新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

オバマ政権を考察する

2013-10-15 08:03:23 | コラム
私が見るアメリカという国:

先日紹介したフロリダのMI氏のオバマ政権に対する批判というか率直なご意見に対して、「人種云々」ではないかとの声もあった。私は確かにそういう面があるご意見だと思っているし、その辺りがアメリカだとも思っている。

私が見るところでは、アメリカの民主党はリベラル的である点で、我が国と民主党に似ていると言えると思っている。しかし、アメリカの民主党を支持する層はこちらのように労働組合のような組織ではなく、今や白人を超えるのではないかいうほど全米の人口に占める比率が高くなった「非白人層」とでも形容したい嘗てのminorityであるアフリカ系、ヒスパニック、アジア系と言うか、非合法をも含む外来ないしは移民ではないのか。

その辺りを私は「1994年にリタイヤーしたあと何年かは2億6千万人辺りだと思っていたアメリカの人口が、最早3億1千万を超えるほどに増えており、その5,000万人かとも見える増加の大半を占めるのが上記の白人以外であり、その急増分がオバマ大統領の支持層であると考えれば、解りやすいのではないか」と唱えてきた。そこを目指せばこそ、オバマ・ケアを成立させ、新移民法を提出したのだと考えている。

今回は敢えて上記のように「人種云々」としたのは、私はそこに見える現象は差別(discrimination)と言うよりも、多くの人種や貧富の層が横一列に並んでおり、各層の間を串刺しにする機関も関係もなく、また交流というか移動もないのがアメリカだと見ている。しかも、先頃NYで「1%が富を握り、99%を支配することに対するデモ」があったことが示すように、ごく少数が支配していることを不満に思う層が、オバマ大統領を支持していると考えれば、比較的納得しやすいのではないか考えている。

こういう視点に立てば、アメリカの共和党は我が国の自民党とは一寸似てはいるが非なるものと見ている。先頃、我がW社の8代目CEOのジョージはブッシュ大統領(父親の方だが)と"Skull and bones club"と言う組織で有名なYale大学の同期であり、大統領自らがW社本社を訪れたような密接な信頼関係があったことを述べたように、一握りのと言うか1%の範疇に入る富裕で謂わば上流な人たちに支持される政党なのである。W社本社のような企業には、大袈裟に言えば「石を投げればHarvardやPrinceton等のIvy LeagueのMBAに必ず当たる」というような世界だった。

誤解ないように申し上げておけば、私はアメリカのこのような世界を是認するとか賞賛する気など毛頭なく、「ただ単にアメリカとはこういう国で、そこに多数決を基本に置く民主主義の政治体制である以上、オバマ政権が出現する土壌がある」との説を主張するだけだ。だからこそ、何度か申し上げた来たが、「22年以上のアメリカの会社勤めの間に、アフリカ系アメリカ人(の社員)と膝つき合わせて語り合ったこともなければ、アジア系の上級管理職に出会ったこともなかった」のだった。

MI氏の解説はこのような共和党系の視点に立っておられるからのことで、偏見でも何でもないと思っている。これも常に述べてきたことだが、"Every coin has two sides."で、物事には常に両面があって、オバマ政治を裏面からないしは違った角度から見れば、あのようなオバマ大統領に対して厳しいとも見えるご意見になるのだと考えている次第だ。