわけです。

畑は、まるで、ボタニカル・ガーデンです

 

 300坪の自家畑は、すっぽりと、防鳥ネットで覆われています。畑は作物ごとの区画が整然と分けられ、畝の高さも作物ごとに違いを付けています。苗床もあります。圧巻なのは、白い可憐な花を咲かせているとちおとめの畝です。高さ30センチの高さのある板で微妙な傾斜を付けて、畝を両側から押さえています。苺が地面に着かない工夫だそうです。これなら、排水、保温にもよいでしょう。昔、訪れた静岡久能山の石垣イチゴを思い出しました。



畑というよりも、雑草一本も生えていない庭園風農園という美しさがありますが、勿論、最初からこうであったわけではありません。
 当初、草ぼうぼうの荒地に返っていた自家畑の草取りから始まりました。次から次へと出てくる雑草・・・最初は草取りのために通ってくるという日々が続いたことでしょう。それと並行して、土地を耕し、畝を作り、苗を植える・・・そして待ちに待った収穫・・・ところが、鳥が来襲!・・・それまでの努力が徒労に終わりました。

そこで畑全面を、防鳥ネットで覆おうことにしたのです。無駄な経費を抑え、作業能率を上げるため、まず、図面を起こすことからはじめました。支柱は、ふんだんにある竹を使い、鳥よけネットは、ホームセンターで安く購入、ネット張りは9人のメンバーが一日で一気に仕上げました。

経費節減で感心したことがあります。野菜の苗の購入は割高につくため、今では種から苗を育てているとのことでした。
また、農作物への散水は、水道を使用していましたが、一年前から掘り始めた深さ2メートルの井戸がようやく完成しました。ここでも工夫がありました。汲み上げ用のモーターは物置に使われないまま放置されていた中古品を修理して使っています。

長年の会社勤めで培ったノウハウが随所に生きています
設計図を起こす・・・作業の行程表を作る・・・インターネットを活用し情報を集める・・・価格を比較検討、経費を最小限に抑える・・・豊富にある竹材などの材料を利用する・・・野菜造りには土壌がカギ、堆肥確保も怠らない・・・作業の山場では人材を集中投入する・・・。
畑仕事というより、農場経営であるという印象を持ちました。

地元の方への配慮も忘れません



 バーベキューが終わって、片付けとなりました。生ゴミは堆肥として利用、焼却できないプラスチックトレイや発泡スチロール製品、ポット類・ビン・缶は、すべて分担して車に積んで自宅まで運びました。
近隣の住民に負担をかけない、迷惑をかけない、自然環境を汚さないという徹底した自己管理です。タケノコ狩りの際、Hさんは隣家の方に挨拶をされていましたが、その方の畑の一部も防鳥ネットの中に取り込んでいるのです。
このようなきめ細かい配慮が、集落の方々との円満な交流を可能にしています。





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