新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

あのような広域強盗団が現れた背景に何があったのか

2023-02-10 07:55:20 | コラム
あの4名を逮捕出来て浄化が進むと良いのだが:

私はフィリピンからの機内で、あの希代の悪の権化の如き4名を逮捕したことで、事が終わったのではなく、漸く始まったのだと思って見ている。彼ら詐欺団が海外から電話をしているとは承知していたが、あそこまで組織化して悪の限りを尽くしていたと詳細を知るに及んで「我が国でもかかる犯罪集団が出てくる」とは、想像の域を遙かに超えていた。

彼らを確保したことで、これから先にあれと同種の手口の詐欺や強盗の事件が発生しなければ、悪人共を根絶したことになるのだろう。だが、模倣犯が出現しないとの保証もないだろうと危惧している。それは、マスコミの報道が余りに具体的に彼らの手口を報道してしまったからである。同時に感じたことは、SNSだか何だか知らないが、ITC化の進展と普及の「コインの裏側」で何が起きるのかを、イヤと言うほど知らされたのだった。

次に「そうならねば良いのだが」と密かに怖れていることがある。それは、あの連中とその手下共がフィリピンの収容所内の暗闇を利用して、証拠隠滅の手段を巧みに講じていたのではないかということ。彼らは既に数十名の「かけ子」や「受け子」等が逮捕されていた以上、何時かは自分たちにも司直の手が回ってくることを予想し対策を講じた上で、金を湯水の如くに使って酒池肉林を楽しんでいたのではないのだろうか。

悲観論者の私は更なる懸念を抱いている。それは「彼らは国内での闇バイトの応募者たちを使って強盗殺人を犯させたが、彼ら自身は手を下しただけではないので、立件され有罪となるのが詐欺罪のみに終わりはしないか」という点。若狭弁護士が指摘しておられたのは「詐欺罪の罰は最長5年」であり、「強盗は8年」との点だった。これでは両方が合算されても最悪は15年で、彼らが再び野に放たれることになりはしないかということ。

私が怖れていることは、かれらを「詐欺及び強盗殺人で起訴し、有罪とされるだけの証拠が揃うのか」なのだ。法律というか刑法などは全く知らないが、「十分に証拠を揃え自白も取れて、最長の法定刑で刑務所に留め置くことが可能なのか」が不安に思えるのだ。言い方を変えれば「彼らはただ単に海外に逃亡した上で遊興費を稼ぎ遊び呆ける為だけを考えて、証拠隠滅までに心を配っていなければ良いのだが」という事。

私には「彼らは深謀遠慮を図った詐欺と強盗団だったので、逃げ道を準備していた」のか、あるいは「単なる浅慮の与太者集団で海外にまで出て行って酒池肉林を楽しみたかったのか」などは、一般人には見通せることではない。

だが、真っ向から懸念していることは「長期間景気が低迷し賃金も上昇せず、雇用状態も安定しなければ、若者たちが金欲しさに前後の見境もなく、悪の手先に唯々諾々となって行くのか」という点だ。言いたくはないが、国力が何となく怪しくなったので、悪がはびこる事態となったのではないだろうなということ。