新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月11日 その2 平野歩夢君に触発されて

2022-02-11 16:30:14 | コラム
英語とカタカナ語を考えて見た:

先ずは「平野歩夢君、お目出度う」と言っておこう。「君は偉い。世界一なのだ」と褒めておくべきだと思う。

本11日には何となく合わせたチャンネルで、「スノーボード男子ハーフパイプの決勝戦」を途中から見ることになった。テレビでも新聞でも平野歩夢君の「金メダル」とやらを騒ぎ立てているのを私独自の見方からすれば「彼らが持て囃すと碌な結果が出てこない」のである。そこで、中間の成績はと見れば、1回目の試技では33点台だったので「だから言ったじゃないか」とぼやきながら見続けることにした。だが、閃きでも何でもなく「同じ事なら、彼に勝たせてやりたいな」と考えていた。

この競技も夏の大会等でも人気種目になっているスケートボードによる種々の離れ業は、私のような超後期高齢者で団体競技出身者には、何処がどう凄いのか殆ど理解不能だった。張本勲式に言えば「あんな危険なことやって何が面白いのか」となってしまうのだ。それに、このような身体能力を競うような競技の多くはアメリカがその発祥なのだろうと思わせてくれるように、業界(ってあるのだろうか)の用語乃至は専門語が須く英語なのだ。そこで、この競技を中心に英語とカタカナ語の考察をして見ようと思うに至った。

*ダブルまたはトリプルコーク:
これを初めて聞いた時には「何で高く飛び上がると“Coke”即ち“Coca Cola”が2杯出てくるのか」と当惑させられた。冗談半分に言えば「何故Pepsi Colaではないのか」とすら考えていた。そこで、何気なく調べてみれば、それは“Doubleかtriple cork”だったのだ。しかし、これでは中途半端な説明で、省略せずに言えば“Double cork screw”のことのようなのだった。

ここまで来ると、カタカナ語排斥論者の登場なのだ。その前にcork screwとは「栓抜き、コルク抜き」のことで、この栓抜きは螺旋状になっているので、演技者が螺旋状に回転するということを表しているようなのだった。しかしながら、通常のカタカナ語ではcorkは「コルク」となっているのにも拘わらず、この競技では原語の発音の儘になっていたという仕掛けだった。言いたくはないけれど「気取って『コークスクリュー』なんて言うなよ」なのだ。

そもそもcorkを始めから「コルク」としないで素直に「コーク」としておけば、私が混乱させられずに済んだはずではないか。また、解説者もアナウンサーも競技開始の前にこれくらいの用語の解説をするのが、本当の親切ではないのだろうか。

*トリック:
初めて聞かされた時には、これにも惑わされた。と言うのも“trick”とは、ジーニアス英和にもいきなり出てきているように「計略や策略や誤魔化すこと」なのだから。先の東京オリンピックではスケートボードでアナウンサーが「次のトリックは」などと紹介するので、選手たちが何か詭計でも見せてくれるのか」などと考え込まされていた。しかも、スノーボードのハーフパイプの計略はスケートボードの非ではない大技の連発で、空中高く(12mに達するのだとか)舞い上がるのだった。

そこで、ここで使われているtrick(=トリック)には何か別の使われ方でもあるのかと思って調べてみた。確かに英和辞典には「妙技」や「芸当」という意味は出てくるのだが、あの試技というか演技はとてもそんなものでは表現しきれないものがあると思うのだ。スケートボードは兎も角、平野歩夢君がやって見せたアナウンサーが興奮気味に言った「人類として為し得る限界の演技」は「妙技」などと言うより「離れ業」と意訳するのが適切ではないのと思うに至った。

ここでも上記と同じ事が言いたいので、アナウンサーか解説者が事前に専門語の説明をしておいて欲しいのだ。彼らが職務上専門語や隠語に通じていることは理解出来るが、一般の視聴者や時代に遅れた高齢者には「ダブルコーク」と言われたら、「コカコーラを2杯かな」など思う以外には、理解しようがないのだ。話は違うが、ラグビーには戦前から馴染んできた私にも「オフロード」だの「ジャッカル」などと放送されても理解出来ないのだ。



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