新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

お盆の帰省は各自の判断で

2020-08-06 09:25:36 | コラム
明瞭なようで意味不明の尾身分科会長の記者会見:

昨5日に、尾身分科会会長は西村康稔大臣に先駆けて「お盆の帰省はそれぞれの方の判断で」と言われ、「高齢者に感染しないように十分に配慮して、親戚一同集まって宴会などしない方が」とも念を押されていた。何ら命令も要請もされずに、各自の判断に任せるという、誠に結構な民主的な提言のようだった。

しかしながら、私にはほぼ意味不明のようにしか聞こえなかった。と言うのは「帰省する」とされた人たちは何処から何処に帰るのかが明確ではなかっただけではなく、何処かから(東京からか?)帰省される人たちは「ウイルス感染者である」との前提で提言されたようにしか聞こえなかったからだ。確かに、東京都内の感染者の比率は全国平均よりも高いので、地方で敬遠されるだろうとは理解できる。だが、まさか帰省する人たちが家族ぐるみで感染者ではあるまいと思うのだ。それに、帰省する人たちは東京からだけなのだろうか。私にはその辺りが明快ではなかった。

私事になるが、私は昭和16年に東京から藤沢に疎開を兼ねて転地療養していた。ところが、昭和20年4月に東京に残してきた家がアメリカの空襲で全焼してしまったので、帰るはずだった家も家財も失ってしまった。今では永年お世話になっていた藤沢市から東京都区内に戻っているが、帰省すべき故郷がないのである。そこで、尾身氏の提言も、後出しになった感がある西村康稔大臣の帰省に関する声明も、何処か余所の国の話のようにしか聞こえず現実感がないのが残念である。少なくとも、現時点で私は感染者ではないのだが。



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