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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月8日 その3 トランプ大統領の意思の疎通は諦めるしかないのか

2025-07-08 14:25:42 | コラム
この度のトランプ大統領の25%を通告の書簡には虚しさだけが:

今回のトランプ氏の相互関税率を通告する書簡で示した態度は「彼の無茶な姿勢はついにここまで来たか」と痛感させられた。「最早、この人物には何を言っても無駄だな」という虚しさを再認識できた。彼の主張には論理が欠落しており、経験不足と無知から生じる感情と打算で成り立っていると読んだ。

あのような「アメリカに売り込んだ日本が悪いのであり、必要に迫られて輸入した自国の責任を全く認識できていない態度」には言うべき言葉すら思い当たらなかった。その発想を止められなかった閣僚も側近もdummy(言いなりの飾り)でしかなかったことが立証されていたではないか。いや、浮き彫りになってしまった。ベセント財務長官もUSTR代表も恥を知るべきではなかろうか。

「アメリカに売り込んだ日本が悪い」という認識というか、いびつな物の考え方は極めて倒錯した論理ではないか。実際には、アメリカが自らの市場原理と、国内製造業の空洞化で内需を満たすことが不可能になったが為に、輸入せざるを得なかったのではないか。しかも、国内の労働力の質に問題があった為に、自動車のように良質の輸入車に市場を占拠されたのではなかったか。

国内の事情で進んで輸入していたにも拘わらず、それを後から「損をさせられた」であるとか「不公平だ」と言い出すのは不当である。全く筋が通っていない。ましてや、日本が過剰に輸出してきたのではなく、アメリカが内需を充足すべく過剰に輸入していただけだと、私は認識している。即ち、貿易赤字は日本の責任とするのはunfairなのである。

「輸入したくて輸入しながら文句を言うのか」と、我々対日輸出に努力していた会社では、1990年代に入る前からこう言って笑っていた。自ら進んで買い求めて消費しておきながら、その後になって「これは相手国のせいだ」と責任転嫁するのは、世界最大の経済大国が言うべき事ではない。アメリカも右ハンドルで小型の乗用車を作って、輸出に努力せよと指令するのが大統領の責務では。

トランプ大統領のように、「相手が悪い」であるとか「自国は貪られた被害者」という古き誤解に満ちた構図に固執する限り、同盟国以外とでも正常な貿易取引は成り立たなくなるのではないか。我々が最も重要視して努力を集中したことは、取引先との信頼関係の確立だったのだ。トランプ大統領には「信頼無くして何の国際親善で貿易関係か」と言いたい。この点を可及的速やかに理解させるのが側近の急務だ。

私はトランプ大統領は前期の就任以来「他国と交渉することと、責め立てることとの区別がついていなかっか」と疑っていた。英語にすれば、“He has always mistaken bullying for negotiation.”とでもなるだろうか。今回の書簡もこの延長線上にあるのではなかろうか。私はここでも石破首相に「50議席確保を捨ててもDCに赤沢氏を伴って飛んで行って貰いたい」と進言して終わる

7月8日 私が勧める英語の勉強の仕方」

2025-07-08 11:11:37 | コラム
英語とは異文化の国の言葉であることを忘れないよう:

文化が異なるとはどういう事かという基本から:
*逆さの文化:
そこまで日本とは反対なのかという例を挙げれば。
姓名   日本では名字が先なのに対して、英語圏では名前が先というfirst name firstである。
住所   日本では東京都新宿区と広い方からで、英語圏ではSeattle, Washington, USAとなる。
通行   日本では車は左側に対して、アメリカは右側となる(英連邦系では左側)。
年月日  日本式は令和7年7月8日で、アメリカではJuly 8, 2025 と年が後にくる。
手招き  日本式は掌が下向きで、アメリカでは上向き。

思考体系 日本には八百万の神が存在し柔軟であるのに対して、アメリカは一神教で二進法なので「イエスかノーか」が明確。
謝罪   日本では潔く自己の非を認めて謝罪するが、西欧の文化では認めて謝る習慣が無い。

*具体的な勉強の仕方:
基礎を固めることが極めて重要だと認識しよう、
(1)発音   正確に耳から入れて、綺麗にできる人の真似をしよう。これが聞き取り(hearing)の能力向上にも通じる。必ずしもnative speakerから学ぶことが良いとは限らない。
(2)音読   中学1年程度の教科書を正確に発音できて読めるようになるまで何度でも繰り返そう。自分が読んでも耳から入っていくものである。この過程で暗記した表現が和訳にも英作文にも活用できるのである。
(3)暗唱   暗記できたら、暗唱してみよう。暗記できていれば文法も自然と身についているのだ。
(4)英文解釈 「答えは一つ」に執着せずに、誰にでも解って貰えるように柔軟に日本語で作文するような気構えで行こう。
(5)英作文  ここでも「答えは一つ」に縛られないこと。自由に書こう。しかし、文法は厳守が大原則である事を忘れないように。
(6)文法   文法が先に出来て、後から言葉を嵌めたのではない。文法を正確に守ることが知性と教養を表すと思ってほしい。中学1年程度の英文を正確に記憶して読めるようになっていれば、文法は自然に後からついてくると思うこと。間違ってしまえば「違った」と解るようになるまで読み込むことが肝心なのである。

*会話の勉強法:
音読して暗記して蓄積してあった言葉や表現を何とか思い出して、繋いでいけば会話は出来る。音読を重ねて、正確に暗記した文章も表現も文法の枠から外れていないと承知していてほしい。残された課題は「慣れと度胸」であるが、聞き取りも慣れる以外にはない。これも基礎のところで正確な発音で出来て、聞こえるようになっていれば良い。

但し、英語には連結音(liaison)とr-linkingがあって、前の単語の最後の字が次にくる単語と連結するのが困ったこと。日本の英語教育の過程ではこう言う読み方を教えていないようなので、native speakerたちの中に入ると「話が何処で始まって何処で終わったのかが聞き取れなくなるのは普通のこと。これには慣れるしかないのだが、学校でキチンと教えるべき点だろう。

しかし、英連合王国系と、アメリカとはかなり発音が違うし、双方ともに訛りも方言もあるので、とても学校教育で教えることが出来る性質ではない。私の主張はアメリカ系とKing’s Englishの中間のような発音が日本人には最も適しているという辺り。ではあっても、UKのロンドン訛り(London Cockney)やオーストラリアとニュージーランドの英語はお勧めしない。同様にアメリカの南部訛りも推奨しない。

*注意点:
(1)全くの異文化英連合王国系とアメリカでの言語であることを絶対に忘れないこと。即ち、「日本語の発想で英語の世界に入って行ってしまうと通用することはない」のである。しかも、日本語には漢字という表意文字があるのに対して、アルファベットは表音文字なので、一覧性が乏しいのも、我々にとっては難関となるのだ。

(2)話しても書いても「なるべき簡単でわかりやすい言葉を沢山使って平易な文章にすること」が、何と知性と教養の印なのである。難しい文語調の単語を使うと、一寸格好が良いような気分になるが、未だ上手く話せない人が難しい単語を引用するとか、熟語や慣用句を使うと違和感を生じるのだ。まるで「木に竹を接いだ」ようになってしまうから。

以上、英語とその応用編である会話を学ぶ際の「基本と基礎」と信じている事柄のみを取り上げた次第。


我が国に課す相互関税率を25%とXで公表

2025-07-08 06:38:59 | コラム
トランプ大統領が断固して往く我が道を誰が塞ぐか:

今朝4時のTBSのニュースで25%だと知った。追加の情報では、25%はreciprocal tariffsのみのことで、自動車その他は話が別だと主張しているとか。しかも、対抗措置を採れば税率を高めるとまで言っておられる模様。何処まで小心者であることを露呈すれば気が済むのかと、極めて不快な気分にさせられた。嘗ては世界を牽引した国で世界の警察だったことをここまで放棄する気かと嘆く前に呆れた。

我が国の経済は最早「輸出依存」ではないと理解するが、自動車に25%かそれ以上も賦課されれば、石破さんが表現された「国難」の度合いが非常に高くなると同時に「車会社難」は際立ってくるだろう。また、関連の大中小の業界にとっては「大災害」になる危険性は極めて高いと見る。残るは「アメリカのトヨタ車愛好者が、何処まで値上げされるだろう国産車よりも高い価格に耐えてくれるか」ではないかな。

東京国際大学副学長のクラフト氏は「トランプ氏の知識は50年も前のことが多い」と指摘されたが、トランプ氏の政策の朝令暮改はそれ以上に国内外に害を及ぼすだろう。私が知るアメリカには国産品が無い製品や商品など幾らでもあった。また、中国製に依存しすぎている衣料品と雑貨などは数え切れないほどある。その辺の実態を何処まで把握されて、tariff作戦に出たのだろうか。疑問に思うよ。

トランプ様が「貿易赤字削減」を図られるのは正しいと思うと既に指摘した。だが、毎度の事でトランプ氏の手法とその意図の表現の仕方が稚拙だし、乱暴すぎるのが難点だ。極言すれば「アメリカ国民が日用雑貨の入手が困難になりかねない手法まで駆使して赤字を減らし、関係する諸国を苦境に追い込むことが、アメリカ合衆国大統領の責務なのかと疑う。言うなれば“He does not know what he is up to.“なのだ。

つい昨日、石破さんが立ち上がってDCまで飛んで行ってトランプ氏に「閣下。貴殿のtariffその他諸々の政策には此れ此れ然々の問題点がありますから、然るべく撤回か見直しを」と進言すべきと指摘した。だが、この25%公開で甚だ遺憾ながら手遅れではないかと痛感する。石破さんに「選挙を放り出してまで、トランプ氏に奇跡に近い翻意を促す気力ありや」と問いかけて終わる。