新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

岸田総理、奮起して下さい

2022-04-29 08:28:14 | コラム
ウクライナが我が国を漏らしたのは国力の低下の象徴ではあるまいが:

ウクライナ政府が援助と支援に感謝を表す旨の動画を投稿した中に、またもやと言うべきか何と言うべきか、日本国が無かったのだそうだ。ウクライナ政府は後刻韓国と共に追加で我が国も入れたそうだが、何とも虚しいものを感じた。それは、湾岸戦争の後の2018年にクウェートが感謝を表した国の中に我が国が無かったのと同じような性質の出来事のように思えたからだ。

勿論、その背景には憲法云々で縛り上げられている(と言うか自縄自縛していると言いたい衝動に駆られるが)のもさることながら、専守防衛だとか、集団自衛権を発動しないとか、敵基地攻撃能力という名称が良くないとか、核心を外したような議論ばかりが横行している状態を「これでもか」とばかりに見せ付けられては、諸外国の目にも「日本国頼むに足らず」とか「日本の時代は終わっている」のように看做されるのではと感じられるのだ。

また、その状況のところに「何れはやってくるだろうと見ていた¥130台の円安が発生したのだ。私は¥130が何年振りかと騒ぎ立てるよりも、未だ先がありそうだと憂うるのが先だと思うのだ。現在のエネルギーに始まる諸々のコスト上昇による止むを得ない物価上昇、止まらないデフレ、上がらない(上げない)給与水準、防衛費の2%引き上げでもたつく自民党と国会を見れば、「円売り、アメリカドル買い」は当たり前過ぎる流れではないか。私には「国力低下」の表れのように残念至極に思えてならないのだ。

更に言えば、岸田内閣誕生後の6ヶ月間に国の内外の情勢で好転した案件は一つとして見当たらないのだ。この現象には岸田総理とその内閣に原因があるとは言わないが、ここまでに至ってしまう前に何か先手を打っておける事があったのではないかと言う気もするのだ。忌憚のないところを言えば、事が起きてから慎重に検討して対処するばかりで、モグラ叩きにもなっていなかったのではないだろうか。円安傾向に流れていくことなどは予め明らかだったのだから、何らかの手は打てた気がしてならないのだ。

先日語り合った某大企業の元副社長は、彼らの間では「アベノミクスの負の面が出てきてしまった」と見ているそうだし、「円安の流れは止まらないだろうし、ウクライナの動乱にも何時終わるのかの見通しが立たないと見られている」と、先行きの見通しは明るくないことを聞かせて貰えた。私には製紙業界では円安という環境下でも貿易面では出超となっているのは、苦しくても輸出に頼らざるを得ないほど内需が不振だということだが、この現象は他の産業界でも同じではないかと見ている。

元副社長氏は私が唱え続けている「経営者の質の劣化が今日に至るまでの景気の不振の一大原因」という説を否定しようとはしなかった。だが、彼の会社は多様化(現在流行っているカタカナ語では「ダイヴァーシテイ」か)が功を奏して順調だそうだ。

岸田総理、国力を盛り上げるよう奮起して下さい。


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