新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

山崎豊子さんの調査能力に深甚なる敬意を

2013-10-01 08:05:32 | コラム
山崎豊子さんが88歳で亡くなった:

ご高齢であろうとは思っていたが、88歳であの凄いとしか言いようがない筆力と調査力には敬意を表する以外ない大作家だと思う。私は会社をリタイヤー後は自分で駄文を書いて発表することを好むようになり、70歳になって偶然であり止むを得ぬ事情からPCを使うようになって、読書量が視力(資力?)の年齢相応の低下もあって著しく減少した。正直なところ、これを恥じているのだが。

それでも山崎さんの「沈まぬ太陽」は連載中から熟読した。あれは小説なのだろうが、とてもそうとは思わせぬ「事実より凄し」とでも形容したい迫力を感じて、国民航空なる会社が益々嫌いになっていったものだった。実際に国民航空に擬せられた(のだろう?)会社の飛行機には、在職にシアトルまで乗ったのはお客様のたってのご要望でたった一度だけだった。その徹底的に嫌悪した理由をここに述べるのは今回の主旨ではない。

在職中の読書はアメリカないしは英語圏内の国の作家のものが主体で、それもほとんどが謂わばビジネス関係の小説だった。一例を挙げれば、アーサー・ヘイリーの企業ものである。こうするようになった理由は他でもない英語の勉強になったし、アメリカの会社の実態というか内容を綿密に調査出来ていて素晴らしいと感じたからである。特に"Money Changers"はアメリカの銀行から転出してきた同胞に「実態を良く表しているので感心した」と聞かされた。

申し上げたいことは、故山崎豊子さんの徹底した調査能力はアーサー・ヘイリーと共通するものがあるので感心し、尊敬しているという点である。週刊新潮の連載は20回文の原稿を書き上げておられたと報道されたが、その素晴らしい筆力にあらためて敬意を表すると共にご冥福をお祈りして終わる。


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