ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・上つ巻(14)釣針失くす 火遠理命

2013年01月17日 | 古事記ものがたり
■釣針くす 火遠理命ほおりみこ

一夜ひとよ身籠みごもる 咲夜比売さくやひめ
日数ひかず合わぬと 迩々芸命みこと言う

あめの子ならば 無事生まる
 くにの子ならば 災難なん起こる」
言いて咲夜比売さくやは こも

産気さんけと共に 家は火に








生まれでたは 火照命ほでりみこ
次に火須勢理ほすせり みこと産み
末生まれしは 火遠理命ほおりみこ

火照命ほでりのみこは りょうが好き
海幸彦うみさちひこの 呼び名持つ

火遠理命ほおりのみこは りょうが好き
山幸彦やまさちひこの 呼び名持つ

末子ばっし火遠理命ほおりは 興味持つ
長兄あに火照命ほでりの 釣り道具

互い得物えものを 取替えて
 と猟との 競いをと
約束やくなり火遠理命ほおり 海急ぐ

したが火遠理命ほおりに 成果みのりなく
借りた釣針 海底うなそこ

いか火照命ほでりは 闇雲に
 せ返せと 責め立てる

火遠理命ほおり十拳剣つるぎを 打ち砕き
作る 釣針 五百針
「ならじ」と言うに 千の釣針はり
「ならじ返せや 元の釣針はり









困る火遠理命ほおりは 海へ行き
泣きて嘆くに そのそば
塩椎神しおつちかみが 現れて

「わしが籠船かごぶね 作る故
 乗られ海底うなそこ 大綿津見神わたつみ
 宮殿みやに着かれて 井戸の脇
 香木かつらに登り お待ちあれ」

待つことしばし 香木の下に
来たる女は 大綿津見神わたつみ
豊玉とよたま 比売ひめの侍女


   侍女水汲むに 井戸のぞ
   水面みなも写るは 火遠理命ほおりみこ

   火遠理命ほおり侍女にと 水所望しょもう
   得たるうつわに 首の玉
   含みてくに 底に密着

うつわを見たる 豊玉比売たまひめ
密着く玉に 驚きて
誰ぞ居るやと で来たり
火遠理命ほおり姿に 染めるほお

呼び大綿津見神わたつみ 一目見て
おそれ多しや この方は
 あまつ神御子みこ なるぞかし」

 いて御殿へ 招き入れ
馳走ちそう歓待かんたい 下置かず
やがて豊玉比売ひめをば お合わせ


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