新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

本日もNPBの日本シリーズ観戦記

2022-10-28 08:04:58 | コラム
もういい加減に野球の話題から離れたいのだが:

昨日まで何かに取り憑かれたかのように野球のことばかり取り上げてきて、些か疲れ気味だ。とは言うものの、昨夜も始めから終わりまで熱心に見ていたので、矢張り一言二言語って見ようと思うのだ。でも、この話題の方が岸田内閣の閣僚の旧名統一教会との関連の処理の不手際や、会計処理の報告書に故人の署名があった大臣のことを論うよりはマシだろうと思うのだ。

私には勝って2勝2敗の同率に持ち込んだバッファローズを褒めるよりも、スワローズの方の幾つかの問題を指摘したいと思えたのだった。その最たるものが村上宗隆の不振であろう。何故そうなっているかは昨日に取り上げたが、その他に指摘したいことがある。それは、リーグ戦の最終試合の最終打席でホームランの56本目を打った凄さ、22歳にして3冠王になった立派な成績を、テレビや新聞が余りに過剰に褒め称えたことにあるのではと言いたいのだ。

私が今日までに繰り返して指摘した事がある。それは「テレビや新聞が過剰に賞賛し、持ち上げ、褒め称え、騒ぎ立てられた選手たちが、その褒め過ぎられたことで増長したとか、のぼせ上がった訳ではなくても、何故か調子を落とすとか、状態が悪化してしまった例が数多くあったこと」なのである。

私はこの持ち上げ過ぎと選手たちが不調に陥ったことは、彼ら選手たちが過剰に褒められた結果で増長した訳でもなく、不調とは何ら具体的な関連性はないと見てはいるが、このシリーズの村上のようにあれほど褒められると、何故か不調に陥ってしまうのだ。

第4戦でも昨夜の第5戦でも、村上は「ここで彼が単打でも打てば」という場面で悉く凡退していた。特に昨夜は私が未だ立ち直れていないと見ている山田哲人と共に好機で凡打か三振に終わっていた。山田などは「もしかして高津監督はバントさせるのではないか」と一瞬閃いたほど崩れている。あの村上の出来の悪さを見ていると、2本もホームランを打って見せて試合を決めた吉田正尚こそが、真の四番打者だと認識させてくれた。ここの違いが勝敗を分けた。

次なる高津監督の失敗は、山下輝新人投手の「引っ張り過ぎ」だ。私は新人を使うというから、さぞかし剛速球をこれでもかと投げ込む型かと思えば、何と出来損ないの石川雅規のようで、緩急織り交ぜて「外していく」型の投手だった。私は「これでは馴れられたら終わりで、精々3回までか」と見ていたが、高津監督は5回まで使って、吉田にホームランまで提供して3点取られてしまった。恐らく、3回で降ろせば、中継ぎが駒不足だったのだろう。この先発投手不足がスワローズの弱点だとは既に指摘してあった。

バッファローズの中島監督の作戦勝ちだったと思うが、その例を挙げてみよう。その最たるものが9回の裏にマクガフが先頭打者を歩かせたところで、バントに出た作戦だ。中島監督の狙いは兎に角1点を取って、最悪でも延長戦に持ち込むところにあると見た。この時点でアナウンサーは「吉田正尚まで回せば」と声を張り上げていたし、実際に回ってサヨナラホームランになった。

私はここでの高津作戦の問題点は、マクガフの不安定さにあったと思う。私は彼がタイガースの岩崎優の不安定さと同様で、ヒットを打たれるとか無用の四球を出しながら何とかゼロで逃げ切るような、危なっかしいクローザーだと見ている。それに加えて、昨夜は当たりそこないのゴロを捕ってから一塁に悪送球まで演じてバッファローズに不労所得の1点を与えて同点にしてしまった。マクガフには守備の拙さまであったとは知らなかった。弱点は「ここぞ」の場面で明らかになるのだ。

これで、明日からはめっきり寒くなった東京の室外の神宮球場で2試合をやることになった。私にはバッファローズの方がほんの少しだけ有利になったかにも見える。だが、山本由伸が使えるのかどうかと、仮令使えても何故かスワローズが相手となると切れ味が鈍るので、先発投手に誰を使うのかが問題だろう。この点はスワローズも同じではないのか。順番では小川だが、問題は何回まで保つかだ。バッファローズは宇田川と山崎颯太郎を温存できている。

となれば、矢張り村上と山田が与えられた任務を果たすかどうかだ。スワローズの更なる問題点はオスナではないのか。バッファローズの捕手たちは漸くオスナがアウトサイドの低目に真っ直ぐと曲がり球を投げておけば抑えきれると読み切れたようだから。この弱点はサンタナにもあるようだ。という次第で、未だ未だ私にはどちらが制覇するかは読めないし、閃きも来ていない。