シニアー個人旅行のかわら版

国内・海外旅行の話題を中心に、アップデートな情報とともに、シニアーのための手作り旅行を発信する。

普通列車で行く日帰りの旅・・・東京から伊香保温泉へ

2008-08-31 14:42:33 | Weblog
天気は晴、ふと思いついて、伊香保温泉に出かけました。

今、流行の鈍行列車での旅です。
高崎線、上越線で出かける普通列車の旅は、学生時代に沼田から尾瀬に出かけた時以来ですから、50年振り・・・。
高崎線で高崎まで行き、そこから上越線渋川駅、路線バスに乗り継いで伊香保温泉へという行程です。
出発点は埼玉県大宮駅・・・高崎線は勿論のこと、東北線、埼京線、京浜東北線、新幹線も乗り入れている首都圏の交通の要です。

アクセス:
往路 大宮(高崎線)7:52→9:09高崎(上越線)9:17→9:42渋川
復路 渋川(上越線)14:58→15:23高崎(高崎線)15:31→大宮16:47
交通費(往復)JR3,240円+路線バス1,100円 合計4,340円
*JR渋川駅と伊香保温泉バスターミナルを結ぶ路線バスはほぼ15分ごとに出ています。

 往路は平日ということもあり、ラッシュアワーで混雑、自宅から大宮駅まで武蔵野線、京浜東北線で大宮駅に・・・下りなので空いているだろうと思った高崎線は、通勤客、通学の学生でほぼ満員、熊谷駅までの40分、立ち詰めでした。高崎駅で上越線に・・・ここでも遠足の中学生が2両編成の車両を占有、女子生徒が席を譲ってくれました。
 渋川駅前のバスターミナルから伊香保温泉へ・・・バスは町の中を榛名山へ緩やかに登っていきます。観光客らしき人はわずか、地元の方が利用する路線です。市内を抜けて緑の濃い郊外へ、水沢入口ビジターセンターで左手に水沢街道が分かれていきます。ここから上り坂がきつくなり直ぐに伊香保温泉バスターミナルです。

歩く:
 バスターミナルは伊香保温泉のほぼ中心にあり、伊香保温泉を象徴する石段街は徒歩5分です。海抜800メートルにある伊香保温泉は、真夏でも日陰に入ると意外に涼しく、旅館街の細い路地を散策、木造四階建ての趣のある旅館が目に付きました。この旅館が横手館で、細い路地と大正時代からの木造4階の建物は、伊香保温泉を代表する風景で、伊香保温泉紹介のポスターにもここの写真がよく使われます。
 
 直ぐに石段街の中ほどにでます。一番上にある湯元の伊香保神社からほぼ直線に南斜面を下っています。午前中の10時半でしたが、かなりの数の観光客が上り下りしています。夏休みということで、子どもが目に付きますが、お年寄りも若者の姿も多く、人気のある観光地であることが分かります。
 神社付近の湯元から温泉を石段に沿って流し、石段左右に旅籠を配置し、温泉を引き込むという合理的な設計・・・これが400年前のことだというから驚きです。武田勝頼が戦いで負傷した将兵の療養のために、上州を治める真田家に命じて作らせたという伝承があるようです。


 急坂の石段左右には、射的場や土産店、食堂が並び、大変風情ある温泉地です。全国各地の温泉地を訪れていますが、伊香保温泉の石段街は、その中でも最も絵になる温泉地でしょう。石段街の中ほどのわずかな広場で大道芸人が芸を披露していました。一日3回、定期的に公演しているようで、石段街の雰囲気に華を添えていました。(冒頭の写真)

温泉に入る:
  伊香保温泉は数年前、泉質偽装がマスコミに大きく取上げられましたが、石段街の中ほどにある立ち寄り湯「石段の湯」は正真正銘の茶褐色の「黄金の湯」です。建物は最近建て替えられ、石段街にマッチした造りになっています。露天風呂がないというところが、かえって「黄金の湯」を大切に扱っているのだと好感が持てます。
 「黄金の湯」の湯量が年々減少し、最近掘り当てた無色透明の「白金の湯」も引湯されていますが、これが水道水を沸かすだけという偽装につながったようです。
 私が立ち寄り入浴をしたホテルでは、「黄金の湯」は小さな欲槽ひとつだけで、他の風呂や露天風呂はすべて加熱、循環の「白金の湯」でした。しかし、きちんと浴槽ごとに泉質表示がされていました。

食べる:  
 石段を一番上まで登ると右手が湯の花饅頭発祥の勝月堂です。午前中にもかかわらず店先で食べている人、土産に買い求めている人で賑わっています。初代が東京上野の風月堂で修業し、明治の中頃に開業したとのこと・・・始めの頃は黄金の湯で饅頭の茶褐色の色を出していたとのことです。当時、伊香保に在った天皇家御用邸に饅頭を納めたことから、伊香保を代表する土産物となりました。勝月堂の名前の由来ですが、初代の名前の一字と修業をした風月堂を組み合わせたのでしょう。
 
 昼食には水沢うどんを味わわれたらどうでしょうか。日本三大うどんといえば、香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどん、そして群馬の水沢うどんです。群馬県はわが国有数の小麦の産地、本州では第一位を誇ります。夕食としてうどんを食べる家庭が多く、群馬産100パーセントのうどんを学校給食で出す取り組みもされているとか・・・呼び名の由来ですが、伊香保温泉近くの水沢観音への参詣者に提供したのが始まり、400年の歴史があります。刈り入れは梅雨直前の6月・・・これも群馬の風物詩です。
 伊香保温泉バスターミナルから水沢観音までは、本数が少ないですか、路線バスが出ています。なお、水沢観音から渋川駅へは水沢入口ビジターセンター前まで20分ほど歩き、そこからバスを利用します。

関連サイト:
伊香保温泉観光案内http://www2.wind.ne.jp/ikaho/
横手館http://www.yokotekan.com/
石段の湯http://www.joy.hi-ho.ne.jp/ma0011/T-Gunma20.htm
水沢観音http://www.mizusawakannon.or.jp/home.htm
水沢うどんhttp://www7a.biglobe.ne.jp/~tamaruya/rekishi.htm

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伊豆・土肥へ海水浴・・・ 電車・船で行く旅の今昔レポート

2008-08-18 05:12:27 | Weblog

実に55年ぶりの海水浴です。
今まで何回か故郷土肥を訪れていますが、混雑する夏は避けていました。
中学生の頃まで、毎年のように土肥の親戚の家に泊まり、ひと夏土肥の海で泳いでいたものでした。「雷が鳴ると、梅雨が明けるのは間近だ」という祖母の言葉に、「いよいよ夏休み・・・土肥へ行ける!」と心が躍ったものです。当時の子どもは、塾もなければ、部活も学校のプールもなく、夏休みは学校生活から完全に開放されましたから、親の故郷の田舎で過ごす子どもも多かったのです。

お盆の8月13日からの二泊三日の旅です。孫と一緒の海水浴ということで荷物が多く、私だけが電車で出かけることになりました。実のところ、55年前の旅を再現したかったのです・・・。

沼津駅まで普通列車で行きました

東京駅から東海道線で沼津駅まで3時間、沼津港から東海汽船で土肥へ1時間半の船旅というのが当時のルートでした。今回は、新宿駅から小田急電鉄で小田原駅へ、そこで東海道線で熱海駅まで行き、乗換えで沼津駅へという3時間の旅です。東海道線がすっかりローカル線化して、沼津に行くには熱海駅乗換えとなるのです。新幹線利用なら1時間短縮できますが、今回はあえて昔と同じ3時間の旅の再現です。

 小田原駅で東京発熱海行の電車に乗り込みました。お盆ということで、海水浴に向かう子ども連れの家族や若者でほぼ満員です。そこで、左側の窓辺に立ちました。小田原駅を出発すると次の早川駅から根府川駅へと車窓まじかに相模湾の海が見え,土肥の海に思いを馳せていたことを思い出したのです。
 熱海駅で多くの乗客は東伊豆に向かう伊東線に乗り換えるホームに向かいましたが、ここで熱海始発の静岡行の電車に乗り換えです。国内第二位の長さを誇る丹那トンネルを抜ければ、函南駅、三島駅、そして沼津駅です。

沼津駅のホームは55年前とあまり変わっていませんでした

ちょうど御殿場線と相互乗り入れの新宿行の小田急ロマンスカーが停まっていましたが、これがなければ55年前にタイムスリップした趣です。
 駅から港までタクシーで10分足らず、昔は港湾(沼津港)まで歩いたものですが、手荷物を持っての真夏の炎天下の40分の道のりも苦になりませんでした。途中、港湾から駅までの魚の運搬列車の線路が目印になり、これを越えるとホッとしたものです。

 港に着くと、30名位の乗船客が船を待っていました。以前は東海汽船の松崎行きの汽船が待機していましたが、出発20分前にもかかわらず、船の姿が見えません。切符売り場で尋ねると、東海汽船は3年前に運行を取りやめ、現在は戸田のホワイトマリーン号が土肥までを運行しているとのこと「大手の東海汽船が潰れ、ウチのような小さな会社が代わりをするとは・・・」と冗談ぽく話されていました。

ホワイトマリーン号は小型快速艇です

ホワイトマリーン号は戸田を経由して1時間で土肥に着きます。昔は1時間半かかりましたから、大変なスピードアップです。小型の船舶で、操舵室が先頭上部にあり、その下が客席、後部にデッキという構造・・・航海中は波を左右に切り裂くように疾走しますので、波しぶきが後部デッキにシャワーのように飛んできます。

大瀬崎から戸田、土肥までの海岸線は切り立った崖が続き、美しくも厳しい景観を見せています。波しぶきを浴びながらの涼しいデッキの上から、遊覧船気分の船旅を楽しみました。
 ホワイトマリーン号は喫水の低いモーターボートのような船体です。スピードは出ますが、揺れが大きく、乗客が船酔いしやすいという特性があり、波が高くなりやすい戸田から土肥の間の航路では、船長判断で運行を取りやめることがたびたびあります。現に、翌日、14日には第3便から休航となりました。

小田急ロマンスカー、ホワイトマリン号の定期運行は廃止されました

今年、夏季限定の遊覧船が運行されることになりました

 首都圏から駿河湾フェリで土肥へ


土肥海岸は安全、清潔な海水浴場です



これが土肥の海水浴場です。昔はなかった、50メートルほどの波除ブロックの防波堤が二つ、海岸を護るように敷設されています。波のうねりで、ホワイトマリーン号が休航となった14日でも、海水浴場は海水浴を楽しむ人でいっぱいでした。

 砂浜には、100メートル間隔で三つの監視やぐらが立ち、三人一組の若者が待機、海水浴客に何かがあればすぐに出動できる態勢をとっています。地震警報や雷警報があれば、町から無線が入るようになっているとのことです。また、波除ブロック付近にはサーフボートで三人のライフセーバーが泳ぎながらパトロールしており、海水浴客の安全がきめ細かく護られている体制には感心しました。

首都圏の各大学のライフセービング部の3年生が協力して、市営の海の家を拠点にして活動しているとのこと、活動開始から10年以上の歴史があり、その間、死亡事故につながるような重大事故は起きていないということでした。

 大学生は、海岸の清掃活動にも従事、毎日、午後4時から海水浴客にも呼びかけ、ゴミ集めをしており、海岸の一角に設けられた市の環境整備部係員が常駐しているゴミ集積場に集められ処理されています。
翌日早朝、海岸を散策しましたが、ブルトーザーで海岸は整地され、ゴミ一つありませんでした。ちょうど午前6時にライフセーバーの若者たち15,6人がジョッキングを終えた後、朝の集会を開いて今日一日の活動に備えていました。

     

 若者を見ていて、太平洋戦争のさなか、海岸で行われた運動会を思い出しました。予科練の若い兵士たちが、土肥に演習に来た時のことです。民泊している家の子どもを背負い、徒競走・・・そのたくましい背中に必死にしがみついていました。 

焼津の花火大会の花火が見えました

 夜、旅館の部屋から遠く、駿河湾越しに花火が見えました。後で調べると8月14日の焼津海上花火大会でした。焼津は土肥から40キロほど駿河湾で隔てられていますが、さえぎるものが何もない海上のこと、打ち上げ花火なら見えるのです。

 花火を見ていて、これも戦時中63年前のこと、小学校一年の時の体験を思い出しました。深夜トイレに起きたときのことです。何気なく、便所の窓から海を見ると、対岸が真っ赤に燃えていたのです。昭和20年7月30日、清水が米軍の艦砲射撃を受けた日のことです。
 
 花火大会の打ち上げ花火と艦砲射撃で燃える街の炎・・・今が平和の時であることをしみじみと実感しました。





土肥へのアクセス情報:
往路: 新宿(小田急)→小田原(JR)→沼津(タクシー)→沼津港(ホワイトマリン)→土肥
 5,090円(850円・740円・1000円・2500円)
帰路: 土肥(中伊豆バス)→修善寺(伊豆箱根)→三島(JR)→小田原(小田急)
→新宿
 3,280円(1280円・500円・650円・850円)

 *小田急特急870円、東京駅からJR710円、新幹線2390円加算 (片道運賃)
 *ホワイトマリン号運行状況を熱海駅時点で営業所に確認、欠航なら三島駅で乗換、修善寺より
  バスで。戸田港で運行中止になった場合は、タクシーで(約6,000円)。
 *名古屋中部地方からは、清水より土肥へのフェリーボート利用が断然便利。
*東京から車で行く場合は、沼津ICで降り伊豆半島に向かう。
  ただし、夏は渋滞するので、清水ICまで進み、フェリーボート利用が快適。

伊豆縦貫道路が修善寺までつながり、土肥までの陸路がグッと便利になりました。次のページをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/masa4439er/e/5febda13f72dab9987951e0b3efdca10


土肥の街の詳しい案内は西伊豆・土肥を散策しましたを,土肥の名産白びわについては土肥に究極の白びわがあります津波対策は西伊豆・土肥の津波対策は万全でしょうかをご覧ください。

関連サイト:
 戸田運送船ホワイトマリン(沼津・土肥)http://www.hedaunsousen.com/
 エスパルスドリームフェリー(清水・土肥)http://www.dream-ferry.co.jp/

 

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尾瀬へ・・・トレッキングと温泉を楽しむ一泊二日の旅

2008-08-07 10:32:04 | Weblog


首都圏から、尾瀬に入るのには二つのルートがあります。群馬県片品村から鳩待峠、富士見峠、三平峠へと尾瀬の南側から入るルートと、福島県桧枝岐村から沼山峠を越えて北側から入るルートです。今回は、東北道を走り、塩原、南会津を経て桧枝岐村に入る片道260キロのドライブの紹介です。

 このドライブの特徴は・・・
○ 比較的空いている東北道を走ります
○ 三つの峠を越える高原ドライブを楽しめます
○ 海抜1400メートルの尾瀬沼を一周するハイキングがメインテーマです
○ 燧ヶ岳登山に挑戦するルートも選べます
○ 江戸時代から続く、静かで、鄙びた南会津の湯の花温泉に宿泊します


東京から桧枝岐村へ・・・
 、尾瀬保護財団http://www.oze-fnd.or.jp/main/access/access1/access1.htmlのサイトをご覧下さい。

 東京を午前4時には出発します。2時間で西那須野塩原ICです。ここから塩原温泉(400号)・尾頭トンネル、会津西街道(121号)・山王トンネル、沼田街道(352号)・中山トンネルを通り、桧枝岐村まで2時間です。
尾頭峠、山王峠、中山峠と三つの峠を越えますが、冬季には難所となるこの峠越えも、春、夏、秋には快適なドライブルートです。南会津の最高地点である中山峠を越えてからは、会津高原となり、舘岩川の渓谷沿いに点在する集落を結ぶ南会津の昔ながらの街道を走ります。
 途中、中間点の松戸原の信号を左折すると、宿泊予定の湯の花温泉まで10分です。
 
桧枝岐村から御池(みいけ)駐車場へ・・・
 (尾瀬への交通案内のサイトをご覧ください
 http://www.oze-hinoemata.net/koutukisei/koutukisei.htm

 尾瀬に入るには駐車場からシャトルバスを利用します。御池駐車場(1000円)が満車(収容400台)の場合は、桧枝岐村近くの七入(なないり)駐車場(無料)からシャトルバスを利用します。
 桧枝岐から七入を経て、御池までは30分のドライブです。七入からカーブが連続する山道で、ブナ平まで一気に上り、すぐに御池駐車場に到着です。過日、尾瀬観光帰りのバスが、このカーブで転落事故を起こしました。
 御池からシャトルバス(530円、七入からは780円)が20分~30分ごとに、沼山峠休憩所まで運行されています。

 5時間の尾瀬沼一周ハイキングへ・・・ 
 (尾瀬保護財団の地図をご覧ください
 http://www.oze-fnd.or.jp/main/banner/download/download1files/trekking%20guide.pdf

沼山峠休憩所から直ぐに歩道に入ります。原生林の中を30分ほど上ると沼山峠、尾瀬沼が見えてきます。ここからは明るい道を一気に下ると大江湿原で、季節ごとの花、ニッコウキスゲ、ワタスゲの大集落や高山植物が目を楽しませてくれます。30分で、尾瀬沼の辺にあるビジターセンターに到着、ここで一息入れます。
 ここから尾瀬沼一周のハイキングに出発です。来た道を少し戻り、沼の北岸コースを沼尻平に向かいます。原生林の中を縫うように尾瀬沼に沿って歩きますが、樹木に邪魔されて、見晴らしはよくありません。ところどころ小さな湿原があり、高山植物の草花が目を楽しませてくれます。60分ほどで、沼尻平休憩所に到着です。

 沼尻平は燧ヶ岳の南の裾野に広がる湿原で、ここから見る日本百名山の燧ヶ岳がこのルートのハイライトです。休憩所付近は、昼食を取ったり、写真撮影をするハイカーで賑わっています。
 ここを西に直進すると尾瀬が原ですが、今回は尾瀬沼南岸コースをたどります。北岸コースと異なり、燧ヶ岳と尾瀬沼の風景が楽しめる明るいルートが続きます。富士見平、三平峠へのルートの分岐点を通り過ぎると、出発点のビジターセンターに到着です。北岸ルートの倍の距離がありますが、見晴らしの良いコースが続き、時間の長さを感じさせません。沼尻平から2時間ほどでビジターセンターに・・・ここで一息入れ、沼山峠に戻ります。

御池から燧ヶ岳に登る7時間の周遊トレッキング・・・

 御池駐車場の西側から三条の滝に向かう燧裏林道が延びています。その脇に燧ヶ岳への登山口があります。入ると直ぐに、まったくの山道となり、雨上がりなどはぬかるみとなり、岩が階段状に重なり合う足場の悪い山道を、原生林の中の薄暗い道を登るだけですが、所々で会津駒ケ岳を樹木の間から見ることができます。体が慣れていないうちの歩き始めの上、見晴らしはあまり利きませんので、あえぎながら登るだけという苦行になります。

 1時間ほどがんばると、突然視界が開けます。ここが広沢田代で、湿原の中に木道が燧ヶ岳山頂に向かって伸びていきます。高山植物が咲き乱れる美しい風景にホッとするところですが、頂上までの三分の一の行程にしか過ぎません。前回の山行では、友人の一人がこの地点でギブアップ、一人で広沢田代で写真撮影を楽しんだ後、御池まで戻り、そこで私たちを待ってくれることになりました。
 次のビューポイントである熊沢田代までの1時間は、体も登山に慣れてくる上、周囲の見晴らしが楽しめますので、最初の1時間に比べると楽な登りに感じます。熊沢田代でようやく行程の三分の二です。頂上までは直ぐのように感じますが、ここからがキツイ登り、特に頂上直下では、急坂の上、ガレ場となり、滑落しないように注意しながらの登りとなり、1時間30分見ておきましょう。
 

 頂上からの眺望は素晴らしいの一言に尽きます。南には、関東以北で最高峰の日光白根山(2578m)が火山特有の山頂を見せて聳え、眼下には尾瀬沼、尾瀬が原が広がり、西には、尾瀬を代表するもう一つの名山・至仏山(2228m)が控えています。北には、会津駒ケ岳(2132m)が大きな山容を見せ、東には、日光、那須連山が遠望でき、白根山に続く第二位の2346mの高峰の頂からの眺望だけのことはあります。
 尾瀬方面へは4本の道が下っていますが、一番の東側の、尾瀬沼、ビジターセンターに至る長英新道を目指します。比較的ななだらかな登山道で、林間の明るい道を1時間30分ほど下ります。やがて尾瀬沼北側ルートに合流、ここを左に30分ほど行くと、ビジターセンターです。ここで一休みして、沼山峠休憩所まで戻ります。

鳩待峠から尾瀬ヶ原に入るルートについては「尾瀬ヶ原と日光湯元を散策」をご覧下さい。
また、アクセスや入山規制については、尾瀬保護財産http://www.oze-fnd.or.jp/main/access/access1/access1.htmlのサイトをご覧下さい。


宿泊は湯の花温泉で・・・

 尾瀬の山小屋の混雑を避け、トレッキングの疲れを取るには、御池から1時間ほど戻る南会津・湯の花温泉での宿泊を薦めます。
 海抜700mにある集落で、夏涼しく、秋の紅葉も美しく、温泉豊富な南会津の集落です。静かで、鄙びた集落で、湯良し、食事良しで、きっと尾瀬の旅の思い出となるでしょう。

宿泊情報は:

南会津観光協会のホームページの旅館・民宿案内を・・・
 http://www.minamiaizu.org/kanko/onsen/

私が推奨する湯の花温泉「旅館末広」の情報は:
 http://suehiro-yunohana.jp/

奥会津・南会津に関する私の他のブログもお読みください。

水引の雪下ろし
南会津・・・登山、スキー、温泉、蕎麦
奥会津・冬の生活(スクールバス)
奥会津・冬の生活(ゴム長靴)
長距離バスと列車で行く奥会津
奥会津・柳津を訪ねる
昭和村散策
観光バス転落事故に思う
「会津高原尾瀬口駅」紹介
南会津は大雪
冬のドライブは安全に
電車で行く南会津




 

 
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