新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

最近気になっている事

2021-11-21 11:20:37 | コラム
近頃あれこれと気になっている事:

*石油を始めとする原材料価格の高騰:

マスメデイアは判で捺したように、小規模の小売店や外飲食店を取り上げて「エネルギーや原材料のコストが上昇して苦しんでいる。だが、お客様に迷惑をかけてはならないので採算割れでも頑張っております」などと言わせている。非常におかしな報道だと思って聞いている。極端な言い方をすれば、半分は嘘だと思っている。即ち、「何処の何方が損をしてまでも商売をするのか」という素朴な疑問だ。「原価が上がったのならば、躊躇わずに値上げすれば良いじゃないか」と私は何時も不思議なことを言うものだと思って聞いている。

そういう無理をしている背景には我が国では多くの分野で過当競争というのか、嘗て近所に住んでおられた中小のアパレル業者の社長さんが「オーバーストア状態なので」と言われたように、自分の所だけ果敢に値上げすれば同業者に商売を獲られてしまうとの、差し迫った危機感に苛まれているのだろうと思っている。だが、見方を変えれば、この辺りに我が国の伝統的美風(なのかな?)である「お客様は神様」の思想があって、お得意様第一の精神で「耐え難きに耐えてしまっている」のではないかと思っている。

一方、私が長い間お世話になっていたアメリカという異文化の国の市場では、二進法でしか物事を考える能力がないので、「コスト上昇は即刻最終価格を値上げすべし」となって、値上げに向かってまっしぐら状態になるのだ。それを買い手というか需要者側も案外素直に受け入れてしまうので、私が感じた限りでは「物価上昇」となっているのだ。例えば、カリフォルニア州から一時帰国していたSM氏は¥1,000もしないランチを食べて「アメリカでは$10以下で食べられランチなんて考えられないほど物価が上がっている」と教えてくれた。

耐え忍ぶ事が美徳なのか、経営者としてはコスト上昇を即末端価格に転嫁する事を以て常道とするのが当然なのか、考え方は分かれるだろう。私には良く解らないが、このような美徳を重んじているから、何時まで経っても給料が上がってこない原因の一つになっているのではないかと、本気で心配している。だから、アベノミクスで掲げられた2%のインフレすら実現しなかったのではないのか等と、独り密かに気にかけているのだ。

*石が流れて木の葉が沈む:
テレビのニュースでは連日のように軽石の実害と、間もなく襲われるだろう地域の対策が取り上げられている。非常に深刻な問題だと思うし、COVID-19と同様に未知の事故の発生なので、政府も地方自治体も対策に苦慮している状態のようだ。しかも襲ってくるのが「石」だというのも不思議な感を禁じ得ない。石と言うからには沈んでしまうべきなのに、流れに乗ってくるというし、流れている間の石同士がぶつかって粉砕されて沈んでしまうか、魚が餌と間違って食べてしまうという問題まで起こしているとかだ。

兎角、現代には矛盾した事が起きてしまう傾向があるのだが、今回は古い言い慣わしである「石が流れて木の葉が沈む」にも等しい現象が起きているのだ。その一方では違法に海に遺棄乃至は廃棄されたプラスティックス製品が色々な面で害になっている。これはプラスティックス製品を生み出した人類が発生された災害であるのだ。この災害の対策も、またもや後手また後手の嫌いがある。だが、可及的速やかに何とかしない事には、取り敢えず漁業が被害を受ける事になってしまうのも気になっている。

*北京オリンピックの外交的ボイコット:
中国で開催される冬期オリンピックをボイコットとは、バイデンさんも思いきった事を為さるものだと感心したのは早計だった。これは外交的な事で政府高官等の使節を派遣しない事だった。ところが、既にUKも同調したようで何れ我が国にも所謂「同調圧力」がかかってきそうな雲行きだ。ところが、極めつきの親中派であると報じられている新任の外務大臣・林芳正氏は、今朝ほど出演しておられたフジテレビのThe Primeではこの件については言葉を濁しておられただけだった。

バイデン大統領は既にトランプ政権の対中国政策をある程度以上継承しておられると報じられているので、かなり鮮明に習近平と対立しておられるかのようだ。そこで、我が国だが、政治は兎も角「サプライチェーン」とやらの経済的というか輸入の面での依存度を考える時に、岸田政権が何処まで習近平との対立に踏み切れるかは大いに気になるのだ。今朝ほども何処かのニュースで中国からの蕎麦の輸入量が激減し価格も大幅に上昇したので赤字転落寸前だと、蕎麦屋の店主が思案投げ首だった。ここでも同じ事を言うが「値上げすりゃ良いじゃないか」なのだ。

岸田文雄内閣総理大臣と林芳正外務大臣の腕の見せ所が迫ってきたのではないかと、大いに気になっている。