新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

“security”を考えると

2022-06-23 07:58:00 | コラム
誰が“security”を「安全保障」にしたのか:

来たるべき参議院議員の選挙では、物価高対策と安全保障を論点とする争いが展開されると報道する向きがあった。物価高にどのように対処してくれるかには大いに関心がある。だが、それは参議院だけで対応する問題ではなく、国を挙げて「これ以上悪化しないように最善の努力をすること」であり、参議院の議員の方々に背負わせる課題ではないと思う。

安全保障、即ち英語で言う“security“にしても同じ事だろう。防衛費をGDPの2%にするか否かだけでも「外交力で解決する」と主張する政党までくるのが我が国の「安全」に対する国会議員たちの物の考え方だ。こんな事では迂闊に彼らにお任せしようという気にはならない。私は国民に向かって広く「我が国の安全がどれほど危うくなりつつあるか」を認識して貰うべく動いて貰いたいと思っている。私は我が国がそれほど安全ではないと危惧しているから。

また英語のことを言うのかと思われるだろうが、委細構わずに論じていく。私は英語の“security”(「セキュアラテイーが本当の発音だ」)を何処の何方が「安全保障」と訳し、全国津々浦々に普及させたのかと不思議に思っている。誤訳とまでは言いたくはないが、かなり大胆な意訳でなければ、勝手な拡大解釈である。

Oxfordによれば“the activities involving in protecting a country, building, a person against attack, danger, etc.”とあり、例文には“national security (= the defence of a country)と出ている。即ち、国を守ることで「国防」のことだ。それを「安全保障」としたのだろうが、「保障」とは広辞苑には「ささえ防ぐこと」とある。私にはsecurityを勝手に拡大解釈したとしか見えない。それでは「お為ごかし」ではないか。「国防」で何処がいけないのだろうか。

理屈を言っている場合ではないと思う。「中国、北朝鮮、ロシア等から如何にして我が国を守るのか」という事が焦点であるべきだろうが、そう言っては角が立つとでも考えているのではあるまいな。2%を5年以内にと掲げているような自由民主党にも「それで良いのですか」と尋ねてみたい気がする。答えが「慎重に検討中」かも知れないが。

筆者注:余談である。文中にOxfordにdefenceとあったのでそのまま引用したが、アメリカ製のソフトではしつこく赤線を引かれてしまいdefenseにせよと言ってくる。これが英連邦の英語とアメリカ語との違いである。



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