新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月16日 その3 “Take it or leave it.”を説明すれば

2018-12-16 17:15:02 | コラム
値上げは話し合うべき事だったのか!

昨日採り上げたアメリカ式交渉術の“Take it or leave it.”をあらためて説明しようと思います。より具体的に例を挙げて言えば「値上げ交渉」が良いかと思います。何故そう言うかと言えば、「アメリかでは値上げはサプライヤー側が買い手に通告するか公示(postという動詞がそれになります)するものであって、買い手と話し合う性質ではない」のです。それ故に、アメリカの企業は値上げを(一方的に?)に我が国の取引先に“Take it or leave it”的に通告しては「無礼である」とか「高飛車な」と非難されました。

彼らは自分たちが通告した結果で大変な揉め事というかお客様に強硬に反抗され、こじれにこじれた後で「日本では値上げは買い手と話し合うべき性質だったのか」と知って驚いたものだったのです。トランプ大統領の交渉術を見ていると、在職中のW社が未だ対日交渉に不慣れだった頃に、値上げの一方的な通告をした結果で、話し合いが難航した経験を思い出した次第です。

それ故にもしも、今後もしアメリカとのFTAの交渉でも始まって、強引だと聞くライトハイザーUSTR代表が“Take it or leave.”式で折衝してくるとすると、我が方が恐れをなして折れてしまうのではないかと懸念しています。

私はもしもトランプ大統領乃至はライトハイザー氏がそういうアメリカ式の習慣で相手に迫ってこられたら、かかる切り出し方に不慣れな我が国のマスコミや政治家などには「文化の違い」として捉える準備が出来ていないので、「何故、高飛車か」が理解できないのではと、今から心配している次第です。

12月16日 その2 近頃気になること

2018-12-16 11:31:35 | コラム
軽減税率他

軽減税率から:
既に税制大綱が発表になってしまったが、私は以前にも述べたが「単一税制」の方が誰にでも解りやすくて良いと思っている。それが本当に財務省が主張するように「プライマリーバランス改善等々」が大目標であれば、尚更ではないかと、単に得意の「閃き」から考えている。

税制大綱というのか「軽減税率」の内容を解説した新聞記事を見たが、特に「キャッシュレス」を標榜する軽減税率は中小以下の規模の小売店にとっては大変だろうが、我々は受益者のようだから「大変な手間と労力だろうが、宜しく」と言っていることしか出来ないかと思った。また、現金主体の我が国では来年からはカード会社に取得の申し込みが殺到するだろうが、その審査だけでも一苦労かな」と他人の疝気を頭痛に病んでいる次第だ。

逆進性が屡々批判の的になっているが、どのように軽減税率を導入しようと解決する性質ではないのが消費税率引き上げではないのかと、税制などには全く明るくない私は危惧している。解決法を乱暴に言えば「劣化した経営者たちが一向に賃上げに、それも大幅なもの、に踏み切れないのが最悪なので、この点を改心させることが急務では」と言いたいのだ。上がるどころか、正味下がり気味で、未だにデフレ状態を脱却できていないと指摘する学者までがいるではないか。

華為問題:
この点では「国家の安全保障の為」と言われたトランプ大統領の決断は支持したい。5Gという時代にもなれば中国に先行されては絶対にならないと思うからだ。それにしても中国とは恐ろしい国で、大企業のオウナー兼経営者の一族ともなると、7通ものパスポートを所有できるのだから。私には夢想だにできないことだった。その経営者を「イランに対する制裁違反」の廉でカナダに逮捕を依頼(したのだろう)トランプ方式も凄いと思う。

それに対して中国は目下の対アメリカの貿易というか冷戦も休戦状態にあるのもものかは、アメリカよりは弱そうなカナダの外交官等を直ちに拘束する手段に訴えたのは「中国は何処まで行っても中国だ」と呆れるしかなかった。中国の凄いというか強腰というのか「常に自分たちが上位であるかの如きものの言い方で相手国を真っ向から批判して改心というか改善措置を迫る」偉そうなところだ。しかもそれを言うのは常に報道官で、習近平の意見など表面に出た事がない。

私は我が国も遅まきながら、華為排斥に出てきたのは将に“better late than never”で当然であって良かったとは思う。私にはこの一件を見ても中国が世界中、特に嘗てLDCと言われた諸国に魔の手を積極的に伸ばしている有様をあらためて認識させられた。「日中友好」などは寝言ででも言っていれば良いことのような気がしてならない。

日韓議連:
報道によれば、その弱腰には私を落胆させるに十分だった。折角文在寅大統領以下を屈服させる絶好の機会だったにも拘わらず腰砕けで、かえって文在寅大統領の出鱈目な主張を聞かされただけのように思える。論外である。「こんな事でどうする気か、額賀君」と言ってやりたい。今、本気で具体的な手を打たねば無法者の彼らは本格的に新日鉄や三菱重工の資産差し押さえの暴挙に出てくると、私は真剣に危惧している。安倍総理は軽減税率の心配などなさっている時期ではないと思う。

私はこれまでの主張通りに閣僚級が青瓦台に乗り込んで膝詰め談判で改心させると共に、アメリカの有力地方紙等でも何でも「韓国が如何に邪で間違いを犯しているか」を正々堂々と全面広告でもぶち上げて、更に機会があればUNででも韓国のインチキ振りを発表すべきだと思っている。ここまで無策でいられると、私は政府は弱気なのではなく、単に為す術を知らないのかとすら疑ってしまいたくなる。事は「やられれば、やり返すだけ」ではないのか。


「トランプ大統領の1年10ヶ月を振り返れば」の補足

2018-12-16 10:15:44 | コラム
トランプ大統領批判ではないのだ:

私は昨日はこれまでとは一寸違った考え方であの一文を纏めました。あれはトランプ大統領批判ではありませんが、賞賛もしていませんでした。

私は違って読書については年齢と視力のこともあって極めて無精になりました。畏メル友のX氏はは驚異であり尊敬すべき読書家であると認識しております。その成果として該博な知識を得られ、常に誰かの説か言を引用してまでも「貴方はトランプ大領を批判するのは不当だ」と手厳しく言われます。私はそれほど勉強家ではありませんし、アメリカ式にただ単に「自分の意見を述べる」方式しか知りません。

もし一言にして何かを率直に言えれば「Xさんとは違ってアメリカの下層に属する現場の労働組合員たちと『何故品質を向上せねばならないか』と何度も語り合うというか、説得し質疑応答もしてきたので、彼らの知的水準も解るようになりました。その連中を支持層の中核に置くような戦略にしているトランプ大統領の作戦は巧妙だと思います。

偉そうに言えば「こういう経験をした日本人の社員は少ないだろう」と自負おります。それはアメリカの会社では本社機構にいる者が外国人だろうとアメリカ人だろうと、労働組合員と平場で接触することは例外的な社会なのです。希望的には、かかる経験からくる論調はある程度認識されると思っております。

私はそういう経験を基にして在職中に付き合いがあったアメリカの知識階層からの影響を受けてある程度以上アメリカ化された(珍しいかも知れない)日本人の一人かと思っております。だが、不思議なほどにアメリカの会社に所属していた者たちの中から、私のように自分の意見を公に発表する者は少ないのです。だが、多くの仲間は私と同じ考え方をしていました。だから、Xさんに反発されるのかとも思うことがあります。

私の書き方では多くの知識階級に嫌われているトランプ大統領は如何なものかと批判していると思わせてしまう結果が生じたと思っております。私は評論として述べているので、今や「トランプ式政治の成り行きというか結果が出るまで待とう」と思っております。それは選挙公約にもなかった中国叩きをあそこまで徹底されるのであれば、ぐずぐず言わずに結果で出るまで待たねばなるまいと言う面が出たからです。

私は今回は「トランプ政治が成功であったか否かは1期目が終わって結果が出て初めて評価できるのでは」と言外に指摘したつもりでした。また、多分多くの我が国のビジネスマンは、彼らが用いる“take it or leave it”戦術をご存じではないのでは」と危惧しております。私はこれを紹介してトランプ式交渉術が何故あのように強硬になるかを広く知って貰いたいと思っております。

アメリカの多くのビジネスマンたちは交渉事をトランプ大統領のTwitterにあるようなむき出しの表現は使わず、もう少し「糖衣にくるんだ言い方」を採るものです。その点が気懸かりなので、採り上げたのですから、批判と解釈される前に「こう言うやり方があったのか」とご理解願えれば有り難かったのです。

こういうアメリカ式交渉術の紹介には触れられず、「貴殿さんはトランプ批判一辺倒である」という先入観だけに固執されてるのが辛いです。私はXさんのようなご批判に遭うと、2~3日は深刻に「如何に対応したら良いか」今でも悩んで落ち込みます。それは85歳の今になって徹底的に論争をするのは避けたいとの思いがあるからです。私は相手と激しい議論をして論破乃至は決着して感情的にもなることなく「今日は良い議論が出来たて良かったな。これから飯でも食うか」と言ったようなアメリカ式の議論をする時期は卒業したと思っております。

私は多くの場合に「アメリカの立場から見た日本」を語ってきてつもりでいますし、特にトランプ大統領についてはアメリカの昔の上司や同僚たちが属している知識階級の立場に立っている気がします。何時も採り上げるL氏が住むワシントン州はご存じのように東海岸よりも知的水準が高いと認識されている西海岸の州で強硬な反トランプ派でもあります。そういう点も配慮してお読み頂ければと願っております。

今度とも宜しくお見知り置きを願いたいと存じます。