新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカとUKとのスペリングの違い

2014-04-14 07:28:13 | コラム
中央官庁名の英語表記はUK式スペリングだった:

何と言うことはないことだが、昨日テレビのニュースで厚生労働省の看板が見えた。そこには漢字表記の下に当然のように英語表記があった。これまでどういうスペリングをしているかは考えたこともなかった。念のため言っておけば「スペル」とすればカタカナ語になってしまう。

英語表記は "The Ministry of Health, Labour and Welfare"となっていた。知らなかった。「労働」はアメリカ式では "labor" と綴られる「中央」が "center" となるように。ところがUK式では労働は "labour" とアメリカ式ではない形になる。同様に中央も "centre" となっている。この他にもアメリカとUKでは異なる例はいくらでもある。

私の興味を惹いた点は我が国の中央官庁はUK式のスペリングを採用している点だった。確かにアメリカ語よりもUKの言葉が先にあったのだろうが、何故UK式に準拠したのかが面白い。1945年に中学で初めて英語を習った時にどちらの綴りで教えられたかの記憶は一切ない。だが、何時かの時点で両国間に違いがあると知った。

感想を一言記せば、「我が国の中央官庁はUK式の方が格調が高いとでも思っておられるのだろう」と疑った。だが、確かアメリカは我が国同盟国で安保条約もある。しかしながら、アメリカ人から「日本の官庁ではUK式を採用していて怪しからん」という不満を聞いたこともない。あるいは誰も注目していないだけかも知れない。

そうなると私が採り上げたい問題点は、「我が国の英語教育ではどちらの綴りを教えているのか」と「両国間に違いがあること」を教えているのかである。ヨーロッパは勿論UK式で、東南アジアに行けば香港、シンガポールはUK式だったと記憶している。中国と韓国ではどうなっているかなどはどうでも良いだろう。

W社の我が事業部に私が在職中に、ニュージーランド人でかのOxford大学のMBAである人がいた。嘗て部内の会議で副社長がホワイトボードに貼られたフリップ・チャート(「フリップ」はカタカナの造語だが)に "gray" と書いたところ、彼は立ち上がってチャートに向かって行き、憤然とした表情で "gray" を消して "grey" と書き直して、全員に拍手喝采された。

因みに、このワードのスペルチェックではUK式は修正が必要と表示される。当たり前か!


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