新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

世相を斬ってみれば

2022-09-03 08:58:49 | コラム
兎角此の世には:

GO:
つい先日のことだった。家内と外出すると、同じ棟から出てきた長身で垢抜けた服装の女性が「カツカツ」とヒールの音を響かせて足早に我々を追い抜いていった。ところが、この女性は50mほど先の四つ角の信号のところに立ち止まって、しきりにスマートフォンをいじっていた。すると、直ぐにそこに横っ腹に大きく「GO」と掲示された黒いタクシーが寄ってきて、格好良く乗り込んで見せてGOだった。

「なるほど。これが日本交通の川鍋社長が週刊新潮の佐藤優氏との対談で語っておられた、タクシー配車アプリか」と納得した。そんなに直ぐにタクシーが来るのかと言われそうだが、恐らくその交差点から50mも行かない場所に東京山手メデイカルセンターがあり、客待ちのタクシーは常時5台やそこらは並んでいるのだ。

そこで、家内に言ったことは「この儘、世の中がディジタル化されるというかスマートフォン用のアプリが増えていくと、何時の日か我々時代に遅れた高齢者は街でタクシーが拾えなくなるかも知れないね」だった。実は、我々が出掛けていく先はと言えば「漸くその扱いに慣れた、タブレットで注文する回転しない回転寿司の『魚べい』だった」のだ。一事が万事で、時代は誰が決めたのか知らない「スマートフォンを持っていないと暮らせなくなる」方向に進んでいくようだ。

都民割り:
何を割るのかか解らないうちに発売されたのだそうだ。その施設と場所によっては、発売後の10分で完売したと報じられていた。その中の人気集中の例としてニューオータニ(ホテル)のスイートルーム(なのかな?)がテレビで紹介されていた。詳細まで記憶していないが、確か1泊1人85,000円の部屋が何パーセントか割引になる他に、ホテル内のレストラン等の施設を使えるクーポンが貰えるとあった。

話を聞いていると、何となく「インバウンド」とやらが一向に回復してこない状況にあるかのようなホテル業界に、救いの手を差し伸べているかのような感があった。それはそれで結構なことだと思うが、そういう事よりも、岸田内閣は給与水準が可及的に引き上げられるような策を講じられる事を優先して頂く方が良いことのように思えてならない。

私は在職中は仕事の性質上、自慢じゃないがアメリカ中の有名ホテルをcorporate rateという格安の値段で泊まって歩かざるを得なかった。だが、仕事では夜チェックインで朝食を終えればチェックアウトして外出という具合で、ゆっくり高級ホテル滞在を楽しんだという記憶がない。ただ泊まって寝るだけでは、シングルベッドの部屋でもスイートルームでも同じことだった。朝食だった多くの場合にブレックファストミーティングの場に過ぎなかったので、美味いと感じたのはオレンジジュールまでだった。

90歳が目前に迫ってきた残り少ない人生だから、偶にはニューオータニのようなホテルと悠々と過ごすのも良いかなと思っても、直ぐに完売では手遅れだったのは残念だ。此の世は上手く行かないものだ。

国葬:
岸田文雄総理は何かを見誤っておられたのかという感があるのは見当違いかな。それは、安倍晋三元総理が亡くなられた直後に、あれほど多くの国民が実際に献花に出掛け心からの弔意を示したのを見て、野党とマスコミがここを先途と批判するように「国会等での手続きを経ずして閣議決定」を急がれたのではないかという気もする。私の「閃き」では、既に述べたように安倍晋三元総理が亡くなった直後に「国葬だろう」となっていた。

大体からして、私は功績があった総理大臣があのような形だろうと何だろうと亡くなった場合に、国葬にすることの当否を世論調査で問うべき事の如くに持っていった野党とマスコミの手口が良く解らないのだ。しかも、立憲民主党の泉健太代表はしきりに予算というか「金」を問題にしているし、不参加云々に触れているのは我が国の政党の代表としては非常に礼節を欠いていると非難したくなる。共産党が反対というのは何ら不思議ではないので、論評の限りではない。

しかも、そこに「魔女狩り」とまで言う向きが出てきたあの野党とマスコミ連合軍が血道を上げている「自民党議員と旧統一教会とも関連の問題」が出てきた。その為に、この岸田総理の判断というか問題の傾向と対策を混乱させた(のだろう?)元凶の山上徹也のことなど何処かに消し飛ばされてしまった。マスコミは警察庁と奈良県警の総括の遅れと責任者の進退問題の決定の遅れ等は、さして問題にしていない。専ら「自民党と旧統一教会の関係批判」だけだ。

岸田さんの優柔不断振りに見える点も気になるが、野党とマスコミ連合軍が不当に与論を誘導して世間を何処に持っていこうとしているのかが「見え見え」なのが気に入らない。旧統一教会と関係があったことは、何か法に触れるのだろうかなどと考えさせられてしまいそうだ。兎角此の世には解り難いことが多いのだ。